ー告解ーいつか何処かで 118 | ユンジェとトンと私

ユンジェとトンと私

奇跡の5人の中から生まれた
もう一つの奇跡の花 ユンジェ
윤재곁에있을거야

キョンミはミレと共にSホテルで花を生けていた。

 

キョンミがまだ無名の頃、韓国で1.2を争うこのホテルで行われた結婚式でのアレンジメントが評価され、ロビーに飾るフラワーアレンジメントを任される事になった。

 

キョンミの大胆ながらも品があり、蕾の咲き具合も計算された繊細なアレンジが評判になり、一気に仕事が舞い込んできた。

 

仕事が忙しくなり、他で依頼されたホテルでは弟子がアレンジして後で軽く手直ししたりしていたが恩義があるこのホテルでの仕事はキョンミが自ら花を選び、はじめから最後までキョンミが手を施した。

 

「よし、これでOK」

「わー素敵です。先生ー」

 

ミレは歓声を上げながら小さく拍手した。

 

淡いピンクや濃いピンクのシャクヤクをメインに淡い紫のトルコキキョウ、白いバラや淡いオレンジのカーネーションなどが彩られていた。

 

華やかでありながも品のあるアレンジを見るたびにミレは早くキョンミみたいに花をアレンジ出来るようになりたい。と思っていた。

 

「ミレ、いつもあなたはそうして歓声上げるよね。いい加減慣れたら?」

 

キョンミは呆れた顔をして笑った。

 

「だって!いつ見ても飽きないんですもの!先生最高です!」

 

「ふふ、ありがとう」

キョンミはまんざらでもない様子で笑った。

 

そして二人はしばらく出来上がった花を見つめていた。

 

(ジヌと結婚したら先生が私の義理のオンマになる。優しくて美人で才能もあって、こんな人が本当のオンマだったらどんなにいいか、て思っていた。正直ジヌとの結婚はまだあまりピンとこないけど先生が義理のオンマになるのは嬉しいかも)

 

ミレはキョンミの横顔を見ながらそう思った。

 

 

花をアレンジしている間でもたくさんの人が足を止め、花を生ける作業を撮影したり動画を撮っていた。

 

「見て!綺麗ー!ママが着ているワンピースの柄みたいー!早くママ呼んできて!」

女性達で盛り上がっていた。

 

「先生、若い女性達が騒いでますね。」

 

「ふふ、今回は私も自信があるの。シャクヤクはいいわね。迫力があって美しくてそして優雅」

 

「先生、今日だけではないです。いつも先生は完璧です」

 

「べた褒めね」

 

キョンミとミレは顔を見合わせて笑い後ろを振り向いた。

 

「予定より早く終わったからジヌとの約束の時間に間に合いそうね」

 

「はい、さっきラインがあってこちらへ向かってるって言ってました」

 

 

キョンミはユノが今でも嘘を信じ込み傷ついていることを知り、今は下手に波風を立てる時期ではないと悟った。

 

しかし正式に婚約ではなく親同士結婚を前提とした付き合いで除隊した後に婚約してジヌが大学を卒業した後に結婚という方向でいいのでは?と提案した。

 

ジヌは本当は正式に婚約したいと少し渋ったが、初めて話した日にどうしても認めてほしくて婚約しなくてもいいから、と言ってしまった経緯もあったし、ユノに親同士顔合わせすると言うことは結婚を認めた事と同じだからと説得されジヌは納得した。

 

(除隊するまでまだ時間はある…)

 

入隊している間にミレに次々と大きな仕事を任せて、仕事と結婚を天秤にかけさせようとキョンミは企んだ。

 

(ミレには才能と社交性がある。仕事の達成感や人から賞賛を浴びる喜びは麻薬のようなもの。一度味わったらそれを手放せなくなる。私がそこまでミレを育ててみせる…最初は気まずいだろうけど、きっとうまく行くはず、ミレは財閥の嫁よりも今の仕事の方が輝けるはず、お互いのためにもそれがいい)

 

「ミレ、いずれかはこのホテルもあなたに任せるつもりよ」

 

「え、そんな!このホテルは先生の思い入れのあるホテルじゃないですか!私にはまだ荷が重すぎます!」

 

ミレは手を大きく振った。

 

「貴方には才能とセンスがある。大丈夫、私があなたをそこまで上げてみせるわ。だけど覚悟して、今まで以上に厳しく指導するわよ」

 

「…先生」

 

ミレは自分を高く評価してくれていると思い感動して涙ぐんだ。

 

 

「ママ早く!ママが着ているワンピみたい!」

 

話す声が大きく聞こえるようになってきた。

 

「あら、本当ね、とても素敵だわ」

 

綺麗に巻かれている長い髪は歩く度に綺麗にしなやかになびいた。

 

白い肌と深紅の口紅が似合うその女性はサングラスをかけていたが美人だとわかった。

 

白のワンピースの中央にピンクの芍薬の花が大きくプリントされていて色とりどりの花がちりばめられていた。

 

普通の人が切れば服に負けそうな派手なプリントだったがその女性の華やかなオーラにマッチしていてとても似合っていた。

 

(なんて綺麗な人だろう)

 

ミレはその女性の美しさにみとれていた。

 

「ありがとうございます」

 

キョンミは頭を下げた。

 

「あなたがアレンジなさったのね、とても…綺麗、、え、キョンミ?」

 

その女性はサングラスを外した。

 

「ヤ、ヤンスン?」

 

キョンミの顔から血の気が引いた。

 

 

 

 

 

 

お久しぶりです〜!

いよいよ大きく物語が動きます!(覚悟決めました!w)

早く更新できるように頑張ります!

応援よろしくお願いしまーす爆  笑