先週の大雪後もずっと連続で氷点下が続くニューヨーク地方。やっと旦那Dも実家から帰ってきて、久々に車で食料品を調達に出かけました。幹線道路は運転に支障はないけれど、交差点などで雪の塊が道路を防いで車線が減っている箇所で渋滞が発生。まだまだ完全に日常には戻っていません。雪かきの済んでない歩道からはみ出してくる歩行者が車道で転んで、冷やっとさせられました。あれ、夜だったら見えなかったかも。用事がないのに出かけるのはやめたほうがいいと買い物済ませておとなしく帰ってきました。

 

 

 

ということで、週末は基本的に家に篭ってました。そして旦那が帰ってきたら一緒に観ようと我慢してたHBOドラマ『Heated Rivalry』を一気に見ました。


『Heated Rivalry』は、12月頃から急にアメリカで人気になったテレビドラマシリーズです。カナダの女性作家、レイチェル・リードの小説を原作にドラマ化した作品で、カナダのストリーミングサービスCraveで制作されましたが、人気に火がついて大手HBO MAXで全米配信。今やちょっとした社会現象ともなっています。私の職場のストレートの女性同僚も知ってましたし、うちのご近所の老夫婦も話題にしてます。

 

 

物語には2組のゲイカップルが登場します。まずは、カナダのホッケー界の若きエース・シェーン・ホランダーとライバルチームのスター選手でロシア人のイリヤ・ロザノフ。二人はリンクでは宿敵、ライバルですが、やがて惹かれ合うというストーリー。そしてもう1組は、カナダのアイスホッケーのレジェンドでアメリカで活躍するスコット・ハンター選手と、彼が行きつけのブルックリンのカフェの店員キップ・グラディ。12月にゲイ友呼んでクリスマス会した時に、あるゲイ友カップルが激推ししてたのですが、まさかこの2ヶ月ほどでこんな爆発的な人気番組になってるとは思ってもいませんでした。

 

 

 

 

これから楽しみにしている方々のためにも、物語の詳細には踏み込みませんが、ホッケー界というマッチョでホモフォビア(同性愛嫌悪)の風潮が色濃く残る中、スター選手たちが自らの性自認に葛藤するという物語は、目新しくはなく、基本的にはいわゆる「ブロークバック・マウンテン」的な構図です。最初はホッケーの試合とシェーンとイリヤのベッドシーンばかりの印象でしたが、回が進むにつれて面白くなります。

 

主人公の4人を演じる俳優たちが全員魅力的。本人たちはこんなにこの作品がヒットするとは思っていなかったようで戸惑いもあるようですが、その初初しさが作品の魅力に繋がっていると思います。私にはシェーン役のハドソン・ウィリアムズのインパクトが強いです。高尚で後光が差しそうな雰囲気の彼は、オランダ系カナダ人の父と韓国系の母との間に生まれた白人とアジア人のハーフ。物静かでエキゾティックな風貌そして鋭い眼光で、影のあるこの物語に欠かせない人物となっていると思います。主要キャスト4人が全員生粋の白人だとここまでの注目は浴びなかった気がします。それくらい、彼の容姿(特に目力!)にインパクトがあります。そして、天敵で恋仲でもあるイリヤ役も適役。ロシア人という設定ですが、コナー自身はテキサス出身の生粋のアメリカ人。でも柄の悪そうな雰囲気を目一杯に出して、ロシア訛りの英語を駆使しています。二人とも役の幅が広そうで将来が楽しみな若い俳優さんです。

 

そして、この作品のもう一組のカップルを演じるのはフランソワ・アルノーとロビー・GK。二人ともカナダ人俳優です。今までそれほど売れていたとは思えませんが、二人がブルックリンのカフェで出会うシーンなどは、妙にリアリティがあって、万人を引き込む魅力があります。これをすでに名の知れた俳優が演じてたら、同じくらいのインパクトはなかったと思います。なお、4人全員、ナイスバディ。みなさんの好みは誰ですか?笑。なお、番組内で裸がゴージャスなのはダントツで1のイリヤ役コナーです。4のスコット役のフランソワは今年40歳、熟れた男の香りが漂います。

 

 

この現象を見ていて面白いなと思うのは、今までのゲイドラマとは社会での受け入れられ方がとても違っていることです。同性愛者を主人公に据えた映画というと、今まではLGBT当事者で火がついてトレンドになって、徐々に広がっていくという感じでしたが、この作品は最初から一般に広く知れ渡っています。政治家たちも乗っかってきていて、なんと本国カナダでは、首相のマーク・カーニーとシェーン・ホランダー演じるハドソン・ウィリアムズとが面会して、その姿がバズっています。またドラマの中でスコット・ハンターが属するチームのホームタウンであるニューヨーク市の現役市長マムダニ氏が、先週の大雪で市民に家から出ないように注意喚起を促した時に、「こういう寒い日は家で『Heated Rivalry』観るにはまさにうってつけです。」と発言したりと、政治家すらそのヒットに乗じてる状態になっています。マムダニ市長の発言で、原作本のダウンロード数は600倍近くになったそうです。

 

 

ハドソン・ウィリアムズ人気に乗るカナダ首相

 

我らがNY市長マムダニ氏も作品を激推し

 

 

物議を醸してる写真。首相というよりスケベおっさん

 

ヒット作の宿命で、そのうちアンチの注目も呼び起こし、男のスポーツ「ホッケー」をホモが汚すなとか、「子供の教育に良くない」とか言ってテキサスやフロリダとか南部の州にいるホモ叩きをお家芸にするおバカな政治家(自らも隠れホモだったりする)が騒ぎ出すんだろうけど、、、。個人的には、ここにトランプが乗っかってくるかどうかは興味深いです。

 

そして、見てて嬉しいのが、この主演4人から漂う親近感です。ハリウッドを中心に活躍するアメリカ人スター俳優のように印象が操作されてる感じがなくて、プライベートの写真から、撮影中のスナップ写真、番宣の合間の写真など彼らの素顔がたくさん流出していますが、お高くとまったセレブ感がなくてみんないい奴そうなんです。(英語では「Boys Next Door」などという)作品のヒットが急だったので、プライベートの写真の統制が間に合わなかったのかも知れませんが、逆にそれがいい効果を生んでいると思います。マスコミに追い回されてプライベートを嗅ぎ回られる立場になった今、色々と大変かも知れませんが、手の届く感じをずっと持っていてもらいたいものです。

 

BL的視点なのか、このカップルの方は女性支持率が高いそう

 

彗星のように登場した二人。伸び代がありそうですね

 

ゲイにはこっちのカップルの方が親近感。周りにいそう

 

オフショットと思われる。微笑ましいのか生々しいのか

 

フランソワ・アルノーの若い頃は中世の貴公子みたい

 

ということで、北米で大人気の『Heated Rivalry』の紹介でした。まだ、放映が始まって3ヶ月足らずで、ヒットの要因や批評もまだ固まってはいない状態です。聞いたところ、北米では女性の視聴者が圧倒的に多いそうです。素人批評家の私からいうと、この作品の原作者が女性だということは興味深いです。いわばBL(ボーイズ・ラブ)的というか、女性にも受け入れられやすい描写やストーリーになっている要素が社会的ヒットにつながっているのかなと考えています。原作者のレイチェル・リードは、二人の子を持つストレートの女性です。きっと、ゲイの私にはわからない、女性をも惹き込む魅力が隠されているのでしょうね。ドラマに登場する女性キャラも重要な役割を果たしています。第4話、5話くらいになってくると、これまでの典型的なゲイストーリーにはない質のロマンチックさや、そうくるか〜みたいな新鮮な展開があって新鮮でした。

 

この大ヒットのおかげでシーズン2の制作が決まりました。1シーズン限りで終わりがちで裾野の広がりにくいゲイドラマとしては快挙です。また、この勢いだと北米以外にも配信されることは確実なので、ぜひ日本の皆さんも楽しみにしてください!