退院してからも、一向に食欲、体力も戻らず、痛みもあるらしく、熱も高め。サードオピニオンの病院で、痛み止め注射を処方してもらい、注射の仕方をレクチャーしてもらい、家で痛み止めを使用しながら看病を続けた。


痛みが和らいでくると、少し動くことも増えて来て、それと同時に食べようとする仕草も増えて来た。それでも口にしても出してしまうので、食欲増進剤を、毎日左右交互の耳に塗布しながら、なんとか食べてもらうように、せめて水分だけでもと少しずつ食べさせた。


その間もサードオピニオンのドクターとLINEで毎日のように様子と心配事、どうしたら良いのか迷った際にはアドバイスをもらいつつ、不安もありながら日々を過ごした。


1週間後、感染具合と、傷の経過等々でサードオピニオンの病院へ向かった。傷は順調。ただ、感染が治らない。貧血は、幸いなことに少し回復傾向。このまま食べる量が増えてくれれば心配ないだろうとのこと。引き続き注射と飲み薬を処方してもらい、薬がなくなる頃に再来院の予約をし、病院を後にした。


その後2週間薬がなくなったので、病院へ。幸いなことに痛みは、ほぼなくなったようで処方された注射は、全部使うことなく済んだ。ごはんもかなり食べられるようになり、少しずつ体重も増えて来ていた。しかし、抗生物質を最大量で2週間飲んだにも関わらず、緑膿菌がなくならなかったのだ。サードオピニオンのドクターも、緑膿菌については、これ以上手立てがないとのことで、術後尿管と膀胱を繋いだ部分が狭窄しないように入れていたステント脱去も含め、再び大学病院へ通院することとなった。


元々ステント脱去の予約をいれてあったので、週明け早々に大学病院へ向かった。ステント脱去は、麻酔をし、再度開腹して抜く場合が多いと聞いていたので、どのように脱去するのか現時点の体調では、不安がつのり、先に脱去方法を問うと、ここの大学病院では、尿管から、細い器具を挿入して抜くので、開腹はしないということ。ほっと一安心したのも束の間、脱去のあと当たり前に連れて帰れると思っていたのだが、ステント部分の漏れ等々の様子を一泊入院で観察が必要とのことで、心の準備なくいきなりそのまま入院となった。


兄猫本人にとっても飼い主にとっても、一泊入院になるのなら、先に説明いただきたかったが、安全の為致し方ない。


翌日、お迎えに行き、ステント部分の状態と緑膿菌の検査結果を聞いた。ステント部分は、狭窄することなく、尿が流れ、漏れもなく手術は成功。問題なしとのこと。ただし、腎臓結石がたくさんあるので、それが落ちて来てまた塞がる可能性が高いこと、そして今以上に石を作らないよう食事療法含め気をつけて行くことが重要だと説明を受けた。緑膿菌に関しては、やはりかなりの菌が膀胱にあり、その為頻尿症状となっているらしかった。今まで使っていた抗生物質が緑膿菌に効く1番の薬ということで、また同じ抗生物質を最大量ひと月分処方され、再来院となった。


最大量の抗生物質を飲み始めて、少しずつ頻尿が改善されて来た。(ステント脱去により、ステントの刺激がなくなった為かもしれない)そうは言っても、今まで朝夕の1日2回のおしっこが、薬を飲み終える頃までに1日8回から6回、6回から4回へ減ったくらいで、まだ前には戻っていない。その状態で、再来院した結果、完全に緑膿菌を無くすことは難しいと言うことだった。1日3〜4回の回数なら、手術の影響で増えていることも考えられるし、頻尿とまでいかないとのことで、これで、一応緑膿菌の治療も終了となった。ただし、また回数が増え頻尿になった場合には、サードオピニオンの病院か、大学病院を受診するようにとのこと。


そして、この手術前に飲んでいた、多発性嚢胞腎と腎臓の薬を手術時から、一旦休薬していたのだが、こちらも再開して良いということで、様子を見ながら、当初始めた時の最小量からスタートし始めた。多発性嚢胞腎の薬は、動物用としては、まだ認可されておらず、岩手大学の研究で効果があると発表されているものの、まだまだ獣医の中でも知らないドクターが多く、さらに実際に治療として使用している病院となると、私の地域では、皆無だった。


→次回、多発性嚢胞腎治療薬開始


<痩せて弟猫(下)より小さくなってしまった兄猫(上)>

術後着もブカブカ