前回のブログでのロイヤルカナンからの回答の通り、食事では溶解出来ない結石のため、予防策を調べてみた。

現時点でわかった点は、下記の通りだ。


・尿を濃くしない

(水分を取らせるように塩分を高くし、排尿を促す。尿石用のごはんのほとんどが対応となっている)


・カルシウム不足

(シュウ酸とカルシウムは、尿の中で結合することで、結石となる。が、その前段階の腸の中でも結合する。腸の中で結合すると便として排出されるため、結石の心配はない。つまりカルシウム摂取量を増やすことで、できるだけシュウ酸を便として排出し、尿まで届かないようにすることが重要)


・シュウ酸の過剰摂取

(猫の場合、手作りごはん等でもない限り、フードで過剰摂取にはなりにくいので、強いて言えば、食べ過ぎに注意すること)


・水分不足

(水分摂取量が少なくなると当然、尿の量も減り濃度が濃くなる。結石生成物質の濃度も上がるため、結石ができやすくなる。適切な水分摂取量がなければ、尿路結石のリスクは増加するといえる)


・動物性タンパク質の過剰摂取

(動物性タンパク質を過剰摂取すると、尿中に排出されるカルシウム量が増加することがわかっている。さらに乳製品以外の動物性タンパク質は、尿中のクエン酸量を減らすことから、(クエン酸は、シュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムが結石となるのを防ぐ働きがある)クエン酸が減ることによりカルシウム結石ができやすくなる)


・プリン体の過剰摂取

(プリン体は、尿酸のもとになる物質で、通常は尿とともに排出される。しかし、尿が酸性に傾いていると溶けにくい性質から、尿酸結石になってしまう可能性がある。プリン体は、動物の内臓(レバー等)や魚介類に含まれるので、フードの食べ過ぎは要注意。また、プリン体は、腎臓での尿酸排泄を低下させる作用もあり、多量の尿酸を長い間尿路に停留させることからも尿酸結石の生成に繋がる危険性がある)


・塩分の過剰摂取

(塩分を多く摂取すると、尿中へのカルシウム排出量が増加し、さらに結石を防ぐ効果のあるクエン酸量の尿中の量を減少させることがわかっているが、猫の場合、多少塩分を加えることにより、水分摂取量の増加の方が結石予防となるメリットが大きいようだ)


・糖分の過剰摂取

(手作りごはんではなく、フードを食べてもらっているのであれば、糖分の過剰摂取については、心配ないものと思われる。ちなみに、糖分の過剰摂取は、尿中へのカルシウム、シュウ酸、尿酸の排出増加、尿のphが酸性に傾くことがわかっている)


・遺伝的要因

(これに関しては、多発性嚢胞腎のように遺伝と明確にわかっている場合、繁殖禁止の徹底でしか予防方はない)


・尿のph

(中性が7.0、これより低い数値ほど酸性が強く、高い数値ほどアルカリ性が強いことを示す。尿は、通常弱酸性でph6.0程度。食事内容での変動もあるが、ph5.5以下になると尿酸結石ができやすくなり、ph6.5以上になるとリン酸カルシウム結石ができやすくなる。ちなみにシュウ酸カルシウム結石予防には、ph7.0〜7.5が望ましいとされる)


人間も同じだが、食生活の乱れがphに影響するということがわかる。ただ、猫の場合、今も研究されているAIM等や、これまで生存してきた環境(元々は砂漠で生活していただく)から、生き残るために水分摂取は少なく、尿を濃縮するような体質へと変化させてきたことが、残念ながら腎臓の寿命を短くしてしまうことになってしまっている。だからこそ、猫のごはんには、最新の注意を払ってこそ、愛猫の健康維持に繋がることになると言っても過言ではない。