COCO KARAです。
コロナのために家に閉じ籠っている日々に大きな救いが自分の大好きな家に住んでいること。
私はニューヨークでワンベッドルームを購入しました。購入に至るまでに一年以上も物件を見て回り、その間に何人もの不動産屋さんとやり取りしたよ。
その中には良い人もいたけれど、私があまり高い金額の家を探していないと知るや、サッと離れて行った人もいた。一方であまり治安の良くない地域の物件を「全然、安全です!」と押して来た人もいた。
けれど、私が最終的に購入を決め、現在住んでいる部屋を購入することができたのは不動産屋のアレックスさん(Alexandru Galiceanu)によるところが大きい。
ちなみにこちらでは不動産屋さんにはバイヤーブローカー(buyer broker)という買手側につく不動産屋さんと、セラーブローカー(seller broker)という売主側につく不動産屋さんがいます。バイヤーブローカーは不動産の売買が成立した時に、売主から不動産の販売額の何パーセントという形で手数料を取ります。
アレックスと私が初めて会ったきっかけは私が”Street Easy”という住宅の購入や賃貸の情報が載っているサイトで紹介されていた物件を見て、そのページにあった連絡先をポチッとクリックしたこと。
アレックスからすぐに返信のテキストがあって、その翌日物件を見に行ったのが彼との初対面。30代半ばぐらいの白人の背の高い男の人がすごくスタイリッシュなパンツにセーターといういで立ちで物件のあるマンションのロビーで待っていたの。
私は初めは緊張しました。
何しろここニューヨークではアジア人への差別があるし、女性差別もある。私のようにアジア人で若くもない女で、稼ぎも普通みたいな客を相手にしない不動産屋をこれまで何人も見てきたの。もっともそういう人達を恨んではいません。あちらにはあちらの事情があるもんね。
けれどアレックスは初めから熱意があった上に誠実だった。
ニューヨークで育ち、4,000件以上の売買をまとめた経験のある彼は地域の治安や教育レベル、収入レベルにとても詳しかった。それもネットで掴める情報だけでなく、口コミレベルでね。
それに住宅のオーナーたちからの信頼も厚かったから次々に良い物件を見せてくれたの。
広告を見て私がいいと言っても「その物件駅から遠いよ」とか「そこは治安が良くない」とかはっきり言ってくれた。私は自分の目で確かめたかったからそう言われても自分で見に行ったけど、やっぱり彼の言った通りだった。
ニューヨークで不動産を買う、特にCOOPを買うというのは書類の多さや弁護士とのやり取りの煩雑さから一大プロジェクトと言える。
途中で嫌になることもしばしば。そんな私に彼は根気強く、銀行ローンは数社から見積もりを取ること、多く見積もりを取ると一時的にクレジット・スコアが下がるけれど同一月内なら、複数銀行から見積もりを取っても1銀行として勘定されるから大丈夫、等々、こまごまとアドバイスしてくれました。
そしてCOOPに応募する上で必要な情報を私に事細かく教えてくれたの。収入の何パーセントをローンの返済額に充てるのが好ましいとCOOPの理事に思うかとか。(COOPは理事会で承認が得られないと例え銀行の審査が通っても買えないため、理事会に気に入ってもらうことがととても大切です)
そしてCOOPの理事に提出する私の会社の上司や私の友人からの推薦状にまで目を通してくれた。
私がとても気に入った物件に応募した時に、売り主から理由を言われずに断られたこともありました。私は気にしてない風を装っていたけれど、信号待ちで立ち止まった時に彼は私の目をまっすぐ見て言ったのです。
「僕は決めた。僕は何としても君が家を手に入れられるようにする」
私はその時、彼をいい人だと思ったけれど、まだ半信半疑でした。商売だから感じの良いことを言っているのかも、と半分思ってたの。他の不動産屋ともやり取りしてたから、お世辞や良いことを言ってくれる人達をそれまで何人も見て来ていたし。
けれどそれから数日後に通りで偶然アレックスと彼の小さな娘さんが一緒にいるところを見かけて気が変わったの。彼が娘さんに自転車の乗り方を教えていて、その、彼の一所懸命さと娘さんが彼のことを大好きな様子を見て、私はふいにこの二人に幸せになってもらいたい、と思ったのでした。
私が家を買うとこの二人に幾らかでも利益が行くわけで、だから私はアレックスの手助けによって家を買おう、とその時心に決めたのです。
ちょっと断られたぐらいでそれが何よ。私はこれまで頑張って来た。上司に理不尽なことで怒られたり、先輩がしたミスを私のせいにされたこともあった。でも私はずっと文句も言わずやって来た。私、偉い。誰が言わなくても私は私を褒める。
こんなに頑張ってきた私がいくばくかのお金を貯めて、家を欲しいと思ったんだから、大好きな家を買えるに決まってる。買えなかったらおかしいでしょ?
アレックスと出会ってから数か月後、気に入った物件に出会い、理事会の承認も通り、弁護士の同席のもと、私がオーナーになった瞬間、アレックスはお祝いのシャンペンをくれました。ああ、こちらが何かあげたいくらいだったよ。
そして私は決めたのでした。私はこれからもっと金持ちになる。そして今住んでいる家から2件目に買い替える時はまたアレックスにお願いすると。
アレックスの情報は下のStreet Easyのリンクから見えるよ。
https://streeteasy.com/profile/828974-alexandru-galiceanu
Alexandru Galiceanu
ではまた後程!
ニューヨークで家を買うシリーズの過去記事も読んでね。
ニューヨークで家を買う。その3 - ボードメンバーの審査が厳し過ぎた部屋