「もっと見る」「次のページ」は危険な広告バナーです。今回はフラットフォーマーや関係機関の対応を遅らせるために週末のタイミングで広告出稿をしてきました。これらもWebコンテンツ中にこれらのバナーを表示させて次のページへ遷移するリンクと誤認させてクリックさせることを狙っています。私が観測したケースでは広告の誘導先としてco.ukドメインに不自然なWebサイトがホストされていました。コンテンツが6ページのみで商品の紹介がないなど不審な点が多々ありました。表面的にコンテンツを用意して、多言語対応やCDNなどを悪用して審査を抜けている模様です。
この種の誤認を狙うバナーの手口としてはかなり古くからあり、フリーソフトを紹介すると偽の「ダウンロードボタン」を表示する手法が横行しています。有償の製品ソフトウェアと違ってその製品広告が付きにくいためです。この場合にはマルウェアをダウンロードさせられてランサムウェアに感染したりと被害が出ています。アプリストアからのインストールが一般化しているとはいえ騙される人がいます。
ダウンロードから閲覧させることに目的が変わっていること、広告を打ってまで誘導しようとしているということは何かあると考える見るべきです。つまり、ファイルをダウンロードしたり、実行しなくても被害にあう恐れがあることが考えられます。例えば他のサイトへのDoS攻撃や広告詐欺の一つであるアドフラウドに加担させられることもあります。また、最新ではないバージョンのブラウザにある脆弱性によって閲覧するだけで資格情報を盗られたり、情報漏洩のリスクがあります。
「ダウンロード」よりも「次のページ」のほうが操作への心理的なハードルが低いと推測されるため、今後は被害が拡大する恐れがあります。
Web閲覧であってもクリックする前にしっかり確認が必要です。
不審な広告バナーを不用意にクリックしないように気を付けましょう。
参照先のページで、アカウント登録やeメールアドレスの入力を求められてそれに応じると、無数のスパムメールが送りつけられたり、フィッシング詐欺に遭いやすくなります。アカウント登録の際に他のサービスと同じeメールアドレスとパスワードの使いまわしをしていると不正利用される恐れもあります。
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