一昨日、うちの三毛猫と富士猫が脱走した。
賢い富士猫は容量よく遊んで帰ってくるも、おバカな三毛猫は帰って来ず。
夜中まで呼んで探して、やっと帰って来たと思ったら、肩で息をしていた。
なんだこのやろう。
心配そっちのけで楽しく遊びやがって(*`へ´*)
ってみんなで言ってたけど、様子がおかしい。
30分経っても息が整わない。
その場から動かない。
とりあえず全身チェックするも、とりあえず異常なし。
って言うか汚い。
『?』ってなりながらお風呂に。
洗い終わったらいっつも暴れるのに、大人しくタオルにくるまってる。
やっぱり呼吸がおかしい気がする。
みんなだんだん不安になって、明日病院連れて行こうねって話した。
次の日(昨日)父さんが病院に連れて行ってくれた。
どうやら感染症らしい。
ワクチンを打ってもらって、元気になりますよって言われたとの事。
みんなで一安心した。
今日の朝、母さんたちのベッドで寝てるのチラ見して
「寒くないかな。大丈夫かな」
って思ったけど、遅刻しそうでギリギリの時間だったから撫でずに声だけかけて仕事に行った。
朝から3台口の契約入って、忙しいけど良かったなって思いながら遅い昼ごはんを食べてメールチェックをしたら、時間が止まった。
差出人:父さん
件名:チノ
本文:死んだ。今から埋める。
………は?
眩暈がして、指先が急激に冷えるのがわかった。
何が書いてあるのか、リアルに理解できなくて何回もメールを読み返した。
文章が頭に入らない。どうしても内容が結びつかない。
一文ずつ区切って考えて、やっと意味がわかった。
ひどい絶望感だった。
すぐにでも帰って掘り起こしたかったけど、堪えて仕事した。
接客暦10年ともなると、何も考えてなくても接客ができてくるな、なんて考えながら。
家に帰ったらお線香の匂い。
気を効かせてお父さんがまだ埋めずにいてくれた。
それだけで泣きそうだったのに、箱に横たわる三毛猫を見たらもうダメだった。
思い出が、とかそんなキレイなもんじゃなくて
目の前の状態が嫌だった。
ただただ嫌で泣き続けた。
前に置いてあるお線香を押しのけて、泣きながら撫でてみた。
自分が撫でて動く毛皮を見るたび、「生きてるんじゃないか」「まちがってるんじゃないか」っておもってまた泣いた。
頭に浮かぶことなんて何もないのに、涙は止まらなかった。
本当に嫌だった。
哀しい云々じゃなく、
嫌だった。
いつまで経っても母親がわりの猫の乳吸ってる甘ったれで
こんな急にいなくなるなんて思ってなかった。
もっと歳をとって、おばあさんになったあのこをゆっくり看取っていくのかなって漠然と思い込んでた。
私たちの都合のせいで、子供も産んでないのに。
ちののバカ。
お前は死ぬまでバカ猫だな。
こんな死に方されたら、ありがとうなんて言えないじゃんか。
獲物だけじゃなくて死ぬ時期まで間違えてどうするよ。
お前が死ぬ時はもっともっとありがとうって言うつもりだったのに。
嫌だ。しか思い浮かばない。
目も開いてない子猫のときからずっとうちにいて
チビだったし、ノミがめっちゃいたから、私が『ちの』って名前をつけた。
死のうかなって思った時もバカなちの見てたらちょっと和んだ。
なんだかんだでいじわるしたけど、心の支えだった。
甘ったれだった。
バカだった。
ツンデレで、すぐ甘噛みしてきた。
たまに遊んでやると、手が傷だらけになった。
汲みたての水が好きだった。
高い所に登っては、物を落とした。
カーブで曲がりきれずに、よく壁に突っ込んでた。
すぐ吐く体質で、あっちこっちゲロまみれだった。
体弱くて、子供の頃は病院の常連だった。
やたら金と手間がかかった。
いーとこないなぁ。
でもずっと一緒にいたかったよ。
なんで死んじゃうんだよ。
バカちの。
寂しいじゃんか。
明後日大事な書類の締め切りなのに
全然まとまらないじゃんか。
お前のせいだよ。
バカちの。
脱走しなければ死ななかったのかな。
それともずっと病気だったのかな。
どうすればお前はまだここにいたのかな。
とても冥福を祈るとか、手を合わせるとかできそうにない。
ごめん。
帰ってきてください。