~みんなのトラウマ~
新しい年度に向けて、大掃除を始めた彼らは、そこで思いもかけないものを…見つけることになったのでした。
倉庫の中のいらない資料を判別していた黒崎さんは、やたら厳重に包まれた段ボール箱を前に頭をかしげていました。
「ん?…『厳重』って書いてあるのに中身の記載ないなぁ…っと、しかもやけに重いし…」
あけるべきか…見なかったことにすべきか…涼風のパンドラの箱が、人知れず発見されてしまったのでした。
「くろー、昼飯できたってさ…って」
デッカイ箱の中に正座して悩んでいる黒崎さんの後ろからひょこっと咲也君が顔をだします。
名前を呼んでも無反応な姿に、意地悪することを決めたのでした。
「なにしてんだよ?黒崎いち…」
「!!フルネーム禁止だろ!?」
いつも鈍い彼ですが、フルネームにだけは俊足でツッコミをいれます。
「聞こえてんじゃん…で、なにしてんだよ?」
「相変わらず…嫌みなガキだ…」
「なんだよ?黒崎い…」
「ヤメ!!この箱について考えてました。」
とことん、相性が悪いらしく抗うことすら諦めしかたなく黒崎さんは降参をするのです。
ニヒルに笑う嫌みなガキも不思議そうに箱を観察し始めました。
「んん…重っ!?もしや金目のもの…いや…涼風の倉庫にいたってなはずもないだろうし…どうせしょうもないものだろうけど」
「…暁羅さんには申し訳ないけど、そこまで意義なし。」
結構ズバズバ指摘します。しょうもないだろうけど…それでも『厳重』の文字に心ひかれてしまう。
「開けるか…隠し撮り写真とかかもだし。」
「なにより、気になって進まないしな。」
好奇心にはめちゃくちゃ素直なあたりがさすがは一緒に生活しただけあります。
『厳重』をぴりぴり破いて開いた先にはやや変色した紙がぎっちり…
「ドナー~私をあなたと繋げて?~ってなんか…」
「こっちは真実は手の中…なんだこれ、昔の劇の台本じゃん!!」
パラパラページをめくってみていると、昼飯が冷めることを知らせに七海ちゃんがやって来たのです。
「もー咲也兄さんまで、ミイラとりさんになっちゃダメ!」
せっかく出てきた台本に懐かしさから、ついつい昼食の席へと持っていってしまうことで…みんなのトラウマin涼風が蘇ることになったのでした。
~片づけは…こういうことをすると終わらない。~
違う場所にいた団員たちも集まって、久しぶりに賑やかな昼食の席で、懐かしの台本に思い出話しも広がっていきます。
「ドナーは俺が初めて主人公したやつっすね!!結局題名ドールになって…」
「あーでもでも、うちらは『おんぶお化け』って呼んでたよね!!」
☆ドール→余命幾ばくもない幼馴染みの願いを叶えるために海に連れて行った事で急変してしまう。死を受け止めきれず、幼馴染みをおんぶして『上りきれば生き返る搭』といういかにも怪しい都市伝説の場所で起こる…感動狙ったら、気味悪すぎた作品。
ずっとおんぶしていたため通称『おんぶお化け』。
ちなみに主役の太陽君に背負われてほぼ二時間の役は下手すぎる演技が、今回に限り逆に効果的だった七海ちゃん。
「最後で全部まさかの七海に持ってかれたよな~」
わざわざ、影を使って視線をそらしながら…七海ちゃんが懐かしの台本片手に再現します。
「ありがと…ねぇ…この体…私にくれるよね?」
本番だとここで暗転。
やりきれない気持ちと不気味さが残る涼風にしては珍しい内容でした。
「タイトルがドナーだと、体の移植のイメージになるからわざわざドールにしたんすよね。…最後は、あなたの想像に任せますって。」
ちなみに出番が少ない搭の案内人れおん君が寝ぼけて奇妙な対応をしたのも、この劇だと味になるから不思議だ。
「二時間のおんぶって筋トレだよな。」
「あの頃は若かったし…なりきってたから余裕だったっすね~。」
地味に重労働なため体力的にもリメイクはないだろう。
「あ、これ可愛かったよね、ね?『お姉ちゃんの変わりに犯人探すもん!』って咲也君にまにまだよ~!」「な!黒歴史を…捨てよう」
「だ~め~!はぅ…また見たいよぉ~!」
あーだこーだと話しているうちに…誰もが口を紡ぐ台本があらわれた。
明らかに、空気がどんよりとし…対処に困っている。しかたなく咲也君が歯切れ悪く台本を手に持つ。
「…ドラッグ…か。これは一生忘れられない。」
☆ドラッグ→カリスマ的で人気者の青年がネタマレいきなり拉致→薬を使われ、ついに依存になる。見つかったときにはすでに彼は『別人』となっていて病の妹にまで…『治療』として薬を使ってしまう。最終的に罪の意識と薬から離れる苦しみで、狂ったように泣きわめく咲也の姿は…うますぎて怖い。
「…学校での教育用に作ったんだよね…」
よくある『ドラッグはすぐ近くからやってくる』の様に断り方などを考えさせる劇を頼まれて作ったのだが…
「子ども…泣いてたな。」「うん…大泣き。あれ、私も真剣に怖かった。」
行方不明の主人公が数日ぶりに平然を装って帰ってきた。
しかし安心したのもつかの間、いきなり狂ったかのように、妹役の七海ちゃんに薬を使い発作に苦しむ彼女をそのまま人質にする超展開。
「俺…止めにはいる警察役だったっすけど、そのあとの隔離で『妹がー!!』『虫がいる…』って騒ぐ姿…忘れられないっす。」
「さすがの藍音さんも…咲也君が脱いでもきゅんきゅん♪できなかったんだよ、だよ。」
ちなみに、上半身裸にジーパンのみの予定がさすがにシャツ着用になったが…問題はそこ以外にあったと思う。
送られてきた感想の手紙には『怖かった』が圧倒的で、その後その手の話の依頼は来なくなったという。
「うー、なんか私死亡フラグすぎだよぅ。でもこれ…誰が書いたんだっけ?」
「え?七海じゃないのか!?」
「この頃はまだ、台本やってないですよ~!あ、でもなぜか作ってしまった『ドラッグ・2』は私です!!」
☆ドラッグ・2→あれほど不評だったのになぜか作られた続編。隔離から解放された主人公が妹のことや友情、社会と向かい合う話。初代ドラッグよりはましだが…やはり咲也君の名演技が怖い。
「…今になるとさ、学校は『身近な危険をどう断るか』を求めてたんだよな。」
ピントはややズレたが…ドラッグの怖さだけは確実に伝わったと思う。
「そのへんすっ飛ばして、随分その後に力いれたっすよね…。」
「『あぁ…もっともっとあげないと…妹が見てる、おいで、おいで!』って…なんにもいないとこで暴れたのとか…夢にまで見た。」「兄さんの力…あの時本当におかしいくらい痛かった、よ。」
「途中で、怖がる子のために電気つけにまわったんだよ、だよ?」
トランス状態の咲也君の演技は、もともとキツいシナリオにおいて確実に見る側にもやる側にもみんなの心に「恐怖」を植え付けたのでした。
「…俺だってしばらく泣き叫ぶ七海とか『あのお兄ちゃん怖いー』って声が離れなかったって…。」
もちろん、本人にだって大きなダメージを与えてしまったこの劇は、まさしく
『みんなのトラウマin涼風』
の名にふさわしいと、改めて実感させられた瞬間だったのでした。
「そ…そんなにまずかったかな…自信作だったんだけど。」
誰も気がつかない場所で、後に教師となった明音さんが唯一書いた台本であったことを静かに告白していたのでした。
新しい年度に向けて、大掃除を始めた彼らは、そこで思いもかけないものを…見つけることになったのでした。
倉庫の中のいらない資料を判別していた黒崎さんは、やたら厳重に包まれた段ボール箱を前に頭をかしげていました。
「ん?…『厳重』って書いてあるのに中身の記載ないなぁ…っと、しかもやけに重いし…」
あけるべきか…見なかったことにすべきか…涼風のパンドラの箱が、人知れず発見されてしまったのでした。
「くろー、昼飯できたってさ…って」
デッカイ箱の中に正座して悩んでいる黒崎さんの後ろからひょこっと咲也君が顔をだします。
名前を呼んでも無反応な姿に、意地悪することを決めたのでした。
「なにしてんだよ?黒崎いち…」
「!!フルネーム禁止だろ!?」
いつも鈍い彼ですが、フルネームにだけは俊足でツッコミをいれます。
「聞こえてんじゃん…で、なにしてんだよ?」
「相変わらず…嫌みなガキだ…」
「なんだよ?黒崎い…」
「ヤメ!!この箱について考えてました。」
とことん、相性が悪いらしく抗うことすら諦めしかたなく黒崎さんは降参をするのです。
ニヒルに笑う嫌みなガキも不思議そうに箱を観察し始めました。
「んん…重っ!?もしや金目のもの…いや…涼風の倉庫にいたってなはずもないだろうし…どうせしょうもないものだろうけど」
「…暁羅さんには申し訳ないけど、そこまで意義なし。」
結構ズバズバ指摘します。しょうもないだろうけど…それでも『厳重』の文字に心ひかれてしまう。
「開けるか…隠し撮り写真とかかもだし。」
「なにより、気になって進まないしな。」
好奇心にはめちゃくちゃ素直なあたりがさすがは一緒に生活しただけあります。
『厳重』をぴりぴり破いて開いた先にはやや変色した紙がぎっちり…
「ドナー~私をあなたと繋げて?~ってなんか…」
「こっちは真実は手の中…なんだこれ、昔の劇の台本じゃん!!」
パラパラページをめくってみていると、昼飯が冷めることを知らせに七海ちゃんがやって来たのです。
「もー咲也兄さんまで、ミイラとりさんになっちゃダメ!」
せっかく出てきた台本に懐かしさから、ついつい昼食の席へと持っていってしまうことで…みんなのトラウマin涼風が蘇ることになったのでした。
~片づけは…こういうことをすると終わらない。~
違う場所にいた団員たちも集まって、久しぶりに賑やかな昼食の席で、懐かしの台本に思い出話しも広がっていきます。
「ドナーは俺が初めて主人公したやつっすね!!結局題名ドールになって…」
「あーでもでも、うちらは『おんぶお化け』って呼んでたよね!!」
☆ドール→余命幾ばくもない幼馴染みの願いを叶えるために海に連れて行った事で急変してしまう。死を受け止めきれず、幼馴染みをおんぶして『上りきれば生き返る搭』といういかにも怪しい都市伝説の場所で起こる…感動狙ったら、気味悪すぎた作品。
ずっとおんぶしていたため通称『おんぶお化け』。
ちなみに主役の太陽君に背負われてほぼ二時間の役は下手すぎる演技が、今回に限り逆に効果的だった七海ちゃん。
「最後で全部まさかの七海に持ってかれたよな~」
わざわざ、影を使って視線をそらしながら…七海ちゃんが懐かしの台本片手に再現します。
「ありがと…ねぇ…この体…私にくれるよね?」
本番だとここで暗転。
やりきれない気持ちと不気味さが残る涼風にしては珍しい内容でした。
「タイトルがドナーだと、体の移植のイメージになるからわざわざドールにしたんすよね。…最後は、あなたの想像に任せますって。」
ちなみに出番が少ない搭の案内人れおん君が寝ぼけて奇妙な対応をしたのも、この劇だと味になるから不思議だ。
「二時間のおんぶって筋トレだよな。」
「あの頃は若かったし…なりきってたから余裕だったっすね~。」
地味に重労働なため体力的にもリメイクはないだろう。
「あ、これ可愛かったよね、ね?『お姉ちゃんの変わりに犯人探すもん!』って咲也君にまにまだよ~!」「な!黒歴史を…捨てよう」
「だ~め~!はぅ…また見たいよぉ~!」
あーだこーだと話しているうちに…誰もが口を紡ぐ台本があらわれた。
明らかに、空気がどんよりとし…対処に困っている。しかたなく咲也君が歯切れ悪く台本を手に持つ。
「…ドラッグ…か。これは一生忘れられない。」
☆ドラッグ→カリスマ的で人気者の青年がネタマレいきなり拉致→薬を使われ、ついに依存になる。見つかったときにはすでに彼は『別人』となっていて病の妹にまで…『治療』として薬を使ってしまう。最終的に罪の意識と薬から離れる苦しみで、狂ったように泣きわめく咲也の姿は…うますぎて怖い。
「…学校での教育用に作ったんだよね…」
よくある『ドラッグはすぐ近くからやってくる』の様に断り方などを考えさせる劇を頼まれて作ったのだが…
「子ども…泣いてたな。」「うん…大泣き。あれ、私も真剣に怖かった。」
行方不明の主人公が数日ぶりに平然を装って帰ってきた。
しかし安心したのもつかの間、いきなり狂ったかのように、妹役の七海ちゃんに薬を使い発作に苦しむ彼女をそのまま人質にする超展開。
「俺…止めにはいる警察役だったっすけど、そのあとの隔離で『妹がー!!』『虫がいる…』って騒ぐ姿…忘れられないっす。」
「さすがの藍音さんも…咲也君が脱いでもきゅんきゅん♪できなかったんだよ、だよ。」
ちなみに、上半身裸にジーパンのみの予定がさすがにシャツ着用になったが…問題はそこ以外にあったと思う。
送られてきた感想の手紙には『怖かった』が圧倒的で、その後その手の話の依頼は来なくなったという。
「うー、なんか私死亡フラグすぎだよぅ。でもこれ…誰が書いたんだっけ?」
「え?七海じゃないのか!?」
「この頃はまだ、台本やってないですよ~!あ、でもなぜか作ってしまった『ドラッグ・2』は私です!!」
☆ドラッグ・2→あれほど不評だったのになぜか作られた続編。隔離から解放された主人公が妹のことや友情、社会と向かい合う話。初代ドラッグよりはましだが…やはり咲也君の名演技が怖い。
「…今になるとさ、学校は『身近な危険をどう断るか』を求めてたんだよな。」
ピントはややズレたが…ドラッグの怖さだけは確実に伝わったと思う。
「そのへんすっ飛ばして、随分その後に力いれたっすよね…。」
「『あぁ…もっともっとあげないと…妹が見てる、おいで、おいで!』って…なんにもいないとこで暴れたのとか…夢にまで見た。」「兄さんの力…あの時本当におかしいくらい痛かった、よ。」
「途中で、怖がる子のために電気つけにまわったんだよ、だよ?」
トランス状態の咲也君の演技は、もともとキツいシナリオにおいて確実に見る側にもやる側にもみんなの心に「恐怖」を植え付けたのでした。
「…俺だってしばらく泣き叫ぶ七海とか『あのお兄ちゃん怖いー』って声が離れなかったって…。」
もちろん、本人にだって大きなダメージを与えてしまったこの劇は、まさしく
『みんなのトラウマin涼風』
の名にふさわしいと、改めて実感させられた瞬間だったのでした。
「そ…そんなにまずかったかな…自信作だったんだけど。」
誰も気がつかない場所で、後に教師となった明音さんが唯一書いた台本であったことを静かに告白していたのでした。
があふれていました(^-^)b
が降るなかで頑張って咲いている姿には勇気をもらえますね








の色が悪くなってきてしまったので、家にある物体でなにやら作ってみたのです



やら私的には柚子風味のお酒
がポイントかと




相変わらず…つめが甘い…途中までは綺麗だったのに(-_-;)苦笑

をつぶして混ぜてます(_´Д`)ノ~~




