『神キチ』赤木和雄・・・92点 | 『にゃんころがり新聞』

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『神キチ』赤木和雄・・・92点


(新潮新人賞受賞作、ジャンル:純文学、2009年「新潮」11月号)


<あらすじ>(ネタばれあり)


 伊作という青年?が神社へ行くと、自殺しようとしている男と出くわす。自殺を思いとどまらせるために、男に「首を吊った時に、踏み台としているベンチを後ろへずらしましょうか?」などと、自殺を助ける提案をする。このようなことを言えば逆に男は自殺を思いとどまるのではないかと考えたのである。

 しかし、そこへ全身にピアスなどの装飾品をつけた奇妙な若者が登場する。若者は、「早くテレビが見たいから、急いで自殺して」などと男を急かす。しかし、若者が自殺のためのロープをきつくしようとしているところへ、バランスを崩し、若者が首を吊ってしまう。


 伊作は車で建設現場へ赴き、作業中に転落し、鎖骨を骨折する。病院へ運ばれるが、入院していた同室の男は昨日会ったばかりのヤクザであった。

 病院の老医師は、コッチン療法という、患者の頭を木づちで叩いて殺していくことをしている。看護婦がそのことを教えに来て逃げるように言ってくれるが、老医師が入れ違いに病室へやって来る。




 悪夢がずっと続いているような世界です。


 すこし、町田康っぽいなと思いました。

 作者も町田さんの作品が好きだと受賞後のインタビューで言っています。

 

 「神キチ」っていうのは、神様気違いっていう意味でしょうか。


 短い枚数の中に、テーマもきちっとしていて、エピソードも面白いです。やっぱり自分は、純文学の方が好きなのかな。