「ヨシモトアサミ…お前、どういうつもりだーーー!?」
「だって戦っても勝てるわけないし、抵抗する分苦しむなら、いっそね。ほれ、手足の自由もきかないしさ、いつでもいいよ?」
「オレに…無抵抗の女に手をかけろと言うのか?!」
「そんなの気にするタチだったの?平気で人の命を奪っておいて?」
「女には…無理だ」
「は?でも戦いはオッケーって?よくわからないわね、アナタ」
「新しいチカラを試すには強大なビスタムのチカラを持つお前と戦うしかないのだ!理由は、ある!それにしてもお前、なんなんだ?可愛い娘から大切なものを奪ったんだぞ?!詳しくないのか?!憎くあらば、抗え!奪い返せ!」
格之進は心配になった。
もう、ヤケになったマァルが本当に生明に手をかけかねないのではないかと、気が気でなかった。
しかし、言わずにいられなかったことが…
「マァル将軍様…」
格之進が言った。
振り向くマァル。
「なんだ、521号…最早(もはや)、うぬには要はない」
「お忘れですか…?リリーサの母親は…生明さんではないです。ご存知ですよね…?ディアーナの事を」
「!?」
「思い出しましたか?リリーサは、私とディアーナの間に産まれたコです。間違いありません…」
「いやでも…ヨシモトアサミは…ディアーナではないのか?!顔が…」
「似てます…よね。僕もビックリしました。同じに見えます。でも、他人です」
マァルは狼狽え始めた…
「で、では…、なぜリリーサから生明の【気】が感じられるのだ…?」
「え?!なんですって?!」
と、そこにマァルの足元から突然地面が割れ、人工ビースタム…かつてのジェロ参謀長…が現れ、マァルを捕まえた。
『オマエノセイデ…ワタシハ、コンナスガタニナッテシマッタ…!ユルセナイ…!』
マァルはビスタムになる事も出来ず、巨体化した人工ビースタムの手に握られた…そして、そのまま潰されてしまった。
潰されたマァルの体から、『新しいチカラ』が流れ出た。
それを人工ビースタムが全て口で吸い尽くしてしまった…
そして、人工ビースタムは、生明を見下ろした。
「コンドハ…オマエノイノチ、ウバウ…」
「あぁ…これは流石に…想定外だったな」(生明)
生明、絶対絶命のピンチ!と思われたところで、いきなり人工ビースタムの体が砕け散った。
「え…?何が起こったの…?!」
生明の視界に、次第に見えてきた、一体のモビルスーツ…
「黒い…Fちゃん…?!」
(第18話につづく)