おいしい、うれしい。 | サヨナラノサキ

サヨナラノサキ

2014年4月1日エイプリルフール仏滅に乳がん手術をしました。抗がん剤治療を経てホルモン治療中の2018年3月、乳房再建のためのエキスパンダー挿入、同年11月インプラントに入れ替え。乳がんのことや愛猫、日常のアレコレをブログに綴りたいと思います。

皆さん、こんばんは〜パー


今年も残りあと3週間となりましたね。

忘年会やクリパやカウントダウンの準備はおすみですか?


誰にも聞かれていませんが、

私は何ひとつおすみではございません。


てか、縁がないショボーン


特に、な通常運転の年末です。




職場近くにはクリスマスツリークリスマスツリー


我が家も玄関ドアにリースだけはぶら下げました。

クリスマスケーキやお節の予約はなし。

だって95歳義母の年末年始がどうなるか分からないから。


一時期、プチ危篤状態?

であるとも見えたその命風前の灯だったが、

先週兄夫婦が面会に久しぶりに行ってくれました。


以下、記録としておきます。


相変わらず見えず聞こえず話せずとも思えた義母、

いつもと同じように目を堅くギューっと瞑った状態で車椅子に座っていた。

良くもなっていないしかと言って悪くもなっていない、まあ現状維持なのかなという見た目だったらしい。


兄夫婦は義母が好きだったコーヒーをコンビニで買って持参していました。

施設に着く頃にはちょうど良い温度くらいに冷めているし、コーヒーの良い香りだけでもと思ったのでしょう。


そしたら…


義母、飲んだびっくり


そして、目を堅く瞑ったまま、

「おいしい」

と言ったそうです。


何か、びっくり。


兄夫婦がいたわずかな時間、

「おいしい」

「あー、すいません」

「うれしい」

3つの言葉を話したそうな。


ほんのひとくち、ふたくちだけだっただろうけど、

コーヒーを飲んだ義母、

生命って不思議です。


コーヒー、好きだったものね。


父が大のコーヒー好きで、

よく豆をひいてコーヒーを淹れていた。

夫婦で淹れたてのコーヒーを飲む時間、

ささやかな幸せだったかも知れません。

私たちが行った時も父は淹れてくれて、

実家はいつもコーヒーの良い香りがしていました。


認知症になって連れ合いを亡くし、

施設に入って過去は全部忘れた義母だけど、

懐かしいコーヒーの良い香りに癒されただろうか。


思い出せなくても、

「おいしい」

「うれしい」

口から出た言葉がポジティブなものだけだったのが、

私たちには大きな救いです。




認知症は決してきれいごとだけですまない、

家族の長い戦いとせめぎ合いが多くの犠牲を生みます。


恨む気持ちと罪の意識、

ずっと家族を苦しめます。


終わりの見えなかった介護、

まだたくさんの後悔はあるけど、

穏やかに終わりに向かっているのだと今は思えます。


今ご両親や連れ合いや兄弟の介護で苦しい日々を送っている方にも、


どうか希望を持って欲しいです。