010/にゃんこ+捨て子(捨て人形)のジョーニー | 『にゃんころがり新聞』

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妖怪ウォッチのキャラ かわいいですよね。
かわいいは正義!ピノコも正義!
ブラックジャックとピノコもニャン化
BJニャンはガブニャンぽいですね‥

ジバニャン亜種

 
 ジョーニーは何時頃からか、リーベリに出来た仲間のひとりでした。村のごみ捨て場に捨てられていたのをリーベリが家に持ち帰り、埃まみれだったので水洗いし、日向ぼっこさせてきれいにしました。そうして、元々この人形には心というものがありましたので、リーベリがその心を解き放つ魔法をかけてあげたのです。現在では、歩いたり眠ったり食べたり欠伸をしたりと、ジョーニーは人間と寸分違わない動作と感情を持つようになっていました。
(中略)
「ちぇっ、リーベリ様も人使いが荒いや」

  とジョーニーは洞窟を後にすると日頃の鬱憤を吐き出すように云いました。リーベリはこのところ酷く機嫌が悪く、洞窟でも声を荒らげて、古参のジョーニーとストレイ・シープ達を些細なことで叱りつけたりするのでした。

 聞き捨てならないというふうにジョーニーの股に挟まれたストレイ・シープが云いました。

「リーベリ様に聞かれたら、事だぜ、ジョーニー」

「あんたさえ密告しなければ、わかりゃしない。おいら、もうあの人の下で働くの疲れたよ、とても」

「それは僕も同感だがね。ついさっきも、丸焼きにされたカエルなんて、かわいそうで見ていられなかったぜ」

「ああ、おいらの人生、碌なもんじゃないなあ」

「まあまあ、我々が何とか食っていけるのもリーベリ様のおかげといっちゃおかげなんだから、そんなにぼやかないでくれよ」

「なあ、ストレイ・シープよ、おいらには夢があるんだぜ。形だけはリーベリに従っているけれど、その夢を叶えるために今は大人しくしてるだけだぜ」

「へええ、初耳だな。夢って何だい?」

「おいらもいつかきれいなお嫁さんをもらって、いっぱしの家庭を持ちたいんだ」

「そいつは見上げた夢だな」

「そしたら、きれいさっぱり、こんなヤクザな稼業からは足を洗って、カタギになって、仕合わせな家庭を築くんだ」

「たいしたもんだな、あんたは。前から見所あると思ってたんだ」
 
(にゃんく作『果てしなく暗い闇と黄金にかがやく満月の物語』より
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