カシオのデジタルカメラ CASIO EXILIM EX-S10のバッテリーパックを交換しました。純正バッテリーの型番は「NP-60」、仕様はリチウムイオン 3.7V、720mAhです。互換バッテリーをアマゾンで探したところいくつか見つかりました。NinoLite FOR CNP-60 3.7V 750mAh 2.8Wh Li-ion BATTERY という商品が電池の仕様も形状も近いことを確認して注文しました。
届いた電池は紙箱入りで、小さいビニール袋に入れられていました。
EX-S12 EX-S10 EX-Z90 EX-Z80 対応であることが商品の説明にもあり、純正バッテリーと同サイズ、突起部分も同じ形をしているので、カメラに問題なく装着できました。カシオ純正のバッテリーチャージャーでの充電も普通にできたのでEX-S10がデジカメとして再び使えるようになりました。
購入した電池はこちらです。
純正バッテリーパック「NP-60」は販売店の店頭からも姿を消していて、未使用品の入手が困難になっているので互換バッテリーに助けられました。
EX-S10は2008年発売で1000万画素の液晶画面が付いたデジタルカメラとしては当時、世界最薄・最軽量でした。カメラのメカ、バッテリーの品質はとても良かったと思います。何せ、10数年間も1個のバッテリーでブログ用カメラとしての役目の後、予備カメラとして維持できたので超コストパフォーマンスが良かったです。
このカメラを買った顛末は「デジカメを買い替え」(2009年5月24日)の記事に書いてありました。超満員電車で圧されて壊れてしまったEX-S600の代替として購入したものでした。EX-S10は私の相棒でした。デジタル一眼とスマホのカメラに役目を引き継ぐまでの間、ブログに載せたたくさん写真を撮影した思い入れのあるカメラです。
少しノスタルジックな話をしようと思います。
ちなみにカシオのデジタルカメラQV-10とそのあとに続いたEXILIMシリーズは世界を変えた商品の一つです。今はスマホでなんでも撮影して、自撮りも当たり前になったのですが液晶画面を搭載したデジカメを個人で買えるようになるまでは写真のネガフィルムを現像するまでどのように撮れたかわからない、フィルムや現像、印画紙代もかかるので気合を入れて撮影しないといけない代物でした。
1995年にQV-10が発売されて、大ヒットとなりました。ほかのメーカーもデジタルカメラに参入してコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)の市場が盛り上がったのでした。カメラを趣味としない人までも写真撮影の楽しさに触れて、ホームページに載せるといった習慣ができました。日常的に特にWindows 95やインターネットを使い始めた時代にマッチした商品だったと思います。フィルムに比べて出始めのデジカメは画素数が劣っていたのでポスターのような大判には使えなかったのですが、CMOSセンサーの開発競争がすさまじくハイペースで高画素化が進みました。プロユースの多かった一眼レフカメラもフィルムからデジタルへ移行し、今ではプロも当然のようにデジカメ(デジタル一眼)を使います。
私もデジカメを使うようになってからアキバの風景を撮影したり、気になった商品を撮影したりと活用を始めました。個人ホームページ作りや今のブログに続いています。最初手にしたカメラは数十万画素しか解像度がなかったので、今のPCやスマホの画面(フルHD以上が当たり前)の再生環境だと小さく表示しかできないので現在は掲載しにくいです。それに加えてメモリカードやPCのHDD容量に限りがあったので不要な写真データは削除していたことも関係しています。私に限らずインターネット上に古い写真が少ないのは同様の事情があったからだと思います。
2000年代のデジカメは携帯電話のカメラと競合し始めて光学ズームや連写といった高性能化が進展し、2010年代にはほぼ今と変わらない画素数に到達しました。それと並行してiPhoneやAndroidスマホのカメラもデジカメかそれ以上の画素数に到達し、アプリの進歩で画像処理とSNS投稿ができるようになっています。こうして一般人にとって2020年代は単体のコンデジは不要になりました。さらにスマホでインスタ、ツイッターやユーチューブなどへ個人で動画投稿を簡単にできるようになりました。ただスマホで撮影した写真は、美肌処理やハイコントラストに調整されていてどれも同じように見えます。EX-S10やEX-S600の写真は素朴でありのままという感じがして好きです。
少しだけビジネス的な話もしておくと、2018年にカシオがデジタルカメラから撤退すると発表した時には業界にかなりの衝撃が走ったのを思い出しました。売り上げ規模からするとそれほど大きくはない赤字ですが、将来を見込めないとしての撤退判断でした。5年たった今、答え合わせをすると的確な経営判断だったと思います。デジカメ生産から23年ということはまだ社内に開発者が現役でいるのではないでしょうか? そのような状況で市場を切り開いた業績、成功体験を捨てるというのはとても大変だったはずです。
関連リンク:
約5年ぶりとなる新しいお知らせ「デジタルカメラのアフターサービス (修理対応) について」が2023年3月1日に掲載されました。来月末にはいよいよメーカー修理が終わってしまいます。
弊社デジタルカメラをご愛用いただき誠にありがとうございます。
デジタルカメラは一部の機種を除き補修用性能部品の保有期間が終了しており、補修用性能部品を必要とする修理については受付を終了しております。また、修理を受付している一部の機種におきましても、2023年6月30日をもちまして修理受付終了とさせていただきます。
なお、防水パッキン交換や充電池交換が必要な一部機種につきましては、 部品の在庫限り対応継続させていただきます。
http://arch.casio.jp/dc/products/ex_s10/
・EXILIM EX-S600 レビュー・評価 [価格.com]
https://review.kakaku.com/review/00500410914/
・EXILIM CARD EX-S10 レビュー・評価 [価格.com]
https://review.kakaku.com/review/00500411236/
・【実写速報】カシオ「EXILIM CARD EX-S10」
~厚さ15mmの1,000万画素コンパクト [デジカメWatch]
https://dc.watch.impress.co.jp/cda/review/2008/03/06/8074.html
・カシオ「デジカメ撤退」を決めたとどめの一撃
中国の看板製品もスマホに客を奪われた [東洋経済]
https://toyokeizai.net/articles/-/220541