仕事術 億劫になる仕事は人それぞれ | 特選街情報 NX-Station Blog

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本日の仕事術は 億劫になる仕事は人それぞれ をお届けします。

 

日本人の仕事に対する意識の低さが数年前から話題になっていますが、これが経済の長期低迷の負のスパイラルの原因だと私も思います。とにかく仕事に対する満足度や愛社精神は異常に低いです。仕事の実績を記録する仕組みがなかったり、成果主義と言いながら個人の頑張りが認められにくく、そもそも評価尺度が不透明です。こうした中では周囲によい影響を与える人材として見てもらうために出社してとりあえずやっている感を出して忙しそうに働いて辛い感じを出すのが仕事だというのが共通認識になっているようです。

 

年収を上げたいと考えている人は多いのですが、社員の出世意欲も総じて低いです。それは評価尺度が不透明でモチベーションが上がらないことも関係しているはずです。組織としてはポストに誰かをつけなければならない訳で、出世には人事権を持つ人と仲良しかどうかが重要な要素になります。ですから新入社員の気がかりな事項が「配属ガチャ」「上司ガチャ」だったりします。

 

 

ビデオ会議

 

「配属ガチャ」「上司ガチャ」の心配を緩和してくれるものして期待されているのがジョブ型です。きちんと制度を運用すれば適材適所に配置できるはずです。職務定義通りであれば不本意な仕事をしなくて済むという期待感と目標管理制度による評価がなくなれば上司と馬が合わない不幸を避けられると思われているからでしょう。

 

上司や人事部門からすると評価はストレスです。差をつければつけたで恨みを買いますし、特定の部下に低評価をつけると指導力、育成能力が疑われることになりかねないので低評価もしたくありません。突出した顕著な業績が数値化されるのであればいいのですが、数値化しにくい仕事振りで高評価をつけるのも見誤るリスクがあります。

 

億劫になる仕事は人それぞれなので、自分にとって容易い仕事でも他人はそうではないかもしれません。自分がやりたくないと感じている仕事を上手に素早く片付けてしまう人もいるのを実感したことがあると思います。反面、職場には同質化、同調圧力があるので大変なフリをしている人もいるかもしれません。

 

方法が決まっている仕事≒作業(ルーチンワーク)が得意という人が多いのですが、機械も得意なので低評価、低賃金になりやすい仕事です。そうなると上を目指している人は決まっていない仕事に活路を見出すわけですが、その仕事を完遂するには方法を決めて作業レベルにしなければ人を動かせません。決めるためには関係者と会議をすることになりますが、その相手は決まったことだけ作業レベルの仕事をしていたい人になります。仕事をやらせる側は低コストでたくさんの作業をさせたい、やらされる側は現状維持でいいから新しい仕事を増やされたくないという意識です。この両者の間には大きな溝があります。経営陣が人的コストが増えることに対して柔軟であれば解決の選択肢が増えます。人的コストを増やしたくない場合には期間契約の要員を雇止めして新しい人に今までの作業に加えて新しい作業もやらせなければなりません。新しい人が無尽蔵にいるわけではないので都合のいい人が見つからずに人手不足ということになります。

 

その人手不足に対して、正社員、特に中間管理職に対応させるケースが増えています。名ばかり管理職で残業代を出さずに働かせてきました。日本では割に合わないからといって転職する人が少ないからです。日本の労働環境はどの世代もつらいといわれていてバブル期、就職氷河期それぞれの世代の事情で転職に動けないでいます。バブル期世代は転職すると年収が下がるケースが多いです。就職氷河期世代は就活で多くの不採用経験を持ち、転職活動をしたくないという気持ちと今まで職場で冷遇されてきたのでもっと酷い転職先に転職してしまうかもしれないという不安があると思います。

 

それでも会社や社会への貢献をやりがいとして感じて横並びの賃金で安心し、低賃金で長時間働く人がいるおかげで日本の労働市場は維持されています。コロナ禍を経て今の報酬ではやっていられないと米国では大量離職時代(Great Resignation)が到来し、高報酬を提示してつなぎ止めをしたり、自動化を進めるための設備投資が増えました。

 

解決策としては新しい仕事を増やして報酬も上げる、得意な仕事を割り当てしてモチベーションを高める、人手を減らす自動化を進めるといった方法が考えられます。

 

ところで、ジョブ型人事制度が問題を解決できるかというとそうではないと思います。

私は古い体質の企業に取り入れられたジョブ型の人事制度には期待できないと感じています。研究はあらかじめジョブを詳細に定義することができない、利益に貢献するまでの道のりが長い、文系中心の経営陣には価値を理解されずに成果がアピールしずらいです。そのため短期間で評価を上げにくいです。つまり研究開発職はキャリアとしてハイリスクです。

 

方法が決まっていない仕事として経営職やコンサルへ高い報酬を出しているなら、研究開発職にも高い報酬を出さないと競合に研究開発の人材が流れてしまい技術力が低下して将来挽回できなくなります。

 

仕事術 億劫になる仕事は人それぞれ でした。