『人間になりかけたライオン』シェル・シルヴァスタイン(倉橋由美子 訳)・・・80点
子供向けの絵本ですが、大人でもそこそこ楽しめるのではないでしょうか。
シルヴァスタインというと、「おおきな木」があります。
私は大学生の頃、ドイツ語を習っていたので、はじめて『おおきな木』を外国語で読んで感動した記憶があります。
たぶんその時読んだのは、ダイジェスト版みたいな短いバージョンだったと思います。こないだ、村上春樹訳の「おおきな木」を読んで、だいぶ印象が違うわ、と思いました。それでも名作には違いないので、読んでいない方は、「おおきな木」、一読をおすすめします。
<あらすじ>
ある日、ライオンがジャングルで昼寝していると、ハンターがやって来て、他のライオンたりは皆、逃げる。が、その変わったライオンは一人だけ逃げずに、ハンターをやっつけて、ライフルをぶんどる。
そのライフルで的を撃つ練習をし、ライオンは世界一の狙撃手になる。
何日か経ち、サーカスの団長がやって来て、ライオンを連れて行く。
ライオンは床屋に行き、おいしいレストランで食事をし、クラブで美女と踊るようになる。
しかし、そんな満ち足りた生活を続けていたある日、ライオンは一人涙を流す。そんな暮らしにももう飽きたんだ、と。サーカスの団長は、ライオンを狩りに連れて行く。ライオンは喜んではじめての狩りに行く。
狩りでライオンはライオンの群れに向かって射撃をしていると、ある年老いたライオンに出会う。老ライオンはライオンに、「お前は、ライオンだろう。なんで俺たちを撃っているんだ、と。ジャングルに戻って、生きたウサギを食べて、草原で昼寝をする生活に戻ろう。」と老ライオンはライオンに迫る。サーカスの団長は、「そいつの言葉に耳を貸すな。そいつを撃ち殺して、レストランでおいしい食事を食べよう。」ライオンは板挟みにあい、次に出た行動は・・・。