色々と話したいところですが、Twitterだと多少ネタバレになっちゃうので、こっそりブログにしてみました。ちなみに、できるだけネタバレにはならないように気をつけてますが、心配な方は閉じてください。
主人公は高橋さおりは、ごくごく普通の女子高生。
彼女の心理描写を軸にストーリーが進んでいきます。
でもこの普通という表現が正しいのかどうか迷うところですが、その普通はきっと掘り下げれば今の高校生のマジョリティなのではと思います。
またその他の演劇部員も同じです。
・なんで部活やっているのか問われてすぐに答えられない。
・将来の目標などが明確に定められない。
こういった漠然とした不安感からくる葛藤などを抱きながら部活に取り組んでいきます。
そんな中、新任の女性教諭の吉岡先生に出会い、演劇に夢中になっていき全国大会を目指すというストーリー。
この映画の凄いところは、そういった葛藤はありながらも全員部員が女の子で客観的に見ても全員とても性格のいい子という役柄です。
また家族の悩みや進路の悩みの描写もなければ、うつの子もいじめっ子もいません。
映画としてはある程度本を書きやすいこういった要素を敢えて全て排除しています。
これは原作でのラストシーン、高橋さおりが自ら台本を書いた「銀河鉄道の夜」を舞台袖で見ながら初めて高橋本人が悟った「高校生の現実」を忠実に表現しています。
もちろん、イジメや家族の悩みなどの社会的な問題も世の中の現実ではありながら、原作で高橋はこういったものについては「少なくとも、今の私の現実はそれではない」と表現しています。
原作で高橋は自分の現実について、
「私にとっては、この一年間、演劇をやってきて、とにかくいい芝居を創るために、悩んだり、苦しんだり、友達と泣いたり笑ったり喜んだりしたことの方が、よっぽどよっぽど現実だ。この舞台の方が現実だ。」と表現しました。
まさに高橋の解釈する現実だけにフォーカスを当てた映画で、余計なものが一切無く、その女子高生たちの青春の現実にどっぷり浸れる映画です。
そのリアリティは大人はノスタルジックな思いに必ずなるでしょう。
ひょっとしたら私みたいにあまり真剣に部活に取り組んでこなかった人間はあまりにキラキラした青春にちょっと「嫉妬」してしまうかもしれません。
でも、過去にそんな青春を味わった大人も、味わえなかった大人も、この映画で「疑似体験」できることは間違いないです。
そして中高生は今この時間がいかに貴重で取り戻せない時間か・・・
ぜひ今中高生には見てほしい映画です。
少なくとも私の中でこれほどまでに愚直に潔い「青春映画」は初めて観ました。
そして、これが5月「幕が上がる」舞台へのリンクがどうなっていくのかが楽しみでなりません。

ももいろクローバーZ ブログランキングへ