｢AKB劇場に初めて入るならどの公演がいいの？｣
私が軽い気持ちで発したこの質問から、すべては始まった。
私はアイドルが好きだ。
小学生の頃はモー娘。が好きでお母さんにお願いしてハロコンに行っていた。人生初の推しメンは矢口真里さん。まりっぺ推しのおじさんたちから可愛がってもらってすくすく育った。
中学からはロックやパンクにハマり、バンドのライブに狂ったように行っていた。ほぼ毎日どこかしらのライブハウスで、汗かいて拳をあげていた。
大人になってからはももクロ、BiS、GALETTe*、ピオピ…あの頃聞いていたバンドマンたちが最近ではアイドルに曲を提供してるということもあって、私はまたもやアイドルにハマった。
4年前に最愛の推しメンも卒業してしまい、オタクとしての老後生活を送るなかで、私の今1番の楽しみはオタクとの飲酒活動だった。
いつもの仲間ともんじゃを食べながら、ふと思いついたことを聞いた。
｢AKB劇場に初めて入るならどの公演がいいの？｣
オタクたちの目が変わった。
｢ドル明け｣｢サムネイル｣｢逆上がり｣…よく分からない単語を並べ、運営側なのかと思うくらいの熱で私に劇場公演の話をし続けた。
そして最後に｢劇場に入るからには絶対に幸せにしたい｣｢幸せになってほしい｣｢必ず幸せにする｣と言った。
新手の宗教だと思った。
私はとんでもないことを聞いてしまったのかもしれない。
それからオタクくんたちによる英才教育が始まった。劇場公演の映像を見せてくれると言って集まった。正直私は今までよく知らないグループのライブ映像を見るのが苦手だった。メンバーのことも曲もよく知らないのに楽しめるのか…
めちゃめちゃ楽しめた。
映像を見ていて、私は思わず立ち上がって大きな声を出してしまった。
写真では｢可愛いな｣くらいだったけれど、動いてる山内瑞葵ちゃんの可愛さに、私は完全にヤラれてしまった。目がキラキラしていて、アイドルとしてのオーラがあって、ダンスも上手くて、ちょっとハスキーボイスなところも良くて…
それからもアケハラを受け続けて、私はいつしか立派なアケカス研究生になってしまった。数年ぶりにTIFに行くことも決まった。
そして私は思った。TIFまでに劇場公演に入りたい。いや、山内瑞葵ちゃんのいる劇場公演に入りたい…！
アケカスの師匠から劇場情報を共有してもらい、ついにAKB劇場に行くことになった。
当日。あまりの緊張にえづきながら秋葉原に向かった。
幕が上がった瞬間、0ズレに山内瑞葵ちゃんがいた。確かにそこにいた。
｢その汗は嘘をつかない｣でとんでもないレスをいただいてしまってから、あっという間だった。
夢見てるみたいだった。
生の山内瑞葵ちゃんは本当にキラキラしていて、姿勢も良くて、髪1本1本も輝いてて、表情の幅もたくさんあって、アイドルになるために産まれてきた子なんだなと思った。ご両親にも感謝したい。
田口さんも汗かきながら踊る姿が良すぎたし、蘭ちゃんもにこにこ可愛かった、大西さんは顔力(ヂカラ)がエグかった。あとひななちゃんめちゃめちゃ良い奴そう。組織には必要な人材なんだろうなと思った。
街角のパーティーの楽しさもハンパなかった。毎日聞きたい。生で聞くTo be continued.もあまりにもいい曲すぎて危うく泣くところだった。
この子たちの笑顔を守りたいと思った。日本が明るく平和でいてほしいとも思った。
そして、お見送り会。
お見送り会なんてアイルネ以来だったから吐きそうになるくらい緊張した。みなさんあまりにも美しすぎて何も出来ず新入社員くらいぺこぺこしてしまった。
山内瑞葵ちゃんのおだんごの可愛さを伝えるためにおだんごポーズをしてみたら、めちゃめちゃ指ハートしてくれてから記憶が飛んでしまい、
気が付いたら新時代でメガハイボールを飲んでいた。
池袋のとあるリリイベに行っていたいつもの仲間たちが｢2022年に初めてAKB劇場に入ったオタクの話を聞きたい｣とわざわざ集まってくれた。
私はさっきまで見ていた夢の話をした。
みんな｢いい話だ｣｢幸せになってくれてよかった｣と一緒に喜んでくれた。
2022年にAKBを好きになること、今更だって笑う人もいるかもしれない。でも"好き"に早いも遅いもない。今までいろいろなアイドルを好きになってきた今だからこそ、私は今のAKB48を好きになれた。
これからもきっと私はAKB劇場に入るだろう。そして劇場を出たらいつもの仲間たちと乾杯を交わしながら、"好き"を語るんだ。そんな人生、あまりにも最高だ。
最後に、一言だけ言わせてほしい。
AKB48ﾝ゛ザイ゛ゴォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！