本日の仕事術は 株式会社の社員は誰のために働くのが最適なのか考えて仕事をすると自然と評価される をお届けします。
株式会社は株主が会社の所有者です。上場している株式会社では株式の発行数が多く、1株当たりの割合としては僅かになるので株式を買い付けた人は所有権のごくわずかを持っていることになります。株主は通常100株に対して1個の議決権を持っていて、次に挙げる株主の権利を行使できます。
株主の3大権利
議決権:株主総会に参加して議決に加わる権利
利益配当請求権:配当金などの利益分配を受け取る権利
残余財産分配請求権:会社の解散などに際しては、残った会社の資産を分配して受け取る権利
株主総会で賛成/反対の投票をしたり、議案を提出したりといったことや利益を配当金として受け取る権利があります。株主は株式の売買で利益を得るキャピタルゲイン、所有している株式の配当金や株主優待を受け取ることによる利益を得るインカムゲインの2つを目的としています。
このキャピタルゲインとインカムゲインを指標化したものの一つに株主総利回りがあります。株価が上がっていて、配当が多い会社が当然評価されます。株主総利回り(TSR:トータルシェアホルダーリターン)とは、株式投資により得られた収益(配当とキャピタルゲイン)を投資額(株価)で割った比率です。内閣府令で有価証券報告書に記載するように定められていて、5事業年度で算出します。
例えば100万円で買った銘柄の値上りが20%で、配当金が3%=3万円×5のときに100万円の投資で135万円が得られるのでTSRは135%です。
説明資料 企業情報の開示の充実に向けた取組み [金融庁]
https://www.fsa.go.jp/policy/kaiji/01.pdf
P.47
株主総利回り計算方法 Excelファイル [金融庁]
https://www.fsa.go.jp/policy/kaiji/tsr.xlsx
創業者で大株主兼経営者であればそのまま自分の資産と評価に直結しますし、所有と経営が分離された会社でも経営者の評価尺度となりえます。そうなると、経営者は事業年度末の株価対策と安定配当に力を入れることになります。年度末に向けて株価対策として将来有望な技術開発の研究成果を発表したり、業務提携したりといった広報を打つ、あるいは自社株買いをするといった直接的な手段を取ります。半面、不祥事・不正は株価にマイナスなので当然かかわった社員の評価も下がります。
会社の評価を上げて、株価を上げるのに投入コストの割に効果が高いのが広報です。新商品の開発のような広報は開発コストがかかりますし期間も長くなるので、狙うのは低コストで即効性があるのはコンテスト受賞です。総務省 総務大臣賞の受賞、内閣府 日本オープンイノベーション大賞を受賞、環境省 環境コミュニケーション大賞の受賞、経済産業省「DX認定取得事業者」に認定、特許庁 「知財功労賞」の受賞、スポーツ庁 「スポーツエールカンパニー」として認定といったところがニュースバリューがあります。
受賞するには新規性、話題性があって政策と合致していることなどがありますが大企業でないと国の賞は取れないということはありません。中小企業振興やベンチャー企業の創業・育成があるので選ばれるチャンスがあります。普段の業務に追われるだけでは仕事ぶりは評価されないので、目立つ実績、アピールしやすいコンテスト受賞はねらい目です。すぐに受賞できなくてもチームをリードしてコンテストへ応募する姿勢はプラスになるでしょう。自分の立場、業務につながっていて狙えるところのコンテストを調べて、取り組みをして応募します。
上場企業では広報手段として、取引所の適時開示情報サービスを使う方法もありますが虚偽や誇大な内容を開示すると信頼を失います。中の人がSNSで活動したり、プレスリリース配信サービスやインフルエンサーを使ったマーケティングに関してもルールを守って活用しないと問題になります。勝手に社員が動いて問題を起こすことのないように組織として社外発表のフローを作る必要があります。
以上、仕事術 株式会社の社員は誰のために働くのが最適なのか考えて仕事をすると自然と評価される でした。