『裏庭の穴』田山朔美・・・89点 | 『にゃんころがり新聞』

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『裏庭の穴』田山朔美・・・89点



 私はこういうミステリアスな展開の小説は好きです。

 夫や娘に相手にされていない主婦が飼っている豚はかわいい。主婦に寄ってきてかわいい声で鳴いたり、主婦が作る食事を美味しそうに食べてくれるのはこの豚だけです。
 なんかそういうのが物悲しくて良いです。

 それと、ラストの結末とか、意味は分からないんだけど、色んなふうに解釈できるところがいい。


 小難しく書いてなくて、さらっと読めちゃいます。


<あらすじ>

 私は夫と高校生の娘の三人暮らし。
 夫は会社の部下の女性と不倫をしているが、私は見て見ぬ振りをしている。
 娘は私のことを嫌っていて口をきいてくれない。

 ある日、娘がネットで注文したミニ豚が届く。夫は家に帰ってきても食事もとらないことが多いが、豚は私になついていて、私が出したエサを美味しそうに食べてくれる。

 隣近所のおばさんはいつも私のことを監視している<監視屋>。ある日、<監視屋>は町会長に私が獰猛な動物を飼っているので治安上良くないから処分してほしいと申し出ていたことが分かる。私は豚しか飼っていないと答える。

 ある日、夫の会社の同僚という知らない女がやって来て、あなたの旦那さんは浮気していると言う。
 女に帰ってもらうが、実はその女が当の夫の浮気相手で、後日私の家にイタズラ電話のような気持ちの悪い電話をかけてくる。

 豚はどんどん大きくなり、すこし異常な大きさに成長する。
やがて<監視屋>や夫の不倫相手などが姿を消し、私は周囲から不審の目を向けられる。