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今日は、雨の那須の休日。
雨の中、柚子を収穫して絞りました。
大変おいしい柚子酢ができるのです。
そのままでも、鍋用ポン酢にしても、美味です。

さて、続きです。

俊一郎は、にっこり微笑んで、京子に頭を下げました。
「いい加減な息子だが、よろしくお願いするよ。」
「はい。清輝君とともに、西都大学に入って見せます。」
おや、そんな目標も設定されていたのか。
聞こうかと思ったところに、朋子と美華子が入って来ました。
「どうやら、片付いたようね。」
流石、朋子は、以心伝心でした。
「うん。片付いた。京子さんは、家族だ。」
美華子は、余りにあっさり話が着いたことに驚きました。
「えーっ、私に妹ができたの。」
「うん。姉さんよろしく。」
清輝が頼むと、京子は再度立ち上がって、二人に対しても深々と頭を下げて頼みました。
「不肖の娘、妹になるかもしれませんが、よろしくお願いします。」
美華子、彼女のオールマイティーぶりは十分知っていましたから、苦笑しました。
「あんたねえ、学業成績、私よりも優秀でしょう。運動だって抜群だし、そんなこと言わないの。」
「いいえ、西都大学医学部に合格できる自信まではありませんから、お姉様の方が優秀だと思います。」
美華子、清輝に確かめました。
「あんた、西都大受けるんでしょ。」
「そのつもりだ。」
「京子さんは。」
「私も、受けます。」
「じゃあ、二人そろって合格しなさい。そうすれば、私はあんたが京子さんと結婚することを認めるわ。」
一足飛びに結婚の話が出たことに京子は驚きましたが、自分もそのつもりでしたから、好ましいことでした。
「わかった。絶対受かってやる。京子は、今でも受かる学力あるから、二人で。」
「はい。必ず合格しますから、私を妹と認めてください。」
俊一郎、二人は既に精神的には夫婦のようなものだと確信し、安心しました。
「ところで、京子さん、一つ聞いていいかな。」
「はい、お父様。」
既に娘の覚悟のようなので、俊一郎は微笑みました。
「家出してきたような荷物だったが、しばらく我が家で暮らしてみるかい。」
京子、我が家には自分の居場所がないとずっと思い続けてきましたので、何とか神坂家に居させてもらいたいと思って、当面困らない用意をしてきたのです。
この後、自分から頼もうと思っていた言葉を、俊一郎からかけてもらえた訳で、喜んで答えました。
「居させてください。」
「ご両親は、知っていますか。」
「あっ、先に両親の話を聞いてください。」
京子は、両親のことも隠さずに話す積もりでした。
「さっきも言ったが、悪いことは言わないでいい。関係だけ説明してくれ。」
嬉しい心遣いだなと感心しながら、京子は話し始めました。
「私の両親、戸籍上特別養子縁組の両親なんですけど、実は全くの赤の他人なんです。もらわれっ子だったんです。それに私、小さい頃から、子供らしくない、可愛くない子供だったんです。それで、両親は、実の子じゃないから余計可愛くなくなってしまったんだと思います。私が、ぐれる代わりに一生懸命優秀であろうとしたことも、余計に反感を買ったらしくて、本当に嫌われちゃいました。私が原因で、両親の夫婦仲にもひびがはいったように思えるんです。ですから、私が居ない方が、秦野の両親にはいいと思っています。家出とまではいいませんでしたが、出かける時に荷物を見た母は、きっと察していると思います。」
おやおや、手回しのいいことでと思いながら、俊一郎は確かめました。
「お父さまには、我が家に来ることは話したのですか。」
「いいえ。母から、高校の友人宅に泊まりがけで行くと伝えてはもらいましたが、父とはずっと口をきいていません。」
それならば、問題は父親の方だろうし、これは少しこじれるかも知れないなと思った俊一郎は、他のことも確かめることにしました。
「京子さんは、何時自分が実の子でないことを知ったのですか。」
京子、秦野家に来る以前の記憶が全く無いのでよくわからなかったのですが、幼稚園の時に叔母に言われた一言はよく覚えていましたから、そちらを答えることにしました。
「幼稚園の頃でした。叔母の心ない一言だったんです。「もらいっ子だから、可愛くないわ。」という。」
普通の両親なら、否定するはずです。
「君のご両親は、否定しなかったのか。」
「ええ。私、本当に可愛くない子だったんです。無視されても、虐待されても、泣きもしなかったんですから。」
俊一郎は実の親子の関係でしたが、自分も喜怒哀楽を表さない可愛くない子供でしたし、DVにあったことは自分と同じなので、奇縁だなと思いつつも、彼女には辛かっただろうとも思えましたので、清輝に命じました。
「清輝、京子さんを後ろから抱いて支えてあげなさい。」
清輝がソファーの上で、京子の上半身を抱くと、京子は泣き出しました。
「ごめんなさい。辛いことを話してしまいました。」
清輝は、今日の今日までほとんど感情を露わにしたことが無かった京子が泣いたことが信じられませんでしたが、我が家に来てそれだけ安心してくれのだと思うと、驚き以上に嬉しかったのです。

続く。


画像は、我が家のたかり雀たちです。
観察していますと、交代しながら譲り合って食べていますから、賢いところもあります。


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