今朝テレビを見てたら、夫が、
「今日は出かけて来る」
と言うので、
「ふ〜ん、どこ?」
と聞いたら
「横浜。取材」
えっ?横浜?
横浜行くの?
私は皆さんもご存知の通り、
ただ今プーである。
てことは、超絶ヒマ、ということである。
私は、普段夫の仕事に同行するなど決してしない。
しかし、ヒマ故の気まぐれで、
本日は夫について行くことにした。
だって、行き先は横浜よん
実家の用事、つまりはじじばばの所用以外で横浜へ行くなんていつぶりだろ。
しかし、よくよく聞いてみたら、
横浜は横浜でも、
ソコは、かなーりディープな街
地元の人は知る人ぞ知る、だが、
オサレタウンのすぐ近くにある、
いわゆる「ドヤ街」という場所。
「アンタ、そこが、どんなとこか知ってんの?」
と聞くも、
「知らな〜い」
能天気なお答え。
しかし、私が知ってるのは随分前のドヤ街、
時代は変わり、今は様変わりしているかも。
昔は女子供が足を踏み入れたら、
タダでは帰れないと言われてた。
ま、私は何度か通りましたケド。
もう街自体が消滅してるかも…
そう思いながらも念のため少し離れた場所のコインパーキングへ車を停め、
徒歩で街の中心へ向かう。
お財布入ったバッグをしっかり抱え、
前後左右を気にしながら歩く中高年、
もはや、こっちの方が怪しい人だ。
何十年ぶりかで足を踏み入れた「ドヤ街」、
確かに街は様変わりしていた。
でも…絶対に普通の街にはいないであろう人々が、
昼間から路上で酒を飲み、
あるいはボーっと座り込み、
たむろして話している。
数はだいぶ減ったのだろうが、
近代的な高層マンションのすぐ近くに、
簡易宿泊所が立ち並び、一杯飲み屋がひしめいている。
目立ったのは、
車椅子に乗った老人と、ボランティアらしき人。
街は清潔で、明るくなっていた。
新しい街の傍らでひっそりとまだ息づいている、
どこか、懐かしいディープな世界…
何だか若干酸っぱいような独特の臭いがした気もするが、
それは私の偏見と思い込みだろう。
若い時から毎日命懸けで、その日暮らしをしながらも精一杯ドヤ街で生きていた人々、
年老いて、身体が不自由になってもまだこの街にとどまっている。
あの人達にはここが、終の住処で、
唯一の帰る場所になってるのかも。
定食300円て
用事済んだら、さっさとその場を後にする。
でも、私はこっちより、
観光客いっぱいの横浜は、
何だか私の知らない街みたいです。
うまく言えないけど、
昔はもっと、排他的な雰囲気の地方都市でした。
映画のセットのような街並みが、
少し寂しく、少し懐かしく、
ここに住んでいた頃は私はまだ乳がんじゃなかった。
親も元気だった。
なんてつい思ってしまったり。
時間が経つって残酷です。
思い出すって悲しいです。
私が若い頃遊んだ場所はすっかり変わってしまったなあ、
と思いながら帰って来ました。
まだ親兄弟も、友人もいる横浜だけど、
きっと私の帰る場所はここじゃ
ない。
私は、どこへ、帰るのかな…