名勝負の追憶… | 城島充の物書き的日常

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城島充の物書き的日常



いつも御世話になっている先輩から

古いボクシングの映像を見せていただきました。


笠原優選手が、韓国の洪秀煥に挑んだJフェザー級の世界タイトルマッチです。

この試合をテレビ観戦していた記憶があるのですが、

小学生だった僕の脳裡にやきついているのは

スピードで圧倒した笠原選手が攻め込んだかと思うと

洪選手のパンチでダウンを喫し、

それでもすくっと立ち上がって反撃、試合の主導権を握ったかとおもうと

またカウンターをくらって倒される…。


グラスジョー


あごが弱いことを示す言葉を覚えたのは、

この試合のあとだったかさきさったかは忘れましたが、

いつからか、僕の記憶には笠原選手=グラスジョーという

イメージが固まっていました。


いや、しかし、30数年ぶりにこの試合を観てみると…。


確かに、笠原選手は打たれると脆い。

しかし、反撃に転じる姿にダメージは感じられないのです。



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結局、5度のダウンを喫した笠原選手は判定負けで

世界に届きませんでした。


アマエリートから無敗の進撃をつづけての

世界初挑戦。

敗れましたが、ボクシング史に残る好試合でした。


そして…。


少年時代の僕は当然、笠原選手を応援していたので

攻めては倒され…の記憶がすべてだったのですが、

今、みると、チャンピオンの洪選手のボクシングにも目をひかれます。


ボクシングはスピードと技術が重要ですが、

それだけを争う競技ではない。


この前の試合で4度のダウンをはねかえして

世界王者になった洪選手の勝負強さが

新しい記憶として刻まれました。


一瞬のすきをつく勝負強さ