これまでの内容をご覧いただいている皆さんは、腎臓病のおしっこについて、「当初からの兆候と改めまして」の中で、少し書かせていただいておりますが、今回は、もう少し具体的に書いていこうと思う。
腎臓病になると、まず見られるのが
・頻尿
・薄い色のおしっこ
・多尿
・多飲
これらの症状。それに気づけるかが、早期発見に繋がる大切なポイント。早期発見がその後の寿命に大きく関わることになる。
そこで、我が家でも当初使用していた固まる砂(人間側にとって便利)は、当然固まってしまうので、量的なものについては、塊の大きさで大体はわかるものの、微量な血尿やおしっこの色については、大変わかりづらいものだ。
途中から、衛生面や臭いの問題から、システムトイレ(尿を吸わない砂の下にスライド式で吸収シートを入れられるタイプ)に変更していた。
ここで、最初に気づいたのが、尿の色。2匹の尿の色、臭いがかなり違うことに気づいたものの、個体差かとスルーしてしまった。後悔。
そして、数年後急性腎臓病を発症(その原因は尿管結石)したのだが、その半年前くらいから、少しずつ体重が減って来ていた。半年かけて大体1kgくらい落ちていたのだが、元々食が細く、季節柄なものもあるかと、またスルーしてしまった。いろんな合図をくれていたにも関わらず鈍感な飼い主だった。本当に申し訳ない。
急性腎臓病発症時の症状としては、
・数日続けての嘔吐
・頻尿(目には見えないくらいの血尿)
・食欲不振
・元気がない
兄猫は、元々良く嘔吐する子で、1歳前後にいろいろ検査(エコーは受けていない)を受けたが、特に問題(血液、尿検査)は見つからず、フードが合わないと言われ、アレルギー要のフードへ変更。しかし、週に2〜3の嘔吐(食べたご飯がふやけたもの)が治らない。そして、兄猫は、同じご飯がひと月と続かない。よってこのアレルギー用のご飯も食べなくなり、仕方なくまた別のごはん(療法食ではない)を探しては与えて様子をみていた。
選ぶ基準としては、
・消化しやすいグルテンフリーのもの
・タンパク質が多いもの
・化学添加物の含まれていないもの
フードジプシーとなり、ぐるぐるといろんなものにチャレンジしたものの、どれも変わらず。
最終的には、好きなもの、食べてくれるもので落ち着いたのが、ニュートロ穀物フリーダック。
なので、急性症状が出た時も、2〜3日様子を見てしまった。流石に嘔吐が多すぎると思い受診。その際、おしっこをシリンジで、採取し、専用容器にて持参。これが出来たのも、システムトイレだったから。
システムトイレのシートを外しておけば、そこに尿が貯まるので、それをシリンジで吸い上げれば簡単に採取できる。シリンジは、それ以外にも投薬や給水、給餌などにも使えるので常備をお勧めする。(泌尿器科系専門病院や大学病院では、精密検査のため、直接お腹から針を刺し、尿を採取する。この場合検査は精密だが、リスクと苦痛が伴う。ので、通常の検査てあれば、出来ればなるべく新鮮な尿持参がベストかと思われる)
結果、急性腎臓病との診断で、皮下輸液。1日おきに1〜2週間通い、この時は、腎臓病の目安にする数値、クレアチニン、BUN、SDMA共に正常値に戻り一安心。
しかしその半年後、また腎臓病の数値が高値を示し、症状も急激に悪化していった。治療としては、前回同様皮下輸液。1日おきを2週間続けるも良くならず、、慢性腎臓病と診断され、日帰り入院での静脈点滴予定前のエコー検査で多発性嚢胞腎が見つかり、他の施し用がないと言われ、少しでも効果があればと幹細胞移植を希望し、セカンド、サードオピニオンにかかった病院で、ともに多発性嚢胞腎でもあるが、今回の症状は尿管結石を疑うとの診断を得て、大学病院で手術を受け今に至る。
どの猫の教科書?でも、頭数+1のトイレを用意するよう描かれたいのがほとんどだが、我が家では、当初よりひとりに2つのトイレ、多い時は3つ用意していた。なので、2人の猫に6つのトイレ。
そして、留守中以外は、トイレを使ったらすぐに掃除。汚れた砂を取り除き、シートを替え、スノコ部分を消毒シートで拭き、砂が不足していたら足す。もちろん定期的なトイレ丸ごと洗浄も必須だ。もちろんシートも7日間交換不要と言う物もあるが、そこはあえて1回使い切りで尿の確認を行う。
汚れたトイレで菌の尿道からの感染や、我慢からの膀胱炎(汚れたトイレを使いたくない)を防ぐために、多めに設置。ちなみに結石も尿が膀胱に溜まっている時間が長いほど大きくなり、流れ出づらくなるので、あまり膀胱に溜めずにおしっこをしてもらうのが理想的であり、結石予防にも繋がる。飲み水も近づくとセンサーで流れ出るタイプのお水をワンフロワーに3セット。1週間はフィルターがあるので交換不要となっているが、自分が1週間同じ水を飲むと考えてみた時、どうだろうか。なので、我が家では毎日洗浄と水の交換を行っている。お水は、ペット用ミネラル0水と水素水(こちらもミネラル0)を使用。
長年猫と共に暮らした経験から、腎臓病にはかなり気を遣っていた。が、まさかの多発性嚢胞腎。
しかし、この治療薬(維持薬)が利尿剤であることからも、今のトイレ数とシステムトイレは、腎臓病や結石の場合にも適していると思われる。
・おしっこ検査の尿採取
・血尿の有無(目視、検査)※ヘモグロビンチェッカー
・phのチェック
・尿の色
・尿の量
・尿の臭い
など、飼い主が得られる情報が圧倒的に多くなる。
ロイヤルカナンのヘモグロビンチェッカーは、かなり優秀だ。我が家の兄猫は、常に血尿+となる。が、見た目ではほとんどわからない。が、このチェッカーをシートの上に置いておくと、血尿ありの色に変化する。これは、腎臓に大きな結石と片側尿管にも結石、膀胱にも結石の結晶がある為、どこかかしかが石により内臓壁に傷が付き血尿となっているものと思われる。
固まる砂よりも費用も手間もかかるが、是非システムトイレを使えるよう早めに慣れてもらっておく方が、愛猫の為となるのは、ほとんどの猫が腎臓病に罹患することを思えば、間違いないと思われる。
また、我が家でも導入している、トレッタやシャープのペットケアモニターを利用している。尿量や回数、体重などそれぞれに特徴をもったシステムだが、1番にトレッタの動画撮影機能が、その時の様子を把握でき、便利で、また可愛い姿が見られる楽しみもあるのでオススメだ。
逆に昨今、さらに進化し、人間の手間を省くべく、自動トイレ(固まる砂がほとんど)が流行っているが、これは死亡事故も起きており、また上記のような大切な尿からの情報を得ることができない。
猫を家族として迎え入れる決心をしたならば、一才の手抜きは出来ないものと覚悟が必要だと思う。それは命を預かるものだからだ。汚いものには蓋をしろではないが、面倒、見たくないなどはもってのほか。食と便、尿は大切なシグナル。見逃さず日常の変化に敏感でいなければ、病を見逃してしまう。
のちに後悔しないためにも、参考までに是非ご検討いただければ幸いである。
しません。SDMAは、クレアチニン検査では見逃されてしまう軽度から中度の腎機能低下を発見できます。1–3この早期の発見が診断、治療、患者の転帰に良い影響を与えます。
SDMAを患者様の医療プロファイルに含めることで、腎臓の健康状態の変化を早期に一貫して特定できます。1–13また、原発性および続発性の腎臓病のどちらの診断にも役立てることができます。3,5–10