Windows11でAndroidアプリが動く「Amazonアプリストア」プレビュー版と展望 | 特選街情報 NX-Station Blog

特選街情報 NX-Station Blog

特選街情報 NX-Station Blogは30年以上の製品選定の経験に基いてパソコン、デジモノ、家電の購入の経験、そのほか日々の記録のブログです。製品についての所感、評価、クーポン&特価情報やスペックの比較をしています。

 日本国内のWindows 11 Insider Preview向けに、8月18日よりAndroidアプリを利用可能にするAmazonアプリストアのプレビューを展開しています。AmazonアプリストアベースでAndroidアプリが動作することについて、Windows 11の発表時には話題になったものの米国に限られていたため、ついにというか、ようやくというか、やっと日本向けにもリリースされるのだなというのが私の感想です。

 

Amazonアプリストア

 

Expanding Android Apps on Windows 11 to Windows Insiders in Japan

 

 

要件:

Windows 11 (バージョン22H2)

 ※この記事では、Windows 11 Pro Insider Preview、OSビルド25182.1010を使用しています。
Microsoftストアアプリ 22206.1401.6以降

 

概要:

 Windows 11のWindows アプリストア上にある「Amazonアプリストア」Appをインストールすることで、Windows上でAndroidベースのアプリが動作する仮想環境Windows Subsystem for Android(WSA)が構築されます。WSAではAmazonアプリストアを介して、Amazonアプリストアで提供されているアプリをインストールして利用できます。
旧URL https://apps.microsoft.com/store/detail/amazon-appstore/9NJHK44TTKSX

 

Windows 11のAmazonアプリストア よくある質問(FAQ)
https://developer.amazon.com/ja/apps-and-games/appstore-on-windows-11 より引用

Q:Windows 11 OS上で、Androidアプリはどのように実行されますか?
A:MicrosoftがリリースしたAndroid™用Windowsサブシステム(WSA)により、Amazonアプリストアとそのカタログは利用可能となります。WSAは、Linuxカーネルと、Androidオープンソースプロジェクト(AOSP)バージョン11ベースのAndroid OSで構成されており、Microsoft StoreからAmazonアプリストアをインストールすると自動的にインストールされます。WSAは、Linux用Windowsサブシステムと同様、Hyper-V仮想マシンで実行され、AOSP環境のアプリのランタイムとAPIをWindowsグラフィックレイヤー、メモリバッファー、入力モード、物理デバイスと仮想デバイス、センサーにマッピングします。

 

「Amazonアプリストア」Appの動作要件は以下のようになっています。
第8世代のCPUと8GB以上のメモリが必要です。

 

Windows 11 の機能固有の要件

 

 

(パブリック プレビューの要件)
Windows Subsystem for Android
Amazon アプリストア プレビューで利用可能なアプリ。8 GB の RAM、サポートされているプロセッサ (Intel Core i3 第 8 世代、AMD Ryzen 3000、Snapdragon 8c 以上) など、追加の要件が適用されます。

 

 手元のWindows 11で試したところ、第8世代より前のCPUを搭載したPCでは、Windows 11 Insider Previewの最新Windows アプリストアでも「Amazonアプリストア」は表示されず、検索にもヒットしませんでした。

 直接「Amazonアプリストア」appのダウンロードページにアクセスした場合には、「お使いのプロセッサは、この製品ではサポートされていません。」と表示され、インストールボタンは無効状態(グレーアウト)でした。

 


 PCではHyper-V仮想コンピュータを動作させたうえでLinuxベースのOSとAmazonアプリストアappを動作させ、その仮想上でappを動作させます。この仕組みがハードウェアの要件を引き上げています。

 Windows 11の最新版にしたり、PCのハードウェアを強化するよりも、純粋にappを楽しむならAmazon Fireタブレットを使った方がよいと思えます。

 

 

Amazonアプリストアアプリの説明には次のようなことが書かれています。

Amazon アプリストア プレビューを使用すると、増え続けるモバイル アプリやゲームのカタログに、Windows 11 コンピューターまたはタブレットで簡単にアクセスできます。ゲーム、教育アプリ、子供向けアプリを PC から直接お楽しみください。今すぐ Amazon アプリストア プレビューをダウンロードして、探索を始めましょう!

 

 いわゆるAndroidアプリが動作するといっても、Androidアプリの入手先として標準的で最大規模を誇るGoogle Playストアからアプリを入手するのではなく、Amazonアプリストアから入手するのがとてもネックです。 アプリ開発技術者であればAndroidアプリが動くという話をアプリのアーキテクチャがAndroid向けだとか、開発環境としてAndroid Studioだとか、アプリパッケージ(.apk)だとかは理解しやすいのですが、Google PlayとAmazonアプリストアに完全に同じソースコード、同じapkをリリースできるわけではありません。Amazonアプリストアに開発したアプリを申請して、テストして、公開しなければなりません。それから、Amazon開発者ポータルにおいてWindowswデバイスをアプリの対象に加えることになります。 そうした背景もあってアプリ開発者がAmazonアプリストアにappを公開しているとは限りませんし、appが公開されていたとしてもWindows11で使えようになっているとは限らないのです。

 

 アプリのapkを入手してADBコマンドや各種ツールなどを駆使して自力でアプリをインストールできる人にとってはWindows用のAndroidエミュレーターでアプリを動作させられていたので、「Android Apps on Windows 11」が成功するためには一般レベルのユーザが簡単に利用できるようにアプリ開発者がAmazonアプリストアに公開アプリを増やす動きが進むかどうかにかかっていると思います。

 

 Windows11でAndroidアプリが動く「Amazonアプリストア」プレビュー版と今後の展望を考える上で、2社の考えを想像してみます。 マイクロソフトとしてはマーケティング的にWindows 11の目新しさを出したい、しかし、従来アプリを切り捨てるような革新的なことをしてOSシェアは落としたくないと考えているでしょう。 アマゾンは消費者の生活に深く浸透してビジネスを広げたい、競合のエンターテイメントアプリ NETFLIX、Disney+、Spotifyが世界で急成長している、しかし、Amazon Fireと一般のAndroidデバイスとはハードウェアの互換性とアプリストアの制約はあるという状態でアプリのリリースは停滞気味なので何かテコ入れしたいと考えているはずです。この両者の思惑が一致したのがWindows11でAndroidアプリが動く「Amazonアプリストア」だと私は考えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 余談ですがWindows 11 Insider Previewを動作させている機材が、余剰になった旧型のPCの場合にはAmazonアプリストアは対応していないため、インストールすることができません。

 

どんな結果になるか詳細を載せておきます。

 

Windows Update

Windows Updateを通じてWindows 11 Pro Insider Preview、OSビルド25182.1010をインストールしました。

 

Microsoft Store PREVIEWのアプリ詳細情報

Microsoft Store PREVIEWのアプリ詳細情報で確認すると、バージョン22207.1401.1.0でした。

 

検索ボックスに「Amazonアプリストア」「Amazon」「アマゾン」などのキーワード)入力して検索してみましたが、「Amazonアプリストア」appは表示されませんでした。

 

Web版の「Amazonアプリストア」を表示させて「Microsoft Storeアプリの取得」ボタンを押します。

 

「Amazonアプリストア」を表示できましたが、「お使いのプロセッサは、この製品ではサポートされていません。」と表示され、インストールボタンは無効状態(グレーアウト)でした。