筒井康隆『文学部唯野教授』(岩波現代文庫)
「文学どうでしょう」の立宮さんのところで紹介されていたので、読んでみました。
文学理論の後半はあまり理解できませんでした。印象批評とロシアフォルマリズムあたりしか理解できませんでしたが、文学理論って、評論家が作家に悪口を言われないよう、どんどん難しくなってきた、なんていうところはおもしろかったです。別に、作家は文学理論をすべて理解していなくてもいい、と。
大学というところの、教授になるまでの大変さなどが、うかがえる小説です。
大学に勤めたいと思う者なら、一度は読んでおいた方がいいと思える小説です。
点数的には、75点くらいでしょうか。
これを読んで「文学」が分かる、と思っていたので、すこし期待外れでした。おもしろかったですけれどもね。
前に読んでレビューをアップしていないですけど、島田雅彦の「小説作法ABC」(新潮選書)は、詳しいところまで書かれているので、参考になるかもしれません。