仕事術 技術力を維持するには努力を続ける必要がある | 特選街情報 NX-Station Blog

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今日の 仕事術は 技術力を維持するには努力を続ける必要があるをお届けします。


エンジニアリングの世界で技術力というのはある経験年数であったり、業務時間に達すると得られるものととらえられがちですが、それは正しいようで正しくないです。指示されてワーカーとして働く技術者としては一定の技術力があると認められるでしょう。技術を会得するのに時間がかかりますし、環境による差、覚えの速さの違いもありますが、サイクルを経験するという点では個人差が少なくなります。業務を効率よく遂行するということと試行錯誤をして技術力を向上させようとすることとはトレードオフの関係にあります。マニュアルに書かれた手順通りに作業をするということでは技術力の向上にはつながりません。


技術力について、最新の技術力、一番の技術力かといった視点で見ると違うでしょう。技術力のうち、先進性が必要なものは継続研究が、他者と比較される要素のある技術に関しては競争が必要です。他社との比較には論文であったり、コンテストなどの発表の機会が必要になります。


技術力といった場合には、文脈で変わってきますが特に言及されていない場合には先進性や他者比較しての優劣が含まれると考えることが自然で技術力を維持するには努力を続ける必要があるのです。


ある時点で業務を離れてしまって、全くその技術と関係のない業務に就くと技術力は維持するのが困難です。離れた職務の業績目標にその技術力の向上を入れるわけにはいきません。体を使う部分がまず衰えていき、続いて頭がついていきません。そのため、転職する、副業や趣味でその仕事をする必要が出てきます。そこまでして維持し続けてもその技術力が将来にわたって役にたつかどうかは分かりません。ここまでが個人としての技術力の維持の話です。


組織の技術力といった場合、構成する人、継承された知的財産、生産設備が技術力の基盤になります。製造業の場合には同じ生産設備を使えば同じ品質の物を連続生産できるように自動化をすることが行われます。一方でソフトウェア産業やサービス産業では同じものを連続生産するわけではないことが一般的で生産設備で何とかなるわけではなく人と知的財産の比率が大きくなります。人の割合が大きい場合、技術継承がすぐに課題になります。システム開発のプロジェクトで一時的に集めた人自体に技術がある場合、同じようなシステムを同じ組織が同じ人を揃えられずに再度開発することができないことがあります。


組織として技術要素の体系化、各要素の調査して、知的財産、ノウハウとして維持管理をすることが日本の企業ではきわめて弱いです。自社の特許技術の優位性、他社の特許技術との比較を継続的に出来ていないのです。出荷検査でごまかしをしているような組織では、経営者が性能で負けていることに気付きません。競合と相対的なポジションとしての技術力の維持を組織としてきちんとやっていかないとダメなのです。


短期的な利益の数字を追及するとすぐに成果に結びつきにくい研究開発の投資を怠ることになりかねません。効率が追及されると組織とそれぞれの人についても各業務においても最短で成果を上げることが要求されて、技術力の向上や新技術の開発がおろそかになります。


仕事術 技術力を維持するには努力を続ける必要があるでした。