我が家の兄猫の病状をここまでかかせていただいてきたのだが、この病気になってから、割と身近にも同じ病気で、大切な子を亡くした方々がいたことを、この病を知ったことで、知ることになった。


家族の会社の同僚でも、つい数ヶ月前に双子の猫ちゃんの片方を多発性嚢胞腎で若くして亡くし、もう1匹は、多発性嚢胞腎があるものの、それほど病状が進まず、今も元気に過ごされているとのこと。


FIPなどと違って、遺伝性なのであまり知られていないものと思い込んで、あまり口にする方も多くなく、それまで腎不全と言う病名でお話をしていたのが、我が家の兄猫が多発性嚢胞腎だと話すと、驚き、そして初めて亡くなってしまった子が同じ多発性嚢胞腎だったとお話を聞かせてくれることも多々。


遺伝性多発性嚢胞腎の子を待つ飼い主は、運が悪かったとしか言えないと、受け入れ難い気持ちを何とか納得させようとどこにもぶつけようのない思いに駆られている。


数年前からの猫ブーム(生き物にブームなんておかしいと思うが)で、素人のようなブリーダーも参入してなのか?ここ最近、以前に比べ、遺伝性の病気が増えてきている傾向があるらしい。


SNSでお世話になっている、同病の子の飼い主さんは、かなり知識と行動力がある方なので、迎え入れる前に、PKDクリアを確認した上で、お迎えしたにも関わらず、発症してしまった子がおり、(例外的に突発性で発症することもあるらしいが、ほぼ稀であり、ほとんどがやはり遺伝性だ)、譲り受けた先のブリーダーに同じ病気の遺伝子の子を産ませないように抗議し、裁判までも考えられたようだが、ブリーダーが今後、遺伝性病の子はブリーディングしないと約束したことで、とりあえずその言葉を信じて、取りやめたようだ。そして、その子もまだ戦いの最中にいる。


また、このブログにいただいたコメントの方も、同病で大切な子を亡くされ、何か出来ることはないかと、励ましのお言葉とアドバイスをいただいた。本当にありがたい。


また、直接やりとりはないものの、ネットの中にも何もしてあげられず、悔しい思いをしながらの闘病末、大切な子を亡くされた方の言葉を見つけることが出来る。


本当に、辛い病気で、短命でなくなってしまう子たち。短いながらもせめても、出来るだけ幸せな時間を過ごしてもらえるよう努力するしかなく、居ても立っても居られない気持ちに追いやられる。


残念ながら、猫ブームといいながら、猫の病気治療は、それほど進んではおらず、未だ腎不全すら治せる薬もない。


一時期、腎不全の原因を突き止め、治療薬が出来ると、愛猫家から多額の寄付金が集まったこともまだ記憶に新しいが、サプリ的なものがフードメーカーから出されただけで、薬剤には辿り着いていないのが現状だ。


愛猫家の気持ちは、フードメーカーとの開発ではなく、病院で使われる薬としての希望を、多額の寄付金として託したのだ。なんだか的外れな結果で、残念な気持ちでしかない。まだこの先、薬として開発されることを望むばかりだ。


ブリーディングされる方々は、必ずまず先に親となる猫ちゃんを遺伝子検査すべきであり、血統書とかよりも、そちらの証明書の方が何倍も大切なものであり、何か問題があれば、簡単に交換しますとか、信じられない言葉を発する。彼らにとっては物なのだ。命あるものをお金の為に利用して良いものだろうか?これには、法整備が不可欠だ。


また、この病気に関しては、獣医(私の住む地域では)も知ってはいるが、その病気の子を初めて見たという獣医がほとんどで、恐らく多発性嚢胞腎であっても、知識がなければ腎不全で片付けられてしまうのだろう。


また獣医自ら、その病気に向かう気持ちが全くの皆無であることが多く、こちらから情報提供しても、使ったことのない薬は使えない、治療したことがないから難しいと言う獣医がほとんどだった。大学病院ですらそうだ。


多発性嚢胞腎の子は、獣医からも見放されてしまっている。そうなったら、飼い主が自らどこまでやれるかしかない。どこまでできるかもわからないが、できる限りはやってあげたい。もちろん治療によって苦しめるようなことはするつもりは毛頭ない。


ブリーダーの方々は、遺伝性病の根絶、獣医の方々、また研究者の方々、本気になって治療してやろうと思っていただきたい。諦めないで欲しい。


今使用しているトルバプタンだが、これも良く効く子とそうでない子とがあるのかもしれない。また多発性嚢胞腎は、結石も併発することが多いのだが、それの有無にもよるのかもしれない。また、嚢胞の大きくなるスピードや増える数のスピードもまちまちで、(多発性嚢胞腎ではなく腎嚢胞という、腎臓に2〜3個の嚢胞があるが、増えたり、大きくなったりせず、大概そのまま無治療で問題ない)10歳まで生きられる子もいるようだ。


10歳でも、今の猫の平均寿命からすると短命だと思うのだが、それでも10歳まででも生きて欲しいと願わずにはいられない。


そして、そんな遺伝性の病を持って生まれた猫たちは、猫生を幸せに感じてくれているだろうか?せめても幸せだと感じていて欲しいと望まずにはいられない。