このホテルに決めてよかったわーこうしてキョンミと再会出来たし。
長期滞在になりそうだから少しランク下げようかと思ったけど私もこれまでずっとがむしゃらに働いてきたからね、これも命の洗濯だと思って贅沢しようかな?って。ほんとどうしても貧乏性が抜けないわ。いくらお金を持っていてもね。え?相変わらずせっかちねーキョンミは、ふふ、さーどこから話そうかしら?
キョンミと喧嘩別れした後良心の呵責からジェジュンに本当の事を言ったの。ジェジュンの子供じゃないかもしれないって。ジェジュンは薄々気づいていたみたいであまり驚かなかった。
私本当に願った。ジェジュンの子供でありますようって。
だってもう私にはジェジュンにすがるしかなかったから・・・しかし残念ながら子供はジェジュンの子ではなかったわ。
だけどジェジュンは家族になろうといってくれたの。向こうの親の猛反対も押しきって籍も入れてくれた。義父が姑に内緒で仕送りしてくれていたけどそのそのお金は娘の将来のためだと使わずに昼も夜も働いて家に帰ってくれば娘の面倒もよく見てくれた。
今思えばジェジュンには感謝しかない。だけど幼なかった私は相手に求めるだけで感謝の気持ちがなったの。
ジェジュンは私に一切触ってこなかった。
何度か私から誘っても疲れてると言って拒否された。
ジェジュンは育児や仕事に必死だったと思う。
あ、違うか…ユノの事まだ好きだったんだろうなー
ちょっとーそんなにムキにならないでよ。何十年前の話でしょ?
今が幸せなんだからいいじゃない。私は真実を話してるだけ、だけどまだそんなにユノの事を愛してるのね。うらやましいわ。相変わらずいい男なの?私はもう男なんてこりごりだけど。
初めての育児で何をしても泣きじゃくる娘に戸惑うばかりで私は娘をかわいいと思えなかった。
ジェジュンは根気よく娘と向き合ってジェジュンが抱くと泣き止んだりしたの。私よりジェジュンによくなついていた。そりゃそうよね。赤ちゃんからすれば常にイライラしているオンマより優しいアッパの方が好きよね。
そんな自分の行いを棚に上げて私はジェジュンと娘に必要とされていない。って被害妄想でいっぱいになった。
私誰かに必要とされないと駄目な人間なのよね。両親に捨てられたことがトラウマでね、自分の存在価値がわかなくなってしまうのよ。
だからあいつの
「俺にはお前しかいない。俺にはお前が必要なんだ」って言葉にまんまとハマってしまった。
娘の事も話すととても喜んで一度会わせたこともあった。
「借金を返したら3人で暮らそう」
その言葉を信じて娘のためにジェジュンが貯めていたお金を少しづつあいつに渡していた。
しかしあいつはギャンブル狂でとうとう闇金にも手をだした。
「このままだったら臓器売られてしまう!もう俺はヤンスンと別れるなんて耐えられない。俺と一緒に逃げてほしい」
「この人は私を必要としてくれている。この人と一緒なら地獄に落ちてもいい」
平凡な幸せよりもこれから起こるであろう不幸に酔いしれた。
娘も連れていきたいって言ったの。
さすが詐欺師だったわ、あいつ。「闇金から逃げるからもし捕まったら俺達の娘はどこかに売り飛ばされてしまうかもしれない。娘のためを思ったら連れていかないた方がいい。状況が落ち着いたらまた引き取りにこよう」
売り飛ばされる、言葉に震えあがてしまって、ジェジュンは娘を溺愛している。娘もジェジュンといる方が幸せかも、て娘をジェジュンの親に預けてそのまま置いて有り金を全部持って家をでた。
母親として最低よね。わかってる。その報いはすぐに受けたわ。
あいつとの生活は散々だったわ。
有り金なんてすぐに底がついて私は場末の飲み屋で働く事になったの。
追手に見つかればまた逃げる、という生活を繰り返していた。
巧みな話術で古い安宿で働く代わりに宿代をチャラにしてもらうという生活を繰り返していた。
それでもその時私は幸せだった。
あいつは天性のヒモ男で。仕事から帰ってくると私を労い1時間以上もマッサージをしてくれたり家事も全てあいつが率先してやっていた。
そして床上手だった。
娘を置いてきた罪悪感。これからの自分の将来への不安。
そんなものも夜にたっぷり愛される事ですべてどうでもよくなっていた。
追手に見つからず落ち着いた生活をしていた時期もあったの。あいつは民宿で男手がなかったから重宝されて給料もちゃんともらえるようになったし、私は店の先輩達やママに事情を話し、着なくなった服とか化粧品とかもらったし、私が一番若くて綺麗だったからコッソリ客がチップをくれる事もあった。
もう少しお金がたまったら娘を迎えにいこう。そして家族3人で暮らそうと思っていた矢先にね。やっちまったのよ。あいつが……