『刺繍』 川本晶子 | 『にゃんころがり新聞』

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 『刺繍』 川本晶子(2005年太宰賞受賞作)筑摩書房・・・80点


〈あらすじ〉


 エリはもうすぐ40歳になる。


 最近、エリの母が呆けだして、娘の名前を忘れてしまった。


 しかし、エリの恋人の敏雄の名前は覚えている。

 

 エリは母が敏雄に恋をし、敏雄が自分にかまってくれないことに拗ねて、浮気をしたりする。


 その時、浮気相手の男性から「この世界は小さな奇跡の積み重ねでできている」ことを教わる。

 敏雄はまだ20歳。


 いつか別れはやってくると思いながらエリと敏雄は同居生活を続ける。

 母は医者から「今日が山です」と何度も言われながら、そのたびに奇跡が起こり回復するが、やがて病には勝てず亡くなる。


 エリには敏雄からプロポーズされるという小さな「奇跡」が起こり、結婚を決める。


       *


 波瀾万丈のストーリー展開はありませんが、うまくまとめてる感じです。

 文章も読みやすく、イメージが湧いてきます。

 今はこういうカップルが多いんでしょうかね。

 私の弟も6歳も年上の姉さん女房と結婚しましたし。

 この小説では20歳の年の差ですからね。

 そういう切り口からも小説が作れるんだなって、すこし感心しました。