仕事術 やる気を必要としない仕組み作り | 特選街情報 NX-Station Blog

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本日の仕事術は やる気を必要としない仕組み作り についてお届けします。

 

アメリカでは一般労働者に大退職(Great Resignation)と呼ばれる社会現象が起きていて実際に記録的な数の退職者が出ていて、復職しないために人手不足に伴う報酬の上昇が観測されています。経営者はより高い給料を出して離職を防止しようとして、商品・サービスへの価格転嫁が進んで物価が急上昇しています。退職しなかった一般労働者の働き方の意識にも大きな変化が訪れて「静かな退職(quiet quitting)」という言葉で表現される実際の退職とは違い、会社は辞めないけど仕事を自分の人生の重点・最優先にはしないという考えです。定時間内に最低限の仕事をしたら、後は自分のための時間にあてようという考え方です。ライフワークバランスとして長時間残業を避けるようになりましたが、自己研鑽や有志の勉強会としてグレーな時間外労働で会社に貢献させようという動きもあるのでそれからも逃れようとしているのかもしれません。

 

一方、日本ではかなり前から熱意あふれる社員の比率は世界最低レベル※です。積極性はなくなっており、仕事への熱意が低い状態が通常化して、そのために遣らせるための管理、報告、会議が増加しています。そのことで、エンゲージメントはさらに低下しています。低い生産性、低い報酬の悪循環です。
※米ギャラップ社が、世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)を調査したもの。

 

 

やる気に燃える人

 

私は失われた30年でバブル崩壊後の右肩下がりの企業業績となり、上意下達で上位・上層の命令や言辞を下位・下層へと伝えて、意思の疎通を図る方法が通用しなくなっていると感じています。右肩上がりで売り上げ・組織が拡大しているときにはうまく行っているので指示もよく聞きますし、結果も出ます。そしてポストもたくさんあり、報酬も上がります。逆に右肩下がりで低迷し、大きな赤字を出しても経営責任を取らない経営陣、管理職の下では、異を唱えるよりも面従腹背でその場・その時が過ぎ去るのを待つようになります。何十年にわたって組織的に品質検査でデータ改ざんというと社風や伝統となっていると思います。下請けいじめやパワハラも同じ要因で起きていると思います。

 

上意下達(トップダウン)から下意上達(ボトムアップ)へ正反対に変えることは経営陣や役職者に都合が悪いので、自律型組織へ変えようとして苦しんでいるのが社歴が長い日本企業です。中期計画や改革、役員と社員の対話イベント、従業員サーベイなどを通じてコミュニケーションを図っているように見えますが、企画部門や人事部門の施策(打ち手)がわざとらしいと白けるだけでなく、従業員の自己肯定感が低下します。


明確な経営目標を定めにくい不確定な時代になり、目標管理も苦しくなっています。形だけの目標管理で、上手に文章で表現して目標を達成したところで頑張りを認められても得られる報酬の差は僅かです。利益が増大しているなら報酬に直結できますが、利益がない中では多少の差をつけることぐらいしかできません。企業が成長していない状態でのキャリア形成、自己成長を考えた時に、社内政治に注力して有力者と仲良しグループ入る、売上や利益で測れない成果をアピールする、仕事以外の道に比重を置くといったことでそれぞれの自己実現を考えることになるわけです。

 

やる気を必要としない仕組みとして、ジョブ型雇用で報酬を年功型から職能型へ切り替えて一定水準の仕事をこなすようにさせることがあります。ジョブ型雇用だとスキル不足で解雇しやすいので日本も欧米のように雇用が流動化していくでしょう。そして今まで新卒採用の総合職として将来は役員にも成れるかもしれないといった形でされていましたが、それは同期入社社員同士の切磋琢磨とやる気に期待している制度でした。新卒一括採用型/メンバーシップ型雇用は数年でかなり減ると思います。

 

入社時点で年収1000万円のような制度を導入した会社は将来の役員候補の人材として扱い、強いプレッシャーがかけられます。期待に応えられなければ降格、退職となるような方向になっていくでしょうから周りで働く人も大変です。

 

新型コロナのパンデミックを経験して、完全テレワーク可能なお仕事も増えてきましたが多くの企業では出社に戻りました。完全テレワークの企業の方が仕事のデジタル化が進んでいるのでいざとなると従業員は解雇される可能性が高いです。ITスキルがあるからと安心はできないのです。仕組みがすべてデジタル化された状態では従業員の仕事の進め方をすべて記録することができるので、監視されていて嫌だとか言うだけでなく、自動化されてコンピュータに代替されます。

 

例えば、自動音声応答も進化していて問合せの応対ができるレベルになっています。プッシュボタンで回答のような従来のタイプではなく自然会話可能です。コンピューターは電話オペレーターの対応を学習して応対するので、オペレーターを大量採用する必要はなくなります。

 

AI、コンピューターへ代替するのが難しいとされていたアート分野に関しても、人が入力した文字列からイラストイメージが自動生成されるようになりました。そう遠くない時期にすべて自動生成したアニメ番組や映画作られるようになると思います。

 

人をほとんど雇用せずにコンピューターによってあらゆる事業活動をすることが可能になると予想しています。その時には個人のやる気は必要としないでしょう。

 

以上、仕事術 やる気を必要としない仕組み作り でした。