
寒ーい日が続く那須です。
今朝は初積雪、その後晴れて雪はきれいに消えましたが、冷たい北風で、お山は真っ白です。
さて、続きです。
新は、俊一郎に約束したとおり、初めて娘の京子に対して頭を下げて謝りました。
「今までほんまに悪いことしてきた。俺は、京子の父親として足らなかった。済まなかった。」
京子はぎょっとしていましたが、朋子に促されて答えました。
「わかりました。でも、父さんを許せるかと言われると、わかりません。そのこともあって、しばらくは清輝君の家においてもらおうと考えたのです。それは、理解してください。」
新も、娘が神坂家に行くことを認めることにしました。
「わかった。お前が神坂家の世話になることと、神坂清輝君との仲、父さんも認める。」
その言葉が聞ければ、京子は十分でした。「今までほんまに悪いことしてきた。俺は、京子の父親として足らなかった。済まなかった。」
京子はぎょっとしていましたが、朋子に促されて答えました。
「わかりました。でも、父さんを許せるかと言われると、わかりません。そのこともあって、しばらくは清輝君の家においてもらおうと考えたのです。それは、理解してください。」
新も、娘が神坂家に行くことを認めることにしました。
「わかった。お前が神坂家の世話になることと、神坂清輝君との仲、父さんも認める。」
「それなら、私も父さんを許します。」
明子も、夫に続いて頭を下げました。
「私も、実の娘ではないことから、京子に対して、親としての愛情を欠いていたことを認めます。父さんと何があったかは知らないけど、あなたを守れなかったことは、私の責任です。京子、ごめんなさい。」
京子、母のことは、余りかまってもらえなかったことと、中学生以降は半ば無視されていたとしか感じていませんでしたから、彼女に対しては、恨みも憎しみも持っていませんでした。
いや、父に対してさえ、恨みも憎しみも持っていなかったのです。明子も、夫に続いて頭を下げました。
「私も、実の娘ではないことから、京子に対して、親としての愛情を欠いていたことを認めます。父さんと何があったかは知らないけど、あなたを守れなかったことは、私の責任です。京子、ごめんなさい。」
京子、母のことは、余りかまってもらえなかったことと、中学生以降は半ば無視されていたとしか感じていませんでしたから、彼女に対しては、恨みも憎しみも持っていませんでした。
「母さんのことは、何とも思ってないわ。十分に衣食住の世話をしてもらえたから、感謝してるし、父さんにされたことが母さんの責任だとも思ってないから、それは、安心して。」
これはこれで、怖い言葉だなあと俊一郎と朋子は思いましたが、清輝はそこまで考えている余裕はなかったようで、彼女の側にぴったりと付き添って支えていました。
所期の目的は達成したと感じた俊一郎、新と明子に確かめました。
「京子さんからその言葉を聞けましたから、私ども神坂家の要求は認めていただけたものと考えます。よろしいですか。」
新は、神妙にうなずきました。
「娘のため、あんたがそこまでしてくれたこと、ほんまにありがたいことや。俺も感謝する。」
明子は、素直に頼みました。
「あなたがたの本当の親子の愛情で、京子を満たしてあげてください。」
すると、俊一郎も立ち上がって、二人に深々と頭を下げました。「京子さんからその言葉を聞けましたから、私ども神坂家の要求は認めていただけたものと考えます。よろしいですか。」
新は、神妙にうなずきました。
「娘のため、あんたがそこまでしてくれたこと、ほんまにありがたいことや。俺も感謝する。」
明子は、素直に頼みました。
「あなたがたの本当の親子の愛情で、京子を満たしてあげてください。」
「今日は、要求すると言うよりも、脅すようなことをしてしまい、大変失礼しました。私がここまでした理由であると共に、普通の人間である証に、お母様にも恥をばらしておきます。私自身は、両親の実の息子でありながら、幼少期には母からひどい虐待を受けた経験を持っています。何度かは本当に殺されかけましたし、一度は三途の川を渡ってしまってから戻ってきた臨死体験までしました。でも、そんな私だからこそ、自分の子供達にはそんな目に遭わせないように努力してきましたし、京子さんには、共感するところがあったわけです。それで、こんなことまでしてしまったと理解してください。あなたがたは、今の言葉が言えただけ、京子さんに謝ることができただけ、私の実の両親よりも親としてははるかに立派です。京子さんは、当面我が神坂家が責任を持って預かります。ご安心ください。それから、実の子供ではないと言わせてしまいましたが、京子さんを16年間育てたのは、他ならぬあなた方です。彼女には、両親以外のなにものでもありません。私は、児童相談所ではありませんし、あなた方から京子さんを取り上げるつもりはありません。今日、京子さんからしばらく神坂家で暮らしたいと言われましたから、あくまでも一時的に預かろうと考えて、その許しを得るために伺ったわけです。今回、こうして私も言いたいことを言いましたから、あなたがたも、京子さんにも、私たちにも、本音で接してください。お互いに合意ができ、京子さんが秦野家を本当に自分の家と思うことができるようになって、両家を普通に往来出来るようになれば、それが一番だと考えていますから。」
京子にとってこの俊一郎の言葉は、この機会にとにかく秦野家を出ようとした当初のもくろみとは変わってきたので不安でしたが、両親から本音を聞けたのは初めてのことでしたし、父が自分に謝ってくれたのも初めてでしたし、俊一郎がそこまでしてくれたことは、改めて凄いとひたすら感謝していました。
そして、朋子に抱かれていますと、母親に守られているような実感がありましたし、余り頼りにならないかなと思っていた清輝も、自分にずっと寄り添って盾のようになって守ってくれていることも実感できました。京子にとってこの俊一郎の言葉は、この機会にとにかく秦野家を出ようとした当初のもくろみとは変わってきたので不安でしたが、両親から本音を聞けたのは初めてのことでしたし、父が自分に謝ってくれたのも初めてでしたし、俊一郎がそこまでしてくれたことは、改めて凄いとひたすら感謝していました。
苦手だった両親を前にしても本当に安心していられたのは、俊一郎だけでなく、二人のおかげでもあったのです。
京子は、今日で人生が変わったなと実感していました。
取りあえず、今日はここまでと神坂家の3人とともに京子は帰ることになりましたが、二度と帰らない決心で出てきた自宅に一度は帰れたわけで、次は本当に安心して帰ることが出来るかも知れない、両親と完全に和解することもできるかも知れないとの希望も持てるようになっていました。
これも、神坂家に受け入れてもらえたことに次ぐ大きな収穫でした。京子は、今日で人生が変わったなと実感していました。
取りあえず、今日はここまでと神坂家の3人とともに京子は帰ることになりましたが、二度と帰らない決心で出てきた自宅に一度は帰れたわけで、次は本当に安心して帰ることが出来るかも知れない、両親と完全に和解することもできるかも知れないとの希望も持てるようになっていました。
帰りの車の中で、京子は緊張が解けるや、何と、清輝に抱きついて眠ってしまったのです。
清輝はどうしていいのかわからずどぎまぎしていたので、朋子は、「大事な婚約者なんだから、しっかり抱いていなさい。」と命じた後笑っていました。
俊一郎は、京子の安心しきった寝顔が、微笑ましく思われました。
続く。
画像は、雀たちがねぐらにしている車庫の脇のカナメモチの大木です。
太った雀が鈴なりです。
清輝はどうしていいのかわからずどぎまぎしていたので、朋子は、「大事な婚約者なんだから、しっかり抱いていなさい。」と命じた後笑っていました。
俊一郎は、京子の安心しきった寝顔が、微笑ましく思われました。
続く。
画像は、雀たちがねぐらにしている車庫の脇のカナメモチの大木です。
太った雀が鈴なりです。

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