今日は、陽向の手術の日。
10日ほど前から元気がなくなり食欲も落ちた陽向だったが、血液検査や超音波検査などでは体調不良の原因がわからない。
このままでは治療できないまま弱っていくという、やむにやまれぬ理由でお腹を開いて組織を取り、検査にまわすことになったのだ。
開腹というのは、もちろん本ニャンの体力も免疫力も削ぎ、ますます症状を悪化させるおそれもあるので、本当に苦肉の策なのだろう。
先生も不本意ながら……という感じだった。
木曜日は仕事が立て込む日で非常に休みが取りにくいのだが、先生曰く「この日でギリギリ」とのこと。
この日までに血液検査の結果が出ず(もしくは結果が出ても陰性)、回復する様子もないなら、手術を受ける体力や原因がわかったときに治療できるギリギリのラインという意味だろう。
言い換えれば放っておいたら命を落とす可能性が高いと。
陽向の命のためなら、背に腹は代えられない。
私が午前半休を取り、陽向を病院に連れて行って術前の診察を受け、術後は早番で夕方には帰宅する相方と母に託すことにした。
朝起きると、すでに出勤した相方からLINEが入っていた。
「こんな日に限って元気に見える」という陽向の写真。

たしかに、表情はいつも通りで目ヂカラもある。
寝室からリビングに行くと、ニャーたちみんなが「母ちゃんごはん~ 父ちゃんくれなかった~」と寄ってくる。
ごめんね、今日は朝ごはんあげられないんだよ。
お水も父ちゃんが出るときに片付けていったね?
陽向を病院に連れて行く前に、カリカリ置いていくからもう少し待ってね。
陽向は夜まで食べられないよ。
いつまでもご飯の準備をしようとしない私に「なんで~?」と不本意そうに鳴いて訴えてくるくらいの元気はある陽向。
月曜までの食べられなかった頃に比べると、随分いい感じなのだが。
9時から10時の間に連れてきて下さいとのことだったので、その時間に合わせて準備する。
インターホンが鳴ったので覗いてみると、宅配便の人。
どうやら陽向の術後服が届いたようだ。

間に合った~!
届いたばかりの術後服をキャリーのポケットに入れたら、いよいよ病院に向けて出発だ。
はぁ……気が重いなぁ……
陽向、大丈夫かなぁ……
自分に気合いを入れるためにも、わざと元気よく
「さぁ、陽向、頑張ってね。陽向は絶対良くなるけんね。こはちゃんがついとーけんね!」
そんな声かけをしながら陽向をキャリーに入れようとしたが、こちらの不穏な空気が伝わるのか、今日はちょっと抵抗した。
とはいえ、ここのところ病院に行くときもすんなりキャリーに押し込まれていたので、抵抗できるだけやはり少し元気になった気がする。
病院に着いて診察室に入ると、早速若先生が「どんな感じですか?」と。
食欲が出てカリカリも食べられるようになったこと、うんこは出ないこと、先週よりは目ヂカラもあり動くようになったことなどを報告。
「お薬効いてる感じですかねぇ」と言いながら若先生がエコーの準備を始めると、大先生が入ってきて「どうです?お薬、効きましたか?」と。
「効いてると思います~」
いっぺんに聞いてくれぃと思わないでもないが、こちらとしてはやはり大先生に聞いてもらったほうが安心なので、更に情報をボリュームアップして伝える。
「あれ~?ここらへんだったよね?」と若先生。
なんだなんだ?と思いそちらを見やると「腹水が……なくなってますねぇ」と!
大先生もエコーを見ながら「うんうんうん……全体的に前回より……うんうん……」
腹水がなくなってるっていいことだよね!?
ドキドキ……
「今日の開腹はやめにします!」
マジか!
まだFIP(コロナ)の血液検査結果は出ていないが、ステロイドが効いていて食べられるようになっているので、その検査結果を待つ余裕ができた、みたいな話である。
そして、このステロイドというやつは、今先生が疑っているFIPにもリンパ腫にも効果があるのだとか。
現状、薬で抑え込んでいるだけなので治ったわけではないし原因が判明したわけでもないが、せっかく抑え込めてるのに開腹して免疫力を落とす方がダメージが大きいという判断のようだ。
「医学的な見解と、飼い主さんの気持ちや動物の状態なんかでね、迷うんですよ。でもね、もし自分の猫なら開けません」
そう言った先生を信じようと思う。
ただ、お薬は増えた(^_^;)
現在夜にしか与えていないユベラNを朝にも同じ量与える。
そして、夜1錠のみだったエネアラを朝晩2錠ずつ、計4錠にするとな。
ひ~ 飲む方も与える方も大変~(;´Д`)
「もしFIPだった場合、最終的にはこのエネアラ、10錠(=5-ALAが50mg=人間用と同じ量)に増やしますよ」
と先生。
5-ALAってFIPにも効くの?
え?そんなにすげーサプリなの?(・ω・)
FIPだった場合の治療法ってわざわざ確認してなかったけど、ムティアンとかは使わない感じなのかな?
まぁ、ムティアンって無認可の薬だから病院によって取り扱っているとことといないところとあるらしいもんな……
なにはともあれ、薬の量は増えたし何か解決したわけでもないが、開腹しないで済んだというのは陽向にとっては朗報に違いない。
ほっとひと安心して診察室を出る。

本日のお会計は5,390円也。
病院から帰ったら、にゃぁ子さんや風花に邪魔されない寝室で、取り急ぎユベラNの入った「とろりっち」を与える。
1本完食!
リビングに戻るとカリカリに一直線!
「断食させられて、お腹空いたんだよ!」と言わんばかりに、ボリボリボリボリと結構な量を食べてくれて、もう母ちゃん安心して泣きそう。
まだ全然安心できる状態ではないのだが。

でも、「やれやれ」みたいな感じでソファに腰を下ろしてくれて、いつもの3匹の風景が見られて良かったぁ……
<次回へ続きます>