先月のある日のこと、久しぶりに早朝出勤しました。家を朝6時過ぎにでて、グランドセントラル駅に着いたのが7時台。COVIDでテレワークに慣れきってしまい、朝早い会議がある時は、まず家から会議に出て(うちの会社の会議はほぼ100%ハイブリッド)そのまま午前中仕事して、気が向いたら昼休みの時間を通勤に充てて午後出勤、、というようなかなり堕落?した生活をしている私にとって、こんな早朝出勤は久々、いやコロナ後では初かもしれない。しかも今はニューヨークが年間で一番寒い時期です。

 

7時過ぎのグランドセントラル駅前。大雪の前の週

 

その仕事というのが、部下の査定評価のフィードバック。これは対人で行うことが推奨されていて、先月末までに部下の一人一人と面談することになっていたのでした。部下の何人かは会社徒歩圏内に住んでいるので、査定の面談は朝早いうちの方がいいと希望があったので、私もそれに合わせた格好です。

 

この時期の8時前はイーストリバーの方角からビルの谷間に差し込んでくる朝日の光の加減が美しいので、それを見ようと駅から会社までの通勤経路をちょっと変えてみたら、東40丁目の目立たないところに美味しげなベーカリーカフェを発見しました。ショーウィンドウに焼きたてのクロワッサンや菓子パンが並んでいました。通勤ラッシュには少し早いので、客もまばら。吸い込まれるように店に入ると、店員さんも思いっきりフレンドリーです。朝食用にブルーベリーマフィンとコーヒー買ってイートインしました。焼きたてのマフィンは、フレッシュなブルーベリーがたくさん入っていました。

 

通りから見えるようにディスプレーされてる焼きたてパン達

 

店の中も暖かい雰囲気です

 

日本スーパー片桐がある41丁目はよく通りますが、40丁目は滅多に通らないので今までノーマークでした。店の雰囲気も良くて、まだ早朝で誰も他の客はいないので少しくつろいでいたら、店員さんがカウンターの奥から何か声をかけてきました。インド系のお姉さん。でもアメリカンアクセントなので、きっと生まれも育ちもアメリカでしょう。

  • 店員さん:「Sir?」(すみません、くらいの感じ)
  • 私:「Me?」(私ですか?)
  • 店:「はい。あの、もしよかったら、そこにあるアーモンドクロワッサンいかが?」
  • 私:「ええ?いいの?」(カウンターに放置された袋に目をやってやや訝しいげに)

多忙なマンハッタンでこういう好意に接することはあまりないので、警戒気味な私の表情が伝わったのか。店員さんがすかさず、フォローアップ

  • 店:「あ、嫌でしたらいいの。ただ、さっき来た旅行者が買ったのにそこに忘れていったのです。もう帰ってくることはないと思うから。それに新作だし、美味しいと思います」
  • 私:「I see(なるほどね)。それでは、遠慮なく」
  • 店:「良かった。棚に戻せないし、かといって捨てるのは嫌なの。今、誰もいないし、良かった」

ということで、お店の新作アーモンドクロワッサン、無料で頂いてしまいました。ブルーベリーマフィンも美味しかったけれど、このアーモンドクロワッサンはさらにその上をいく味です。アーモンドのシャキシャキ感が、なんとなくマンハッタンの朝の活力を感じさせます。また、このお姉さんの臨機応変な対応とか、人間として真っ当なところとかに触れ、朝から得した気分です。もちろん、無料でこんなに美味しいアーモンドクロワッサンも頂いてしまい、まさに早起きは三文の徳。

 

シャキシャキアーモンドの食感がたまらない

 

 

やっぱり、たまにでもこういうほのぼのとした経験に遭遇するのは、マンハッタンに通勤する楽しみと実感。酷寒で観光客が少ない時期だからだろうか、たいてい心温まる体験をするのも大体この時期です。あと1時間遅いとこのお店もオフィスに向かう通勤客などで混んでくるだろうし、久々に早朝通勤して良かったです。ちなみに、この朝発掘したカフェベーカリーの名前は「MATTO」。ネットでお店のサイト調べたらマンハッタンで多店舗展開していて驚きました。お店の看板のデザインが可愛いです。

 

 

 

そして、会社でもいいことが、、、。部下との査定面談の準備のために会議室にいたら、超絶イケメン上司・ベネディクト。サンタバーバラ氏がひょっこり現れました。

  • 氏:「今日は早いんですね」
  • 私:「パフォーマンスレビューがいくつかあって。」
  • 氏:「そうだね。ご苦労様。初めてのリーダーシップのポジションだけど、頑張ってるようで良かったです」
  • 私:「そう言われると嬉しいです。例のコーチングの件、ありがとうございました。」
  • 氏:「NWさんとのレビューも早く日程決めないとね。XX(秘書)から連絡がいくと思うけれど、来週でいい?」
  • 私:「はい」
  • 氏:「NWさんは良くやってるから、特に急ぎではないんだけれど、何か困ってることがないかも聞きたいし」(相変わらずできた上司です)

彼に会う前に、彼のオフィスの前を通ったら、何やらパソコンの画面に真剣に集中していたので、挨拶してきませんでしたが、彼も、自分のチームのパフォーマンスレビューを仕上げているらしいです。そう、私の分も含めて。


何ヶ月か前のブログでも触れましたが、初の管理職ポストに昇進した時、色々気にかけてくれてコーチングまで手配してくれました。毎日顔を合わせるベッタリの関係ではないのだけれど、やはりこうして数分でも会話を交わすと安心するし、部下である私のことを気遣っていることがわかるので、やはり新しい1年、頑張っていこう、となります。この短い会話からでも、とりあえず今期の査定でクビになったりすることはないと思い、安心できた朝でした。

 

早朝から仕事に精だすサンタバーバラ氏(イメージ)

 

それと、朝早く来て意外だったのが、この早い時間にも社員が結構オフィスにいることでした。大体マンハッタンに住んでる若い社員が多くて、私のように郊外通勤組もうかうかしてられないかと気を引き締めたい気分でした。ロングアイランドに住むベネディクトは、私と同じくらいの通勤時間があるはずなのに、もう一仕事終えたような雰囲気。やはりマンハッタンのエグゼクティブは朝型なのだということを証明するケースだなと思い、彼からもいい刺激を受けました。そんなこんなで、久々の早朝出勤はいいことばかりで、まさに早起きは三文の徳と実感した朝でした。

 

ところで、50年近く生きてて、三文のとくは「徳」が正式なんだと知りました。ずっと「得」だと思ってましたが小学館のサイトによれば「得」でもいいらしいのですが、金銭的な得だけでなく、生活全般の充実やメリット含め「徳」だそうです。

 

 

 

可愛い看板のMATTO。夜の方が映える