前回のblogで、嚢胞が少し大きく、数も増えていたことを書かせていただいた。が、腎臓自体の数値は安定しており、できれば嚢胞自体にも効果があればもっと喜ばしいところだ。そこで、トルバプタン服用中の水分摂取量について、今回は書かせていただこうと思う。
トルバプタン服用中、常に脱水状態になってしまうことはいたしかたないのではあるが、それを少しでも改善することにより、トルバプタンの効果をもっと引き出すことができるらしい。
要は脱水状態がひどいとトルバプタンの効き目も落ちやすいということだ。トルバプタンの効果を最大限発揮してもらうためには、最適な水分摂取が欠かせない。しかし、逆に水分摂取量が多すぎると低NA血症を起こしてしまうので要注意だ。
兄猫は、NA値が少し上がっていた(脱水が進んでいる)ことから、トルバプタン服用を続けるとともに、水分をどれだけ摂取してもらい、脱水症状の緩和をすることで、もう少し効果が期待できるのではないかと思われる。
トルバプタンを服用していると、常に脱水状態にはなるが、水分摂取量が足りていない場合、腎臓がこれ以上脱水にならないよう尿にNAをださないように働いてくれる。ただし、脱水状態が改善されるわけではないため、トルバプタンの効果は減ってしまう。
その指標となるのが、FENA(尿中ナトリウム排泄率)だ。
FENAとは、尿に排出されるクレアチンとNAの割合から算出した値である。
FENA(%)=(尿NA/血液NA)÷(尿CR/血液CR)×100
トルバプタンを服用している場合、1%未満だと脱水傾向、1%以上であれば、トルバプタンの効果を引き出せていると考えられる。
が、FENA値は、腎機能や塩分摂取量によっても変化するため、絶対的な数値よりもトルバプタン服用期間に応じて、水分摂取量と尿量(薬に慣れてくると当初より減り落ち着いてくる)の経過的状態から判断することで、水分が上手く摂れているかを見極めていくとこが重要だ。
そのため、今回から、置きごはんはドライフードで仕方ないが、人が一緒にいる時は、極力ウェットフード(総合栄養食、一般食関わらず)を食べてもらうことにした。水分(水)は、もう十分本人が頑張ってとっているので、それ以外で水分摂取量を増やすには、ウェットフードを利用するしかない。具は残してもスープだけでも構わない。よく食べ、利用しているのは、ペーストタイプとテリーヌやジュレタイプの水分の多いものを利用している。
飽きがくるので、サイクルで回して食べてもらっている。これで少しでも改善されれば良いのだが。次回検診時にNA値の減少と嚢胞の改善が見られたら嬉しい。
トルバプタンを規定量より増やすのは、やはり副作用が断然出やすくなり、それも命に関わるようなものもあり得るので、その選択肢はないものとし、できる限り今の現状を保てるよう頑張っていきたいと考えている。
嚢胞が大きく、また増えたことは、ショックでとても残念だが、まだやれることがある限り望みを捨てず頑張っていこうと思う。
同じ病気を患っている猫ちゃん達も悲観せずに、できる限り一緒に頑張ってもらいたい。その一心でblogを書かせていただいている。
今後とも応援いただけると嬉しい限りだ。