今日は、ニューヨーク地下鉄事情・定点観測シリーズ2026年版です。

 

コロナが終息してから、NYの治安が悪化し、逃げ場の少ない地下鉄では、特に危険な事件が多発しているというブログを何度か書きました。

 

ここ最近は、ホームからの突き落としや、発砲事件の危険情報を以前ほど聞かなくなりましたが、それは客の方が自衛をするようになっただけで、実際には安全になったと言うわけではありません。先月など、男がグランドセントラルの地下鉄駅で、ナタを振り回し無差別に通行人を襲撃するという衝撃的な事件が発生しました。

 

襲撃された3人はいずれも高齢者で、命は助かったそうです。犯人が高齢者ばかりを狙ったのか、被害者の方々が高齢だったがために、異変に察知するのが遅れて犯人と居合わせてしまったのかは定かではありませんが、一つ言えることは、NYの地下鉄で、変人に遭遇する確率は、劇的に増えてます。今私は通勤は郊外電車でグランドセントラル駅まで来て、職場までは歩いているので毎日は地下鉄を使いません。でも、仕事後にどこかへ行くときや、週末にマンハッタンに遊びにくる時など、月に何回かは地下鉄に乗ります。そして必ずと言っていいほど、近寄りたくないような人たちに遭遇します。

 

 

一番多いのが薬物中毒と思われる人たち。少しでも察知したら、離れるようにしています。あとは、大声で絶叫してる人や口論してる人も多いです。口論が発展して発砲事件になることもあるので、流れ弾に当たったりしないように、離れるのが賢明です。正義感の強い人が喧嘩を止めようとして巻き添えになるケースなどもありますが、現在NYの地下鉄にはあちこちに警官が配置されているので、通報するのが一番です。

 

私がここ立て続けに遭遇したのは、原付バイクの持ち込みです。自転車の持ち込みは元々多かったけれど、エンジンのついたバイクの持ち込みを見かけることが増えました。主にデリバリー業の人たちのようです。地下鉄が駅に近づいてブレーキがかかり、持ち主がバランス崩して、エンジンかかったままのバイクが、座席に座ってる人たちの方に倒れた時にはゾッとしました。ヘルメット被ったままのドライバーもいて他の乗客も怖くて誰も何も言えません。

 

 

そして先月のある日、私自身も恐怖の体験をしました。平日夜、会食を終えて地下鉄に乗ってブルックリンから対岸のマンハッタン方面に帰ろうとしていたら、フード・デリバリー中と思われる人がバイクで乗ってきました。私はドア横に立っていたら私の行くてを阻むようにその電動自転車?原付?を停めました。そしたら、地下鉄がマンハッタンへのトンネルに入ったとき、そのドライバーがいきなりバイクのエンジンをふかし始めました。そして何やら呟いてます。

 

夜のマンハッタン行きの上り電車なのでそれほど客はいなかったけれど、周りの人はサーッと避けるように彼の近くを離れます。私ともう1人の若い女性が、彼のバイクと車両の端のスペースに閉じ込められるような状況になってしまいました。ニューヨークの地下鉄は車両間の移動ができないことが多く、あいにくこの電車もそういう構造で、隣の車両には逃げられません。

 

 

この距離でエンジンかけ始めた

 

若い女性が、するりと抜けようとした時、彼が突然意味不明の言葉で彼女を罵倒し威嚇しました。その若い女性はそれでも強行突破して車両の中間部へ移動し、残るは私だけ。彼が逆上して、私をターゲットにしてバイクで突進されたら困るので、こんな時こそ平静を装い、落ち着きを装っていました。そして犯罪に巻き込まれた時の証拠にでもなるか、一応証拠写真撮りました。それに気がついたのか、彼は私に向かって何か言ってます。生きた心地がしませんでした。とりあえず視線は合わせないようにしました。

 

この区間、イーストリバーの下を通ってブルックリンからマンハッタン島へのトンネルの中なので、駅間距離が長くて、なかなか次の駅に着きません。しかし、やや緊張が解けて、

 

彼「おいおい、スマホが使えね〜よ。電波がねぇじゃぇか?なんでだよ。あんたのは、 Bro?(兄さん、みたいな意味)」(←少なくとも敵意はないようです)

 

私「今トンネルだから」

 

彼「トンネル?俺はどこに向かってるんだよ。次の駅はどこだよ?」

 

私「ウォール・ストリート駅だよ」

 

彼「俺は%$#@^&**に行くんだよ〜。%*&#^%@(意味不明の怒りの絶叫)」

 

トンネルを走行中の車内の騒音で何を言ってるのかわかりませんでしたが、どうやらデリバリー先とは反対の方向に来てしまったようでした。

 

その間、その男はハンドルを持ってまたエンジンをビュンビュンとふかしてます。

 

振動の激しい車内で、エンジンがついたままのバイクが私に突進してきたら、ドアと挟まれてしまいますし、最悪ドアを突き破って車外に放り出されるかもしれません。まさに絶対絶命。

 

たった数分でしたが、永遠に感じました。

 

そうして恐怖の時間はすぎ、地下鉄は駅につきました。NYの地下鉄は雑なブレーキをかけるので、彼もよろめいてバイクごと倒れそうになりました。そしてまた絶叫してます。幸い、ドアが開いたのは私の立ってた側。助かった、、、。彼も降りるのかと思いきや、降りてはきませんでした。着いた駅で乗り込もうとした乗客は危険を察知し、私が降りたドアからは乗らないで別の車両に散っていました。デリバリーの仕事してるくらいだから、精神的におかしいのではなく、反対方向の電車に乗ってしまい怒りが抑えきれなくなっただけだろうと思いたいですが、走行中の電車にバイク持ち込んで、車内でエンジンかけるとは、やはり尋常じゃないと思います。

 

下りの電車はまだやや混雑してる時間帯。またバイクを持ち込んでブルックリン方面に戻るのだろうか。

 

NYの地下鉄はいろんな人たちが乗ってます。

 

 

子供もたくさん乗ってるのでバイク持ち込みは取り締まるべき、、

 

NYでは精神状態に問題を抱えた人物による通り魔的事件が散発的に発生していて、公共空間特に地下鉄駅構内や車内の安全性が脅かされているそうです。NY市では地下鉄での見回り強化や、メンタル危機にある人への福祉体制の拡充などを進めていますが、現実には多くの重症者が支援の網からこぼれ落ち、今回のナタ事件のように重大な事件に発展するケースは後を絶たないそうです。こうなると、もう自分で自分の身を守るしかないです。様子がおかしい人に遭遇したらできるだけ離れるとか、歩きスマホはしないで周囲の状況を常に把握するなどで、危機管理を徹底しましょう。