lointain

決して忘れはしない


苦い過ちも

激しい痛みも


全ての記憶を

無くしたかった頃は

今や遠い時の彼方


私は知った

忘れない事だけが

自分を幸せにするのだと


逃げない事だけが

ここにある自分を確かにし

君を信じ続けてゆけるのだと


受け入れる事だけが

愛の存在を感じられるのだと


決して忘れてはいけない


自分の歩いた

真実の足跡を


                      ( N'oublie pas... ヌブリ・パ  甘受 )


L'horison

海を思い続けていた

ひたすらに歩き続けていた


そして

むせ返るような潮混じりの空気に

立ち止まる


顔を上げてみれば

目の前に広がる

眩(まばゆ)い青のさざめき


叶えばまた

次の道が見える


水平線は遥か彼方


そうして今は

水平線を思い

ひたすらに泳ぎ続けている

  

                  ( Mon reve モン・レーヴ 夢 )


デンファレ

狂おしく 夢に求めた

彷徨の 旅の果て

辿り着きし君ゆえに

一切の言葉は軽(かろ)く

時に交わしても 

心の上を空しく踊る


ただ黙し

その眼を見つめる時

暖かきものに包まれて

ひたすらに安堵する


そうして私は

自己を貶(おとし)めることの愚かさに気づき

いつしか心は

求めるより与えることに悦ぶ


愛とは

そういうものか


        ( Notre amour  ノートラムール わたしたちの愛 )


すかしゆり

夏の夕暮れ

祈りの如く 静けさに満ち

微かな風音に 思いを留(とど)め


佇めば 遠く儚い蝉時雨

束の間の 仮の世の

命を 絶え間無く歌う


私も歌おう

いつか土に還るまで

夏の日の光にも似た

眩いばかりの命の歌を


風に刻んだ歌は

風と共に生き続けていく


そうして誰かが

再び 思いを留めて

歌い継ぐであろう

命を愛おしむ この歌を


   ( Chanson de la vie シャンソン・ドゥ・ラ・ヴィ いのちのうた )


l'aube


滅び行く 世界の片隅で

滅び行かぬ道を ひたすら探し

生きるため 生きている

生かすため 生きている


光無き世界と言うなら

この身を燃やし

照らせばいい


燃え尽きるまで 燃えたなら

闇もまた 楽しかろう


                          ( Le Soleil ル・ソレイユ 天陽 )


Green

光の方角へ

ただひたすらに向かい

どこまでも歩いてゆく


何一つ持たぬ身でも

豊かに芽吹き

花は咲き

実を結ぶ


求めるものを得ることが無くとも

淀まぬ水に身を浸し

ただひたすらに


どんな痛みも

どんな嘆きも

すべて

私を育ててゆく


私が光の方角を

見失わない限り


幸福は

いつもここにある


                                            ( Green グリーン )


laMer

その瞳は 人知れぬ湖


数知れぬ 苦い涙に さざめきながらも

深い水底まで 透きとおる


その心は 罅(ひび)入りの水晶


闇にあれば 静かに光り

光にあれば 眩(まばゆ)く魅する


ただならぬ君ゆえに

ただ 君を愛す


              ( Aquamour アクアムール )


白い彼岸花


慟哭の夢の果て

涙に目覚め


省みる 現し世の

在りし 我が身を


転生の夢の果て

僅かな真理を得


ただ君を信ずるを

存生の道とす


ロディゲシー

空仰ぎ

目を閉じて

君を思えば


風運ぶ

微かな香りは

君の庭の 花に似て


忘れ得ぬ

憂いの瞳

今も尚 胸に刻みて


密やかに

今も夢見ん

再びの 交わす心を


      ( L'absent ラプサン 遙かな人 )

その日は 雨の朝


黙して その時を待ち


煙る空

うつむく君


白い息

開く扉


触れる指

離れ行く 銀のレール


あの時

その心は

何をつぶやいたのか


私は知っている

語られる事がなくとも


そうして 今日も

その日の歌を歌っている