コミックレビュー『天人唐草』山岸凉子 | 『にゃんころがり新聞』

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コミックレビュー『天人唐草』山岸凉子

「天人唐草」
父親に、「女性とはこういうものだ」、「もっとおしとやかに」など、厳しく矯正して育てられた娘が、成長してどのような未来をむかえるか、を描いた作品です。

「ハーピー」
高校男子の物語です。
彼は、同級生の女子が、ギリシャ神話に登場する女面鳥獣、ハーピーではないかと疑いはじめます・・・。

とくにお気に入りだったのは、
「籠の中の鳥」です。
これは、鳥人伝説が残る村の、最後の生き残りの少年の物語です。
融(トオル)少年は、11歳まで、祖母の手ひとつで育てられました。
祖母は目が見えない代わりに、「飛ぶ」ことのできる女性で、その特技を生かして、わずかばかりの収入を得て暮らしていました。
しかし、融少年は、五体満足の体をもっている代わりに、一族特有の、「飛ぶ」という特殊能力を持っていません。
祖母が臨終の間際、「飛ぶ」ことのできないトリは、死ぬしかない、と少年を諭し、飛んでみせるよう言いふくめますが、融少年はやっぱり飛ぶことができません。
祖母が亡くなり、民俗学の調査員のような人見さんという男がやって来て、融少年を引き取ります。
義務教育を受けていなかった融少年は、一年生の知識から勉強することになります。
融少年は、並外れた吸収力で、遅れていた知識の吸収をおこなっていきます。
そんな暮らしにもやっと慣れはじめた頃、融少年が慕っていた人見さんに結婚話が持ち上がります。
融少年は、人見さんと別れなければならなくなることを恐れて・・・。

「飛ぶ」ということがどういうことなのか?  ズラし方がうまいです。なるほど、そう来るか。
上手な構成が、短編のお手本のような作品です。

 




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