愛車のメルセデスベンツC220dステーションワゴン、またリコールが来ましたので、宇都宮まで持って行きました。
今回、2件のリコールなのですが、リコールではなくサービスキャンペーンとなっており、どこが違うのか判然としませんが、一種の無償修理だそうです。
どちらも大したことは無さそうなのですが、取扱説明書とドライブトレインコントロールユニットの制御プログラムの書き換えで、二つ合わせると4時間ぐらいかかるので、代車を用意しますとのことで、今日宇都宮まで持って行って、代車で帰って来て、明日その代車で取りに行く予定です。
それで、那須塩原を10時に出て、途中結構混んでいたりしたため、宇都宮のサービス工場に着いたのは11時半頃でした。
ところが、宇都宮市内に入ったところで、ジーっと音がしてふと見ると、カーナビ画面が砂嵐になっていました。
今の若い人たちには砂嵐なんて言っても通用しないかもしれませんが、昔のテレビの放送時間が終わった後とか故障した時とか、画面が乱れてザーッと音がしているだけの状態の通称です。




今回の砂嵐、ラジオや音楽は聴けるものの、カーナビとしては使用不能の状態でした。
まあ、タイムリーというか、ついでというか、ラッキーというか、サービスキャンペーンと一緒に修理対応してもらうことになりました。
で、今回むしろ私にとって一番嬉しかったのは、代車なのです。
近年メルセデスはトラブルが多く、いろいろな代車を貸してくれていますが、走行百万キロを超え、メルセデス歴も36年のべ12台になる私だからか、予てから話のタネに一度運転してみたいなあと思っていた、電気自動車のEQA250を代車として貸してくれたのです。

幅は1835ミリでC220daよりも15ミリとわずかに大きいのですが、長さは4465ミリで、4775ミリのC220dより310ミリ短い車です。

ボンネットの中はモーターで、中央のワイパー手前のバッテリーは、12ボルトで補器用です。
動力用のリチウムイオンバッテリーは、座席の下に収容されていますから、残念ながら見ることはできませんでした。

トランクの中には、200ボルト電源から充電することができるケーブルが入っていました。
しかし、200ボルト電源では、充電に一晩かかるようです。

運転してみた感想ですが、一言で言えば、危険です。初心者は運転すべきではありません。
私のような走行百万キロを超えるベテランですら、最初は何じゃこれと思いました。
何故なら、普通にアクセル踏んだらあっという間に100キロに達するぐらい強烈にぶっ飛んでいくし、アクセルを放すと、強力な回生ブレーキが働いて、ブレーキ踏んだのと同じぐらい強烈に減速するのです。
ですから、極端に言えば昔のエンジンのノッキング状態のように、ギクシャクしたのです。
ユーチューブで、韓国のアイオニック5を借りて乗った人が、急発進急減速を繰り返して酔うと表現していたのがよくわかりました。
私は直ぐに慣れてというよりは適応して、スムーズな運転ができるようになりましたが、エンジン車にはない強烈なトルクが最初から出ますから、アクセルは本当にそーっと踏む程度で足りるのです。
いや、ペダルに軽く足を乗せるだけで十分で、深く踏んではいけないのです。
試しに普通に踏んでみたら、あっという間に80キロまで加速しましたし、そこでパッとペダルを放すと、急ブレーキに近いぐらいに回生ブレーキが働いたのです。
それでギクシャクしたのですが、決して悪い車ではありません。
流石にメルセデスで、シャシーの性能は一級ですから、曲がる、止まるには全く不安がないのです。
ただ、普通のメルセデスは、動力性能よりもシャシー性能が上回っていて大変安全なのですが、この電気自動車EQA250に限っては、かなり危険なレベルだというだけです。
お値段は、メルセデスの電気自動車の中で一番安いこのEQA250ですら、782万円、補助金等を使っても640万円と可愛くない額です。
それから、問題の1回の充電での走行可能距離ですが、422キロですから、普通の使用条件なら恐らく困ることはない距離で、家庭では無理ですが、街中に設置されている高速充電器だと、90キロワットのものだと45分で、50キロワットのものだと72分で8割まで充電できるそうです。
でも、ふと我に返って思いました。高出力の充電器が空いていたとしても、その前で45分も待っていられるだろうかと。
宇都宮の販売店から自宅まで約50キロあるのですが、運転していると、エンジン車でいう燃料ゲージが、見る見るうちに減っていくのはわかりました。
私のC220dだと、50キロ走った程度ではほとんどわからないぐらいの減りですから、電気自動車は、まだまだ長距離を平気で走れる車ではありません。
EQA250ではそんなことはなかったのですが、自動車評論家のテストでは、高出力ながら600キロ以上走れるというEQE350+の場合、満充電状態で借りて一晩置いておいたら2割近く電池容量が減っていたそうですから、EVは、走らなくても電気は食うようです。
パワーですが、トルクの数値で言えば、私のC220dは、エンジンは440n/mを1800~2800回転で発生させる上にハイブリッドモジュールで、208n/mを補助的に100回転で発生させます。
それに対してEQA250は、370n/mの出力を常に発生させることができますから、単なる数値だけでは圧倒的に上回るC220dですが、回転に応じてマイルドに数値が上がっていく特性がありますから、いきなり最高出力がガツンと来る電気自動車とは比較ができないのです。
また、加減速が急激で、タイヤの負担も大きな電気自動車は、タイヤがエンジン車の3倍減るそうです。
車両重量が1990キロもあり、C220dよりも200キロも重いから余計ですが、今日運転してみて、確かにタイヤへの負担の大きさを感じました。
加速はともかく、減速は、エンジン車はディスクブレーキで間接的に減速するのに対し、電気自動車は、エンジン車と同じブレーキもありますが、回生ブレーキはもろにタイヤに負担がかかりますから余計です。
また、回生ブレーキは、ブレーキランプが点灯しませんから、急減速して追突されるおそれもあると思いました。
ですから、メルセデスらしさもある大変いい車でしたが、値段と充電の問題を考えると、自分では到底買う気になれませんでしたし、他人にお勧めもできません。
カーナビ画面の修理の結果とか、何かわかりましたら、また書きます。