『オブ・ザ・ベースボール』円城塔・・・78点
本作品は文学界新人賞受賞と芥川賞の候補にもなったようです。
そのわりに点数が低いようですが、私はあまりこういう作品は好きになれません。
冒頭とラストの部分は良いとして、真ん中部分はそれほど面白くないような気がします。ページをめくるのが苦痛というか。落下する人がどういうふうに落下しているのか分析したりしているのですが、退屈でした。
最後の1、2ページは良かったと思います。
つまり、空から老人が降ってきて、俺がバットでその老人を打つとファウルになった。その老人の所持品に写真などがあり、俺とよく似た俺よりすこし老けた男が映っている。「俺は何処かで墜ちるかもしれない。今も落ち続けているのかもしれない。俺は墜ちることを逃れることはできないかもしれない。」などと俺は思います。
(↓ネタばれ含みます。)
<あらすじ>
ファウルズという町には年に一回ほど人が空から降ってくる。
俺は九人1チームのレスキューチームで活動している。俺たちは人が空から墜ちてくる場所を予想し、できれば墜ちてくる人を救出すべく活動している。
しかし、手に持たされている道具は、何故かバット。
ついに人が空から墜ちてきて、俺は落下地点をあらかじめ予測し、そこで迎え打つ。つまり、バットで人を空へ打ち返した。人が空へ跳ね返るホームランになれば良かったが、大ファウルになる。