Number最新号 水谷隼、覚悟の告発… | 城島充の物書き的日常

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城島充の物書き的日常



今日発売のNumberで

卓球の水谷隼選手の原稿を書いています。

すでに新聞などでも記事になっていますが、

世界の卓球界で問題になりつつある

補助剤を使用した違法ラバーについての

思いを語ってもらいました。



城島充の物書き的日常



国際卓球連盟は明確に後加工を禁じているので

公認されたラバーに補助剤を塗るのはルール違反なのですが、

現在、世界のトップ選手の多くがそうした

違法ラバーを使用していることは

卓球界ではすいぶん前から指摘されていました。


ルールを守っている日本選手から

これまでも何度か直接、補助剤の問題について聞いたことがありました。

今回、国際大会出場をキャンセルしてまで

この問題を提起した水谷選手の勇気と決断を

1人でも多くの人に理解してほしいと思っています。


そのやり方に批判もあるかもしれませんが、

水谷選手が訴えているのは、

シンプルなことなんです。




城島充の物書き的日常



卓球をやめる前に、

一度でもいいから

補助剤なしのフェアな

条件で世界の頂点を

争ってみたい…。


メダルを獲れなかった言い訳にしている―という

声もあるかもしれませんが、

水谷選手がこの問題を提起したのは

ずっと以前からです。


彼の卓球を初めて見たとき、

その才能に驚きました。

卓球を知らない人に

たった一つのプレーで

卓球の魅力を

伝えられる世界でも稀有なプレイヤーだと思います。


その才能と、積み重ねてきた努力、

犠牲にしてきた日々を思うと、

一刻も早く

フェアな状態で世界の頂点が争われるべきです。


当たり前のことなのですが、

それが守られていない現実に

スポーツの周辺にいる僕たちはどうすればいいのか。


今回のNumberの原稿はその自問に対して

僕自身ができる範囲で動いた第一歩です。


卓球というスポーツに関して言えば、

拙著「ピンポンさん」で描いた

故・荻村伊智朗さんが残した壮絶な生き様が

僕の原点です。


もし、荻村さんがいたら、

こんな状態を放置しておくことはないでしょう。


卓球というスポーツを音楽や絵画のような

芸術の域まで高めたい―。


そう願い続けた荻村さんの

遺志を継ぐことを許されたのが

水谷選手やとも思っています。