このブログでは、兄猫の多発性嚢胞腎について書かせていただいているが、弟猫は、小さい頃から軟便〜下痢で、うんちの周りに粘膜質のものが付いていて、その中に血液も混ざっている状態だった。腸カメラで検査をしても、悪いところは見つからず、慢性腸炎との診断で、人間で言うビオフェルミンのような薬を服用している。


1年以上服用し続け、最近半分の量に減薬しで様子を見ているが、うんちの状態は良いままを保てている。次回、病院へ薬をもらいに行ったら、さらに減薬し、最終的には、断薬出来れば嬉しい限りなのだが、もし、また同様の症状がで始めたら、逆に増薬しなければならないかもしれないが、今のところは落ち着いている。


慢性腸炎については、兄猫に検討していた幹細胞移植が、かなり効果があるようだ。断薬が出来ず、一生服用を続けなければならないような状態となってしまった場合には、幹細胞移植も念頭に治療継続中だ。


幹細胞移植は、炎症部位で免疫を調整するような作用が期待されており、多発性関節炎、溶血性貧血、血小板減少症等、免疫介在性疾患の他、乾性角結膜炎、炎症性腸疾患、難治性口内炎などが、治療対象となっている。


治療対象になっているという事は、効果があったという事だ。よって多発性嚢胞腎は炎症性ではないので、効果がないと言われている所以だ。ただし、中には効果があった事例があり、炎症性疾患のみ効果がないとは言えない、まだまだ未知数を秘めた、これからの治療法だ。


病院にもよるが、1クール3〜6回で、自家細胞(病気の本人から採った細胞)を培養する場合と、ドナーからの提供された細胞から培養されたものを使用する場合がある。

必要な回数の治療に必要な細胞の培養には、約3ヶ月程度の期間を必要とされるため、緊急を要する場合には、ドナー細胞を準備できる病院を選ぶ必要がある。時間に余裕のある場合は、自家細胞が一般的だ。


費用は、大体1回80,000円〜くらいが多い。なので、1クールだと80,000円×3回〜6回となる。必要な場合は、1クールから3クール行う場合もある。


目の前に治療できる方法があるならば、受けさせてあげるのが、飼い主の責任。なので、保険は元より(幹細胞移植、遺伝子疾患共に保険適用外)日頃から猫ちゃん貯金は必須だ。


愛猫家の中では、悪い意味で有名な病気、FIP腹膜炎も、今では治療薬(日本未承認)を手に入れ、完治させる事が可能となってきた。ただ、この場合も日本未承認の薬を受け入れてくれる病院とドクター、また治療薬(ムティアン、モヌルピラビル、GS製剤、CFN)を探すところからだ。関東では、いち早く取り入れて実践、効果を得て、治療に積極的な病院やドクターも増え出来てはいるが、全国的にはまだまだ少ない状態だ。 


ちなみに費用は、大体600,000〜800,000円程度かかる事が多いようだ。中には、クラウドファンディングを利用される方もいらっしゃるようだが、基本的には、最初に猫の飼い主となる決心をした時点で、病の場合を視野に入れ、自分の力で治療を受けさせてあげる覚悟が必要だと思う。逆に言えば、それくらい命を預かるという事は、大変な事なのだ。


かかったらまず100%助からないと言われていたFIPもここ数年で、完治できる病と成りつつある。


次は、是非とも長年の愛猫家の望み、腎臓病の薬の開発が待たれるところだ。


<先天性炎症性腸炎の弟猫>


<炎症性腸炎に使用している薬>


<便の周りに付いていた血の混ざった粘膜>