今回はドキュメント邦画「めぐみ-引き裂かれた家族の30年―」をご紹介したいと思います。
writer/K・Kaz
STORY
1977年11月15日、いつものように学校へ出かけた当時13歳の少女。それが横田めぐみさんでした。彼女は夕方、友達が学校から帰る姿を見かけたのを最後に忽然と姿を消してしまいます。その時から平和だった横田さん一家の日々が一変します。
横田さんたちは、帰ってこない娘を探しつづけ、誘拐だろうか? 家出だろうか? とあらゆる事態を想像しながら、めぐみさんの無事を祈りつづけます。
やがて、その実態が<北朝鮮拉致事件>だと分かり……そこからが途方もない戦いのはじまりでした・・・。
この作品は、横田さん夫妻の存在を知って心打たれたアメリカ在住のジャーナリスト夫妻がフィルムを回して記録し、作り上げたものです。
そこに描かれていたのは壮絶な日々の記録でした。
警察や国にどれだけ娘の無事を訴えても取り合ってもらえません。
何十年も怒りや悲しみに包まれながらも娘の生存を信じつづけ、ついにめぐみさんは拉致被害者であり、北朝鮮にいると分かります。
しかし、国家間の話し合いは一向に進まず、横田さんたちは、ただ耐えることを強いられる日々が続きます。
それでも、家族の凛々しくも懸命な姿は強い力で人々を巻きこみ、やがて当時の首相・小泉純一郎までも動かします。
REVIEW
これが小説でも映画でもなく、現実に起こった事だと思うとゾッとするばかりです。 途中には、実際にめぐみさんの拉致を行い、その後に脱北した北朝鮮工作員の証言も出てきます。
拉致が実行された時の状況や、北朝鮮までの船内で苦しみ暴れまわっためぐみさんが壁一面に爪でひっかき傷をつけていたことまで語られます。そして、ここまで分かっているのに拉致被害者を取り戻せないことに割り切れない思いを抱かずにはいられませんでした。
この映画が公開されたのは2006年です。それから更に時間が流れ、2017年の11月15日でめぐみさんが拉致されてから40年が経ちました。
まだ、めぐみさんは戻ってきておらず、生死さえ定かではありません。普通の誘拐事件であればとっくに解決しているはずが、国家間のこととなるとこんなにこじれてしまうことに只もう驚き呆れるばかりです。
そして、これがアメリカやイギリスであれば武力に訴えてでも取り返しにいったかもしれないとも思いました。日本の立場や、簡単に実力行使にでられない事に付け込まれている気がしてなりませんでした。同じ日本人として、見ているあいだは悔しさで一杯でした。
本作品は星3.5とさせて頂きます。
K・Kazのこの映画の評価3.5
- (本ブログでの、レーティング評価の定義)
☆☆☆☆☆(星5) 93点~100点
☆☆☆☆★(星4.5) 92点
☆☆☆☆(星4) 83点~91点 - ☆☆☆★(星3.5)80点~82点
☆☆☆(星3) 69点~79点
楽しみながら見られる作品ではありませんが、日本人として是非見てほしいと思って紹介しました。ニュースなどで「拉致」について知っていた積りでも、その上を行く驚きの内容です。
執筆者紹介
-
writer/K・Kaz
-
-
石川県在住の男性です。
-
週末には、映画を5~7本ペースで観ていらっしゃるそうです。
-
-
おすすめの映画や、おもしろい映画、泣ける映画や、恋の映画など、続々更新予定です。過去記事はこちら↓
-
-