先週、ついに1ドル160円台に突入したというニュースに驚愕しました。米ドルで給料もらってる私にとっては嬉しいことなのかもしれませんが、日本という国の価値が下がっていると解釈するとやはり寂しいものがあります。

 

下のリブログ、昨秋に1ドル150円台で大騒ぎしてたとき、こんなこと書いていました。あの時も円安で、知り合いのニューヨーカーたちがこぞって日本旅行に行っていることを紹介しました。円安傾向はさらに加速して、この夏に日本旅行を計画しているアメリカ人の数は記録的になるだろうとの予想だそうです。個人的にはアメリカン航空のJFKー羽田便が再開されたので直行便の航空運賃が少しでも下がればと期待しています。

 

 

従来は、ニューヨークから日本に旅行にいく人たちは、もともと日本に興味があったとか、日本やアジアに家族が赴任しているから日本に旅行しているイメージがありましたが、今は数ある中のデスティネーションとして価格的なアドバンテージで日本を選んだ、と言う感じの人たちが多い気がします。だからあまりリサーチしないまま日本を訪問して、観光公害に加担してしまっている人たちもいるのかなと思ったりもします。

 

海外在住だからか、日本語ニュースサイトを覗くと、多分AIのアルゴリズムが作動して訪日外国人に関する記事が見出しに出てきます。傾向を観察してると「外国人が日本に感動してる。すごいぞ日本、自画自賛系」と「オーバーツーリズムによる観光公害や物価高などを起因とした外国人嫌悪系」の両極端な内容に2分されます。今日は、そのポピュラーなトピックに当てはまらない、日本ではあまり紹介されない、彼らが日本を旅行先に選ぶことになったプロセスと旅行後に起こったトラブルなど見聞きしたエピソードを紹介してみたいと思います。

 

先週参加した会社のトレーニングで隣に座ったアメリカ人の女性が、日本から帰ってきたばかりで、私が日本人だと知ると色々彼女の日本滞在記を聞かせてくれました。年齢は私と同じくらいで、リベラルそうなユダヤ人。彼女は今まで日本にはそれほど興味はなかったけれど、毎年夏に訪問してたイスラエルは政情不安定で不安だし、ずっと万里の長城を見に行きたいと思っている中国も、外国人に対してウエルカムな感じはしないし、それどころかアメリカ人は一般人でも中国でスパイ容疑かけられたり、襲撃されたりする事件が相次いでいるので怖くて行けない。それで、今年の夏の旅行先としてタイ、トルコと日本に絞り、価格的に一番お得感のあった日本にした、と言うことです。元々人気のあった有力候補地が旅行に適さないので、日本が相対的に選ばれたという見方もできます。

 

そして、やはりお買い得感。日米間の航空運賃は寡占状態で高止まりしていますが、タイやトルコは中東エアラインやヨーロッパ系の乗り継ぎ便など選択肢が豊富で価格競争力があります。それでも日本を選ぶと言う事は、エア以外の滞在費で日本はこうした中進国よりも安い場所だということになります。正直、タイやトルコよりも安いのか、、と現実を知らされました。まあ、それでも、相対的な満足度が高かったという話を聞いて、彼女と家族が日本を楽しんでくれて、こうして興味を持ってくれたことは良しとしましょう。一般的な訪日外国人のコメントと同じように、サービスの質の高さを考えたら値段が安いことは旅行者にとって嬉しいと思いつつ、教育水準の高い彼女のような人は逆に心配に思っているようで「どうやって日本経済は回ってるの?」と突っ込んだ質問されてしまいました。「労働者の低賃金と時間外労働、、、」と言いたいところでしたが、研修の休憩中に経済議論するのもなんだかなと思い苦笑するしかありませんでした。しかし彼女のような動機こそ、今日本を訪れる外国人旅行者が持つ本音なのではいないでしょうか。

 

もちろん、今も日本に特別な思いがあって旅行している人たちもたくさんいると思いますが、結局旅行は消費活動ですので、この女性のように、消費者が予算によって、数ある目的地の中から旅行先を選ぶという行動になるのは真っ当なことだと思います。

 

そこで気になったのは、日本のメディアの自画自賛報道やネット記事。よく見かけるのが、「恋焦がれて日本にやってきた、日本は夢の国」「日本の食べ物がすごい、日本人は親切、どこへ行っても綺麗」だから外国人がたくさん日本に来てる、みたいな記事。大体白人にインタビューして日本のすごいところを述べさせる内容。インバウンドの問題と日本人の海外旅行動向を比較し円安や景気の先行きに対して不安を煽り立てる論調や、オーバーツーリズムによる観光公害などのネガな情勢ばかりよりはいいかもしれませんが、こういう自画自賛系、鵜呑みにすると、訪日外国人はみんな日本が好きなはず、だから、日本を熟知しているはず、とどうしても期待値が上がってしまいます。

 

 

 

写真はイメージ

 

こういう記事の中に「外国人がそんなこというわけないだろ!」というような内容をたくさん見てきました。

 

実際、最近日本旅行した方から、訪日中に受けたインタビュー記事に事実でないようなことやそもそも質問もされていないようなことを書き立てられたり、誰かを傷つけかねないような記載もあるので訂正をリクエストしたい、と相談されました。彼はあるゲイ友のお兄さん(推定50代後半)なのですが、彼が仕事兼旅行である西日本の県に行った時、奥さんと子供、そして通訳してくれた日本在住のアメリカ人男性とインタビューを受けたそうなんです。「日米の架け橋〜姉妹都市親善大使!」みたいなありがちなプロジェクトで地方紙の記者とのインタビューが設定されていたそうです。そこで聞かれたことは好きな食べ物とか、日本で好きな点とか他愛ない内容。アメリカの寿司と比べて当地の寿司はどうか、という質問には「エクセレント」と言っておいたそうです。その時はインタビューした地方新聞社の人とメールアドレス交換して、アメリカに帰ってきた後に日本語で書かれた記事のリンクが送られてきたそうです。

 

一生懸命Google翻訳で英訳して読んだら、インタビュー中の回答には「アメリカに戻ったら地元の寿司は不味くて食べられなくなるだろう、」等と言ってないことまで書かれてびっくり。そのお兄さんが住んでる街にも日本人がやってるお気に入りの寿司屋があるので、こんなこと書いてほしくなかったそうです。そして、最も不信感を持ったのは、なぜか、男二人で旅してるかのような演出になっていて、奥さんと子供がいないことになってる。一緒にいたアメリカ人男性は旅行者でなくて、日本在住の通訳さん。インタビューの時には散々奥さんや子供の写真も撮ったのに、家族が可哀想、ということで、日本人の友達(←私のこと)がいるゲイ友に相談してたようです。それで、私にこの記事を書いた人にたどり着くにはどうしたらいいか、と言う相談がきたのです。既に、記事を送ってきた記者さんには抗議のメールは書いたそうですが返信はなしだそうです。

 

まあ、ここでその記事のリンクを貼り付けしたいところですが、ご本人が事実でないという内容を拡散するのも気が引けます。でも、第三者の私が読んでも、その記事ご都合主義というか、日本人が読んだら喜びそうなコメントばかり並べてありました。おそらく、日本にいる日本人が読む日本語メディア、しかも地方紙なので誘導尋問的な聞き方したんでしょうね。私はその場にいなかったのでなんとも言えないですが、アメリカ人の彼には食欲をそそらないような寿司ネタもあったものの、「こんな美味しい寿司、今まで食べたことはないし、これからも食べられないだろう」とは言ったらしいです。まあ、アメリカ人が良く使う褒め言葉です。しかしそんなリップサービスしたら、記者が日本人が勝手に「アメリカの寿司は不味くて食べられない」と大袈裟な解釈をしてしまったのだと思います。それと、「男二人で旅してるかのようなニュアンス」については、嘘は書かれてはいないけれど、確かに奥さんと子供も一緒にその場にいたことは書かれていませんでした。私の予想では、最終稿に奥さんを登場させなかったのは、奥さんがそのお兄さんよりもひとまわり若いフィリピン系の女性で、子供は彼女の連れ子だったからと推測してます。日本人が想像するような全員白人の「アメリカ人一家」とは絵的に違うのだと思います。通訳の在日アメリカ人は横須賀在住の元軍人さんだそうです。なんか、NHKが作る戦争ドラマの米軍大将役にいそうな雰囲気。よって、たとえおっさんでも、地方新聞のネット記事の写真に使うには白人男二人の方が無難なんでしょう。私が初見でその記事読んだだらニューヨークからやってきたアメリカ人ゲイカップルの日本旅行記と思ったことでしょう。

 

結局、そのインタビュー・ネット記事を掲載した地方新聞社の「お客様案内センター」にコンタクトするWebフォームのリンクを送ってあげました。もう配信されてしまっているので、取り消しは聞かないけれど、相談してきたゲイ友には、「日本語記事でしかも地方新聞社なので、限られた人しか見ないし、全世界が目にする内容ではないと思うよ、」と彼のお兄さんになぐさめの言葉をかけておいてあげてと言っておきましたが、、、。ネットに掲載された写真はデジタル・タトゥーとも言われ、取り消しが非常に難しいと聞きます。よって自分が同じことされたら嫌ですね。

 

長々と書いてしまいましたが、今日本を訪問している外国人の多くは、あまり日本に深い理解がないまま、価格で選んで旅行先として決定していると言う事実は、日本のメディアが紹介していない不都合な真実だと思います。そういう事実を知ってこそ、日本側もきちんとした観光受け入れ対策ができると思いますので、やはり事実の認識は必要かと思います。

 

訪日外国人に関する記事というと、「日本すごいぞ自画自賛系」と「オーバーツーリズムによる外国人嫌悪系」の両極端な考察になる傾向がありますが、それは日本にいる日本人向けの記事なので仕方ないのかもしれません。それなので、こうした外国人がそもそもどうして日本を旅行先として選んだのか、など旅行者側の事情なども紹介してみました。

 

 

ところで、ゲイ友のお兄さんの記事を配信したネットニュースとは全く別ですが、最近日本語ニュースサイトを開くとHint-Potというサイトの訪日外国人インタビュー記事が見出しに出てきます。内容は基本的に日本絶賛系の記事ばかりですが、それはさておき、取材依頼してる外国人の男のチョイスがいけてます。ここもやはり異様に男同士で旅してる設定が多いのが気になります。ガタイのいいクマさん系(Bear)、近所にいる育ちの良さげなお兄さん系(Boys next door)など、写真写りのいい、だけど、それほど高嶺の花はない親しみやすい、ゲイ好みのする男が登場するので、思わずクリックしてしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

このおじさん、特にかわいい。ゲイ界隈ではモテ筋。