サポート詐欺の仕組みを調査したら意外に多くの技術が総動員されていた(3) | 特選街情報 NX-Station Blog

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サポート詐欺の仕組みを調査したら意外に多くの技術が総動員されていた(2023年5月1日) 、サポート詐欺の仕組みを調査したら意外に多くの技術が総動員されていた(2)(2023年5月18日)のその後に変化があったので、さらに追加の記事です。

 

 

Google、Microsoftともに動きがありました。

Google Adsの方は以前に「サポート詐欺ページの中継先へ誘導していた広告」は出稿者が配信を停止したものも含めてごっそり削除されており、AdSense管理画面で個別にブロックしなくても配信できなくなったようです。同じ広告は検出・ブロックできるようになったようですが、Google広告アカウントを変えて広告バナーの画像を差し替え、別のクリエイティブIDでの広告出稿をまだ続けている模様です。私はいくつか新広告が出ていることを確認しました。ちなみに私は広告管理画面では目視チェックもしているのでAI審査では逃したものも見つけることが可能です。

 

Microsoftの方はMicrosoft Defender SmartScreenを有効にしている状態でブラウザのEdgeを使って該当の中継先へアクセスすると、「このサイトは安全ではないサイトとして報告されています」と表示されるようになっていました。以前は表示されないこともあったのですが対応はかなり早くなってきていて、上に書いた新広告のURLについても警告表示されました。

 

 

インターネット広告は商品やサービスを効果的に宣伝することが可能で、広告費を効率化するために地域や年齢、性別といったターゲットを絞って表示することが一般的です。広告は表示されるイメージも内容もこだわりがあり、購入や申込を誘引するためのメッセージが読み取れ、そして企業名やブランドをしっかりと印象付けるような作りになっています。その点でサポート詐欺へ誘導している広告には違和感を感じています。

 

広告は基本的に商品・サービスを提供して対価としてお金を得るものです。例えば、「年金受給者への追加支払い」「年金の加算金」「海産物の危険性」「ニュースとアドバイス」「福島の空が光る」などといった広告はおかしいなと感じないと、今後も詐欺にあう可能性があるのではないでしょうか。

 

今までもそうであったように詐欺の犯人側にも審査で見つからないように新たな回避をしてくることが予想されます。

PCの脆弱性対策としてOS、ブラウザなどのアプリのアップデートを随時行うこと、「サポート詐欺」というものの存在を周知して電話を掛けると危険であること、特に身近な高齢者には変なところは押さない(クリック、タッチは危険)と教えてあげてください。

 

サポート詐欺にあわないために

政府、行政が動くまでは日数がかかるので自分たちの身は自身で守る、被害に遭わないようにすることが大切です。連絡する前に身近な人にも相談する、「突然画面に表示された番号へ電話を掛けない」、「電子マネーやプリペイドカードは見せない、渡さない」ことを共有してほしいと思います。

 

そして偽の警告画面に表示される「Microsoft Officeサポートセンター」や「Microsoft Windowsサポートセンター」の050から始まる電話番号を提供していた楽天モバイルサービス IP-Phone SMART 「SMARTalk」にも動きがありました。基本料0円・着信通話無料のIP電話サービスで、本人確認がないためにサポート詐欺の犯行に利用されている通信サービスです。ようやく本人確認および利用停止についての約款が2023年6月1日より規定されることになっています。

 

【特定IPデータ通信網サービス契約約款】契約者の本人確認および利用停止について変更のお知らせ [楽天モバイルサービス SMARTalk]