一般労働階級の人はFIRE(Financial Independence, Retire Early) 十分な資産を築いて「経済的な自立」を果たし、定年を待たずに早期リタイアを実現する生き方に憧れる人が少なくありません。
FIREの基本ルールと仕組み
4%ルール: 年間支出の25倍の資産を貯め、その資金を年利約4%で運用し続けることで、資産を減らさずに生活できるという大前提の法則です。
資産運用を勧めるコンテンツではこの4%ルールを目安として3%~5%で運用を続けることができる前提で解説されています。近年は円貨の価値が低下し、モノや外貨と比較してかなりインフレが進んでいるので当初計算した4%ルールでは運用益が足りずに生活が苦しくなるケースがあります。日経平均、AI関連やSP500など好調な投資信託を選んでいれば数十%の値上がりで想定以上の運用益が出ていますが、国債・社債主体の投資信託の場合には運用成績が芳しくありません。
資産運用では年間どれだけの利益が上げられるか年率で示されることが多く、報道や資産運用セミナー、商品説明資料に記載されているのであたかもその年率で利益が出続けるように錯覚し、資金計画を立ててしまう人がいます。過去の実績、値動きの傾向から目安ではあるのですが、外貨、金(ゴールド)、原油、不動産、仮想通貨を組み入れた投資信託では地政学上の問題で大きく変動することがあります。実際、今年も大きく変動しています。

金融商品(株式や外貨・FX)や商品先物の売り買いを体験してみると分かりますが年間を通じて同じ比率で利益を上げることは非常に困難です。まして数年~数十年にわたって同じ比率で利益を上げることはできません。NISAやiDeCoで購入することの多い投資信託ですが、投資信託では半年、1年、3年、設定来といった期間でどれだけの利益を上げられたかといった実績が紹介されています。これは将来もこの率で運用できるわけではありません。高利回りで運用できたのは過去の話で、既に基準価格が高い状態なので下がり始めると換金売りによって大きく下がってしまうことがあります。投資信託の場合には運用費用(手数料)が掛かっているので基準価格が横ばい状態には損失になります。
定期預金や国債や社債のように予め利率が決められた金融商品であればその期間の運用益はほぼ確定しています。ですが発行元が破綻し利金の未払い、元金の未償還といった不測の事態が起きると棄損します。ですから将来の運用益を決めてよいのは預金保険で保護される円定期預金だけです。
現在、日本国債30年物の金利(利回り)はおおむね3.7%〜4.1%前後となっていてFIREの基本ルールに合致する低リスク商品ではあるのですがほとんどの個人は買おうとしません。健康寿命(現役時代)を考慮すると資金が拘束される期間が長すぎます。国が元本を保証しているので安全性は高いのですが、額面通り償還されたとしてもインフレで実質価値がなくなる恐れがあること、約1年は売却できないことや途中換金するとペナルティがあります。ちなみに会計上は満期保有目的の債券は時価評価をしなくてよいのですが、金利上昇傾向の債権は時価を見ると損失状態です。有利な資金の運用先が無くなったり、インフレが収まり金利下落傾向になると債券の時価は利益が乗った状態に変わるので保有するメリットが高まります。
近年はNISA貧乏という言葉も出るくらい焦って収入の大半を投資に回す方がいます。使いたいお金を我慢して投資するということは心身にストレスがかかります。ストレスフルな状態は冷静な判断ができなくなり危険です。具体的には身の丈に合わない投資率で収入を生活に必要なお金を削って運用へ回すと、不安感から時価が気になってしまい元本割れしたときに損失が大きくならないうちに早く逃げたいと投資を辞めて損失を確定させてしまう人が結構います。再開しようとしても運用に回せる資金が減った状態からのリスタートなので損失前に戻るのも大変苦労します。ここで早く挽回しようとその時点でリスクの高い商品や人気の金融商品に手を出すとそこが最高値ということになり、暴落に巻き込まれて再び売却して損失確定となってしまいます。
自ら誤った判断で問題を起さないようにするにはどうしたらよいか? 預金を投資に回す場合にはまずは運用資金全体の5% ( 1/20 )くらいから始めるのがよいと考えます。20回分の挑戦です。全額1つに投資しない、うまくいっても25% ( 1/4 )を越えないようにします。 私は90%くらいを投資(株式)に回した経験から危険性を実感しています。ショックと呼ばれる大暴落時に含み損が1か月の生活費、そして年収を超えたあたりから不安定になりました。そのタイミングでも買い続けたことで相場が復調した時に利益を出せて自分なりの投資比率と売り買いの手法を身につけたことで現在の上昇相場に乗ったままでいられました。そろそろまた危ない予感がしているので強い心で運用をしていきます。
強い心で運用する上で精神安定効果が高いのが円定期預金です。定期預金は満期日を一定間隔でずらしておいて有利な特別金利キャンペーンを逃さずに利用して特典を得ること、定期預金の利息は自由に使うということで余裕ができます。いざとなれば元本割れなく定期預金を解約した資金を使えるので急にお金が必要になっても困ることがありません。
理論上は最もパフォーマンスを上げている銘柄にすべての資金を投入することが最大の利益を上げられるのですが、予想することはできません。過去最高業績を上げている会社の株式ですら来期の業績を不安視すれば下がります。赤字の会社でも最悪期を脱したと思われれば後は上がるだけと判断する人が出てきて復調します。売買する人によって見ている時間軸が違うためです。どうしてかというと個別株・商品・投資信託では投資対象の株式や社債を売ってくれる人がいるから買付ができて、自分が売却して現金化したいときには買ってくれる人がいるから売付できます。取引の際には常に自分の判断と逆の人が存在しないと成立しませんから運用パフォーマンスは予想できないということです。
参考:
仕事術 売ってくれた人がいて買ってくれた人がいるから経済は回っている
パフォーマンスを全く予想ではないわけではなく、投資対象の商品の需要、企業業績と配当利回りから理論的に計算して割安・割高を判断して売買する投資家の存在によっておよその傾向は出ます。長期的かつ大規模の方が取引量が多いので極端に外れることが少なく、短期的かつ小規模の方が取引量が少ないので極端に外れることが出やすいです。
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