多発性嚢胞腎と告知され、余命も数ヶ月単位ではなく、数日単位とまで言われ、涙が止まらず、食事も喉を通らず、でも、なんとかしなくてはと、まずはネットで検索を始めた。


そこで、効果の有無は、実際に行われた病院それぞれの結果のようだったが、効いたという結果もあったことから、幹細胞移植という方法を見つけ、数件電話相談をしてみた。


やはり病院により多発性嚢胞腎には効かない。臨床上もそのように書かれているのは、調べて知っていたので、そう言われることは、覚悟の上だった。その中で、もし効果がなかったとしても、免疫力をあげることは出来るので、直接多発性嚢胞腎に効かなくとも身体を楽にしてあげることは出来るのではないかという回答を得られ、そこで、幹細胞移植を受けることにした。


しかし、その病院が、幹細胞移植のドクターが主に地方で開院しており、予約時のみこちらは出向き治療を行うとかで、まずは、事前診察の予約を取った。時間は、後日連絡しますとのことだったので、連絡を待っていた。が、翌日が予約日になっても連絡が来ず、こちらから連絡を入れると、明日の診察はドクター不在で出来ないとのこと。改めてこちらから予約日を連絡しますと言われ、そこから待つもなかなか連絡が来ず、そうこうしている間に、体調はどんどん悪くなっていくばかり。待っていられないと、もう一件の病院(セカンドオピニオン)へ連絡したところ、その日に予約が取れ、かかりつけのドクターに用意していただいた資料とデータを持って、セカンドオピニオンの病院へ向かった。


そこで、資料とデータを見ていただいたところ、確かに多発性嚢胞腎もあるが、今回の腎臓の数値は、結石ではないかと言われた。腎臓のエコー画像の尿管につながる部分に典型的な、尿管結石の症状が見て取れたらしい。ただ、尿管結石と断定するには、尿管部分の画像検査が必要とのことで、検査予約を改めてしてくださいと、幹細胞移植については、その結石の問題をクリアにしてからではないと難しいとのことだった。その日は、複雑な思いで帰宅の途についた。


多発性嚢胞腎で、ボコボコと腎臓に穴が開き、それにより、機能できる腎臓の部分が減り、腎不全の症状を呈しているものと思い来院したものの、もちろんそれもあるが、多発性嚢胞腎の場合、腎不全の症状が一気に出ることはなく、今緊急なのは結石だと言われ、ドクターにより診断が別れてしまったことにより、何を優先にしたら良いのかわからなくなってしまった。


そこで、腎臓、尿路系を専門に掲げている病院にサードオピニオンを頼もうと、翌日すぐに予約を取り、来院することにした。


サードオピニオンのドクターへも、かかりつけ医から預かった資料と画像を見てもらったところ、やはりセカンドオピニオンと同様の診断がされ、そして、ここの病院では、このまま検査が受けられるとのことで、すぐにエコー、レントゲン、血液検査、尿検査を行ってもらった。


結果、尿管を写したレントゲンには、左右の尿管に結石が詰まっているのが、明らかだった。問題なのは、両方という点。今は、結石の症状を呈している腎臓の方は、ほぼ尿が流れられない状態で、もう片側は、石があるものの尿は、通っている状態。このままでは、ほぼ尿が流れていない方の腎臓は、そう遠からずダメになってしまい、もう片方もいずれ石が動いたり、新たな石が腎臓から落ちてきてしまった場合、尿管閉塞となり致命的になってしまうだろうと。


そこで、決断を迫られた。今すぐ尿管結石手術を受けるのか、詰まった時点で緊急手術をするのか。ただし、緊急手術と言っても、多発性嚢胞腎を持つ例外的な手術となるため、出来るドクターは限られ、夜間の場合、翌日までは、何も出来ない状態になることも考えられるリスクがある。また、手術の場合の麻酔が、これだけ弱ってる腎臓に、負担をかける可能性も高く、手術を乗り越えられるのかも不安要素だった。


しかし、緊急手術の方が、予定手術よりもはるかにリスクは高くなるのは、想像に難くない。するならば、早い方が良い。ここ数日で、いくつもの病名を告知され、短時間で、頭を整理し、今、何が1番得策なのかを導き出すのに、答えは自ずと一つしかなかった。


結果、尿管結石の手術を受けることにした。決断してしまえば、なるべく早くお願いしたく、その場ですぐに大学病院へ、申し込みをしていただいた。その返答が後日来て、初心外来予約が、1週間後と決まった。それまでは、シュウ酸カルシウム結石予防のための薬ウラリット錠を処方され、1日2回、朝晩1/2服用することになった。


<シュウ酸カルシウム結石に有効とされる予防薬>

ウラリット錠

1日2回、1回1/2錠

薬剤単価@70円



結局偶然にも尿管結石の症状が出たことにより、多発性嚢胞腎が見つけられたのだ。そして、今1番に命に関わるのは、結石で、多発性嚢胞腎は、少しずつ悪化し、体もそれに対応していくものなので、急変はしないものだから、結石治療後に幹細胞移植を検討してみたら良いのではないかとの判断に至った。ただし、多発性嚢胞腎の平均寿命は7歳と言われている。


<サードオピニオンでの検査結果>

目に見てわからない程度の血尿が見られる。

また、炎症の症状も見られる。


尿検査でも、

同様に潜血反応が2+と出ている

シュウ酸カルシウム結石2+

phもシュウ酸カルシウムが出来やすい値に傾いている

膀胱内にもシュウ酸カルシウム結石の砂状になったものが滞留しており、結果清濁+となっている