今朝は、割と暖かな那須でした。
昨日の雨の後の強風もほんのひと時で、お山はほんのり白くなっていますが、今日は朝から晴れて、まずまずのお天気です。
東京に出てくると、暖かいこと、コートもいらないぐらいです。
さて、続きです。東京に出てくると、暖かいこと、コートもいらないぐらいです。
俊一郎は、京子の正面に座りなおすと、自分のことを話し出しました。
「私は、実の両親だったのだが、幼児の頃から、父には憎まれ、母からは毎晩のように虐待を受けていたんだよ。そして、私もほとんど泣きもしなかった。それに、私の体は特別製で、いくら殴られても蹴られても、傷跡一つつかなかったんだ。だから、誰にも気付いてもらえなかったし、私自身、両親の心情も理解できたから、それでよいとさえ思っていた。だから、君以上に可愛くない子供だったと思う。」
京子は、温厚そうな俊一郎にそんな過去があったことに驚きました。
「えっ、お父様も。」
「そう。母の虐待がエスカレートして、一度は臨死体験もしている。」
「あっ、清輝君と同じなんですね。」
俊一郎、清輝が京子に臨死体験のことを話したことを知りました。
「おっ、清輝はそのことも話したのか。」
「ええ。三途の川まで行ってきたって。」
「私は、川を渡ってあの世の一歩手前まで行ってから帰ってきたらしい。」
「凄いんですね。」
俊一郎、京子が感心したように言うので苦笑しました。
「私の経験は、決して自慢にはならない。生きていたのが奇跡だったが、それだけひどい母親をもったということだけなのだから。」
「私は、幼児の頃は両親から暴力を振るわれました。小学生になってからは、母は手を出さなくなった代わりに無関心にもなりましたが、父には高校に入るまで暴力を振るわれていました。それから、父には…。」
つい言いかけてしまって、京子は口をつぐみました。「私は、実の両親だったのだが、幼児の頃から、父には憎まれ、母からは毎晩のように虐待を受けていたんだよ。そして、私もほとんど泣きもしなかった。それに、私の体は特別製で、いくら殴られても蹴られても、傷跡一つつかなかったんだ。だから、誰にも気付いてもらえなかったし、私自身、両親の心情も理解できたから、それでよいとさえ思っていた。だから、君以上に可愛くない子供だったと思う。」
京子は、温厚そうな俊一郎にそんな過去があったことに驚きました。
「えっ、お父様も。」
「そう。母の虐待がエスカレートして、一度は臨死体験もしている。」
「あっ、清輝君と同じなんですね。」
俊一郎、清輝が京子に臨死体験のことを話したことを知りました。
「おっ、清輝はそのことも話したのか。」
「ええ。三途の川まで行ってきたって。」
「私は、川を渡ってあの世の一歩手前まで行ってから帰ってきたらしい。」
「凄いんですね。」
俊一郎、京子が感心したように言うので苦笑しました。
「私の経験は、決して自慢にはならない。生きていたのが奇跡だったが、それだけひどい母親をもったということだけなのだから。」
「私は、幼児の頃は両親から暴力を振るわれました。小学生になってからは、母は手を出さなくなった代わりに無関心にもなりましたが、父には高校に入るまで暴力を振るわれていました。それから、父には…。」
「それ以上のことは話さなくていい。とにかく、私は、君のことを自分のことのように理解した。そして、そんなことは二度とさせない。だから、君が望む限りはここにいればいい。家に帰らなくてはならない時には、私か朋子が付き添うことにする。それで問題が起こるようなら、私が責任を持って対処することを約束しよう。」
「あなた方には、迷惑をかけるわけにはいきません。」
父が何をするかわからないので京子は遠慮しましたが、俊一郎は反論しました。
「京子さん、私は君を、神坂家の一員として迎えるのだよ、家族として。だから、家族には、一切遠慮はしないでもらおう。」
「でも、父は乱暴な人ですし、怪しげな商売していますから。」
京子、父は乱暴なところがあるし、一家が裕福に暮らしていけるのに十分なお金は稼いでいるものの、まともな稼業ではないことに気付いていました。
「大丈夫だ。安心していいよ。」
京子、話すはずでは無かった父の素性まで話してしまったのですが、俊一郎が好意的だったので安心しました。
「無理はなさらないでください。」
「その言葉、そのまま君のお父さんに返してあげよう。この機会に、清輝と美華子にも昔の話しをしておこう。実は私、大学生の時、いろいろな事情があって、ある暴力団関係者の舎弟だったことがある。それでも、ずっと堅気のままではあるのだが、今の組長クラスは、私の名前を知っているはずだし、堅気の私には絶対手を出さない約束もされている。私に手を出せば、下手したらこれだ。」
俊一郎は、右手で自分の首を切る仕草をした。
「えっ、そんな怖い。」
京子は怖がりましたが、朋子はその経緯を知っていましたから、補足しました。
「京子さん、怖がることはないわ。夫は、今は一流企業の課長で本当に堅気だから、その筋の人は手を出せないのよ。それが、兄貴分の人との約束だったから。」
美華子と清輝は、その辺の経緯は知りませんでした。
「えーっ、父さんには、私も知らない過去があったんだ。」
「怖い話だけど、何があったの。」
俊一郎、行きがかり上、子供達にも話しておくことにしました。
「私の責任ではないが、両親が、土地の問題でその筋の人に世話になったことがあったんだ。それで、解決のために私まで首を突っ込まざるを得なくなった。その際、私は、仲介してくれた元やくざの人を逆に怖がらせることになってしまったため、その人の舎弟にされてしまったんだ。若気の至りと言っておこう。それで、その人、佐々木の兄貴は、最後に自分の命をかけて私を守ってくれた。」
俊一郎の微妙な言葉に、朋子が補足しました。
「そうでしたね。佐々木さんは、亡くなったんでしたね。優しそうな方だったのに。」
朋子は、不動産会社社長だった佐々木政夫が死んだことを知っていましたし、顔に傷があって一見怖そうだったものの、人一倍優しい面を持っていたことも見抜いていました。
「えーっ、あのやくざのおっさん、死んでもうたんや。」
真由美は、佐々木政夫のことは、如何にもその筋の人だったし、朋子の結婚式に出席してくれたから覚えていたのですが、死んだことまでは知りませんでした。
「表向きは、自分が経営していたクラブのホステスと心中したことにしかなっていませんが、実際は、可愛がっていた息子が交通事故で死んだショックで気を落としたところに、土地取引で訴えられたことと、私を組に引き込むことに失敗したこと、夫婦仲がうまく行っていなかったことが重なったから、自分の命で全ての落とし前をつけたんですよ。ですから、組長クラスには、私の名前は伝わっているはずなのです。」
「おー怖、そうやったんや。でも、俊一郎さんのためだけに死んだわけやないんやね。」
真由美は、俊一郎に確かめました。
「そうです。でもまあ、私としても、彼の夫婦仲を何とかしようとしたこともありましたから、大変後味の悪い終わり方でした。」
真由美、俊一郎の言葉で何となく理解できましたが、彼は続けて子供たち二人と京子に注意しました。
「3人とも覚えておけ。危ない筋の人にはかかわるな。やましいことはするな。彼ら、堅気には手を出さんが、弱みを握ったら、とことんカモにするからな。」
「父も、カモにされてるのかも。」
京子、父親は決して強い立場にはないことを感じていました。
「そんなものだろう。だからまあ、気にしないでくれ。もし君のことでこじれて、変な方向に行ってしまったら、私なりに筋を通すだけのことだから。」
京子は、恐る恐る確認しました。
「では、私はこちらに置いていただいてよろしいのでしょうか。」
「京子さんを、神坂家の娘として迎える。遠慮することはない。」
「では、娘候補として、よろしくお願いします。」
京子、再度立ち上がって頭を下げました。
続く。
「あなた方には、迷惑をかけるわけにはいきません。」
父が何をするかわからないので京子は遠慮しましたが、俊一郎は反論しました。
「京子さん、私は君を、神坂家の一員として迎えるのだよ、家族として。だから、家族には、一切遠慮はしないでもらおう。」
「でも、父は乱暴な人ですし、怪しげな商売していますから。」
京子、父は乱暴なところがあるし、一家が裕福に暮らしていけるのに十分なお金は稼いでいるものの、まともな稼業ではないことに気付いていました。
「大丈夫だ。安心していいよ。」
京子、話すはずでは無かった父の素性まで話してしまったのですが、俊一郎が好意的だったので安心しました。
「無理はなさらないでください。」
「その言葉、そのまま君のお父さんに返してあげよう。この機会に、清輝と美華子にも昔の話しをしておこう。実は私、大学生の時、いろいろな事情があって、ある暴力団関係者の舎弟だったことがある。それでも、ずっと堅気のままではあるのだが、今の組長クラスは、私の名前を知っているはずだし、堅気の私には絶対手を出さない約束もされている。私に手を出せば、下手したらこれだ。」
俊一郎は、右手で自分の首を切る仕草をした。
「えっ、そんな怖い。」
京子は怖がりましたが、朋子はその経緯を知っていましたから、補足しました。
「京子さん、怖がることはないわ。夫は、今は一流企業の課長で本当に堅気だから、その筋の人は手を出せないのよ。それが、兄貴分の人との約束だったから。」
美華子と清輝は、その辺の経緯は知りませんでした。
「えーっ、父さんには、私も知らない過去があったんだ。」
「怖い話だけど、何があったの。」
俊一郎、行きがかり上、子供達にも話しておくことにしました。
「私の責任ではないが、両親が、土地の問題でその筋の人に世話になったことがあったんだ。それで、解決のために私まで首を突っ込まざるを得なくなった。その際、私は、仲介してくれた元やくざの人を逆に怖がらせることになってしまったため、その人の舎弟にされてしまったんだ。若気の至りと言っておこう。それで、その人、佐々木の兄貴は、最後に自分の命をかけて私を守ってくれた。」
俊一郎の微妙な言葉に、朋子が補足しました。
「そうでしたね。佐々木さんは、亡くなったんでしたね。優しそうな方だったのに。」
朋子は、不動産会社社長だった佐々木政夫が死んだことを知っていましたし、顔に傷があって一見怖そうだったものの、人一倍優しい面を持っていたことも見抜いていました。
「えーっ、あのやくざのおっさん、死んでもうたんや。」
真由美は、佐々木政夫のことは、如何にもその筋の人だったし、朋子の結婚式に出席してくれたから覚えていたのですが、死んだことまでは知りませんでした。
「表向きは、自分が経営していたクラブのホステスと心中したことにしかなっていませんが、実際は、可愛がっていた息子が交通事故で死んだショックで気を落としたところに、土地取引で訴えられたことと、私を組に引き込むことに失敗したこと、夫婦仲がうまく行っていなかったことが重なったから、自分の命で全ての落とし前をつけたんですよ。ですから、組長クラスには、私の名前は伝わっているはずなのです。」
「おー怖、そうやったんや。でも、俊一郎さんのためだけに死んだわけやないんやね。」
真由美は、俊一郎に確かめました。
「そうです。でもまあ、私としても、彼の夫婦仲を何とかしようとしたこともありましたから、大変後味の悪い終わり方でした。」
真由美、俊一郎の言葉で何となく理解できましたが、彼は続けて子供たち二人と京子に注意しました。
「3人とも覚えておけ。危ない筋の人にはかかわるな。やましいことはするな。彼ら、堅気には手を出さんが、弱みを握ったら、とことんカモにするからな。」
「父も、カモにされてるのかも。」
京子、父親は決して強い立場にはないことを感じていました。
「そんなものだろう。だからまあ、気にしないでくれ。もし君のことでこじれて、変な方向に行ってしまったら、私なりに筋を通すだけのことだから。」
京子は、恐る恐る確認しました。
「では、私はこちらに置いていただいてよろしいのでしょうか。」
「京子さんを、神坂家の娘として迎える。遠慮することはない。」
「では、娘候補として、よろしくお願いします。」
京子、再度立ち上がって頭を下げました。
続く。

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