先週旧友マーガレットの部屋探しを手伝った話をしましたが、それに関してもう一つネタがあります。
マーガレットとは、彼女が住まいの最終候補地に選んだ3つの地区、ミッドタウンイースト、フラットアイロン、ウエストビレッジを回りました。しかし私の一押しで、最初に案内したのは「アッパー・イースト・サイド」でした。でも、私の想いとは裏腹に、物件を見る前に界隈自体が彼女の候補から外れてしまいました。
アッパーイーストサイド、略してUESなどと言うこともある
アッパーイーストサイドはマンハッタンの中でも不動産価格の最も高いエリアとして有名です。タウンハウスや高級コンドミニアムが並び、最近では超高層タワマンの建設が相次いでいます(タワマンには反対運動も起きてますが)。高級物件ばかりではなく、ワンルーム(Studio)や極狭物件もあり、セレブしか住めない街、というわけでもありません。治安は比較的良好。グランドセントラルの地下を出発するメトロノース鉄道が地上に出てくる97丁目あたりからちょっと怪しくなるけれど、私が住んでいた数年間犯罪に遭遇したことはありません。
私がテキサスからマンハッタンに越してきたときに最初に住んだのもここ。部屋が狭くても、セントラルパークにアクセスができるので、それほど苦にならず、朝な夕なに散歩したものでした。そんなもんだから、マーガレットにもアッパーイーストサイドに住むことを勧めて、久々の再会でブランチした時はレキシントン街と87丁目の交差点のデンマークカフェ「Ole&Steen」で会いました。
しかし、ブランチの後、付近を散策してあらかじめネットで目星をつけてた物件を外から見てみようとなった時に、マーガレットが犬のフンを踏んづけてしまい、滑って転倒してしまうという悲劇に見舞われました。幸い怪我もなく、犬のフンで衣服が汚れることはありませんでしたが、彼女の靴底には犬のフンがねっとりとくっついていてしまっていて、仕方なくセントラルパークの中にあるボートハウスの横のトイレで洗い流しました。このボートハウスはセックスアンドザシティはじめ、マンハッタンを舞台にする作品に頻繁に登場するスポットです。皮肉にもそんな場所に犬のフンまみれで行くことになってしまったマーガレット。ほんと、申し訳ないです。久しぶりの再会で話に夢中になっていて、放置された犬のうんちに気がつきませんでした。
彼女は、「あなたは悪くないわ。飼い主が悪いの」といってくれましたが、カフェ「Ole&Steen」にいる時から元々イケすかない場所だとこのあたりの印象は悪かったようです。隣のテーブルに座ってた、近所に住むと思われる裕福そうなマダムが、マーガレットのジャケットを勝手に押しのけて、自分の連れを座らせたりしてて、「Excusme meくらい言えないの?」とややその時点で怒り気味。
そんなこんなで、彼女の中でのアッパーイーストサイドの印象は最悪。彼女にとって、セントラルパーク至近という条件は重要ではなかったようで、この地区は早々に彼女のチョイスから消えることになりました。物件見ることもなく、この日は解散。
セントラルパーク内のボートハウス
私は合計5年アッパーイーストサイドに住んで、特に嫌な経験はありませんでしたが、確かに犬のフンの被害は3回ありました。一番ひどかったのは、92丁目あたりをジョギングしてる時に、踏んづけていたのに気が付かず部屋に戻り、玄関のカーペットに悪臭が蔓延する羽目になった出来事。何食べさせてるんだろうというくらい、フンが弾力性があって匂いも強烈、簡単に水で洗い流せませんでした。気持ち悪いので管理室に洗浄をお願いしてもなかなか来てくれず、一週間放置されました。加えてその物件の退去時に清掃費$300ドル請求されました。また、当時マディソン街と80丁目あたりに住んでたゲイ友Zhaoも自分の犬の散歩をするときに、何度か当時飼ってたわんこが、他の犬のフンに触れてしまったりしたのは一度や二度ではないと言ってました。
正確な統計的は手元にないけれど、アッパーイーストサイドは、セントラルパークに近く、金持ちが多いので、他の地区に比べて犬を飼ってる人が多いそうです。セントラルパーク内には非公式ドッグランみたいな区域があって、首輪を外して散歩させてる飼い主も見かけます。マナーを守る人が多い印象ですが、どうしてこんなにフンが散乱してるのかというと、私の推測では、①ドッグキーパーが多頭で散歩させているので、フンの処理しないで立ち去る、②お年寄りが犬の散歩させている時に、犬がフンをしてることに気が付かないで放置している、③若者がスマホに夢中で、やはり自分の犬がフンをしてるのに気が付かないで放置してるケースが関係していると思います。③は他の地区にも見られる傾向だけど、①と②は高級住宅街であるがゆえの現象。そして、これは勝手な想像ですが、金持ちが多いがゆえに、家も広く、その分大型犬が多いから、フンも巨大なのかなと思います。
自分の犬じゃないから、その辺に💩放置するのかな?
15分の散歩で1匹40ドルが相場だそうです
また、犬のフンに関連して、アッパーイーストサイドの、特に金持ちが住むタウンハウス付近は結構な確率で粗大ゴミが放置してあることが多いです。使わなくなった家具やら、ホームパーティーやった後の装飾品やら使い捨て食器類。アパートやコンドミニアムにはきちんとゴミ回収場所や決められたルールがありますが、タウンハウスは基本一軒家と同じような扱いなので、敷地内に粗大ゴミを保管する場所がないからだと思います。そういえば、マドンナとか、どこだか産油国のアラビア王子が、自分のタウンハウスの周りの駐車スペースを違法に占拠して、恒常的に粗大ゴミを放置するので、近隣の住人が一致団結してNY市に集団で苦情を申し立てたなんてことがありました。
いつもの月曜朝の風景。週末に出た大量のゴミが放置
あと、アッパーイーストサイドは、護衛が必要な要人がしばしば知人を訪問する際に、付近が閉鎖されることがあります。数年前のある夏の日、たまたまセントラルパークにいたのですが、当時の大統領だったバイデンさんが、90丁目付近にある知人宅を訪問するということで、数時間にわたって付近の通りが閉鎖されたことがありました。私は86丁目の駅から地下鉄に乗ってグランドセントラル方面に戻るつもりでしたが、セントラルパークの横を南北に走る5番街が閉鎖されていてバスも来ないし、そもそも周辺を横切って地下鉄方面に行けないので、仕方なく蒸し暑い中セントラルパーク内を延々と歩いて戻ったことがありました。大統領が個人的に訪問しにくるような人たちが住んでいるのがアッパーイーストサイドなのです。
バイデンが旧知の友を訪問した時の様子
犬のフンの話からは外れてしまいましたが、何を言いたかったかというと、高級住宅地としてアッパーイーストサイドは、金持ちやセレブに振り回される街でもあるのです。犬のフンがその辺に転がっているのもそういう背景と関係してると私は思っています。と、なんだかアッパーイーストサイドをディスりまくったブログになってしまいました。私はそれでも大好きなエリアで、もしお金に余裕があって、今住んでる郊外の家と同じくらいの広さの物件に住めるなら、戻ってきて住みたいとは思っています。一方、マーガレットみたいに、自分が住む街じゃない、と感じる人もいることも知って面白い体験でした。
なお、南北に長いセントラルパークの中で、アッパーイーストサイド付近は桜の名所でもあります。今年もあと1−2週間で見頃です。懲りずにマーガレットを誘ってピクニック予定です。少しは印象良くなるかな。
写真は昨年の様子









