第10回ミステリーズ!新人賞受賞作です。(東京創元社「ミステリーズ!61」に掲載されています)
いつも純文学系の新人賞ばかり読んでいるので、今回は趣向を変えて、エンタメ系の新人賞を読んでみたのがこの作品。
ある日、とある公園で殺人事件が起こります。
公園で浮浪者がたむろしないように見回りをするお爺さんがいます。お爺さんは冒頭、公園でいちゃつくカップルに遭遇します。その後、カブトムシを獲りに来た男を浮浪者と勘違いして注意したり、公園でビール片手に寝転がって寝入り込んでいる間抜けな探偵に出くわしたりします。
一度自宅に帰ったお爺さんは、自分が見回りから帰った後、公園で殺人事件が起こったことを知らされます。被害者は、あの間抜けな探偵なのでした……。
さて、犯人は誰ぞや?
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これだけの説明で犯人を言い当てられたら、さぞやその人は名探偵になれるでしょう。
ミステリーなので、純文学とは肌合いが違いますが、たまにはエンタメ系の作品を読んでみるのも気分転換になっていいかなと。ところどころ、地の文章が拙いところが目につきますが、謎解き自体はそこまで不自然ではないし、楽しんで読める作品ではないでしょうか。