年が明けてから1週間ほどした頃
新年、術後初めての受診日。
肝機能数値低下しているものの、明らかな著変は見受けられず特に異常なし。
この日から、抗がん剤内服薬TS-1服用開始。
体調もすこぶる良好で、食欲は術前よりも1食分の摂取量がはるかに落ちたが、1日5、6食に分けて摂取することによって補っていた。
ただ、薬の服用回数が増えれば増えるほど、日増しに黄色下痢の症状が強くなっていった。
所謂副作用というやつだ。
トイレに行く度に辛そうで、食べたり飲んだりする度に駆け込むようにいってはお腹が減り、空腹で痛み。
たった術後2、3ヶ月で5キロも体重が減った。
そうこうしてるうちに、3月14日定期受診日。
検査の結果、門脈の神経層に再発が見つかった。
とうとう、抗がん剤内服薬での治療が望めなくなり、点滴の抗がん剤治療へ移行することになった。
この時点で、父の恐れていたことが現実となった。
『姉(叔母)は病状が深刻だったから点滴の抗がん剤になった。それでも打てる日と打てない日があったし、それから亡くなるまでそんなに長くなかった。。』
父に不安が襲ってくるのも無理もない。
叔母が治療が始まってから亡くなるまでの状態を、自分の目や耳で鮮明に記憶しているからだ。
ショックのあまり、自宅へ帰ってきてからもしばらく呆然としていた。
自分ひとりだけ、違う世界にいるような
言葉に表せないほどの孤独に陥っていたのだろう。
そんな父を見ていた私達も
何か方法はないか
このまま諦めたくない
そんな強い想いからありとあらゆる治療法を探ろうとしていた矢先
主治医からある提案があった。
【免疫療法】
保険診療外で実費になるが、先進医療で副作用がほとんどない新しい治療法で、他の抗がん剤との併用も可能というもの。
治療費はおよそ180万円~230万円。
前払いで、1度支払うと返金がきかない。
効果は個人差があり万が一効果が表れなくても返金がきかないため、どんな治療にも言えることだが絶対的な保障は出来ない。
上記費用以外にも毎回1万円弱+診察料がかかってくる。
通常は上記の説明もセットで料金がかかるところ
私達家族が前向きに検討するであろうとの判断と初めて聞く治療法だと発言したこともあり
特別に免疫専門医のドクターに連絡してお願いして下さり、専門医よりメリットデメリットを細かいところまで説明してくれた。
ボヤボヤしてられない。
進行するこを考えると
父には時間がない。
少しの可能性を信じて
私達は免疫療法併用を決断し、本人にも伝えた
『やってみようか』
生きることに消極的だった父も前向きになってくれた。
この前向きな気持ちと生きることに喜びを見いだしていることが
なによりも嬉しかった。
ドクターの診断なんか現実にしてたまるか
ドクターが目からウロコ状態になるぐらい
覆してやる!!
何の根拠もなければ医学の知識もあまりないが
心からそう思った。
私達家族と父本人の第2の闘いの始まりだった。